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人形劇三国志
1:環 2003/02/11(火) 01:06 こんばんは、はじめまして。 私が三国志を知るきっかけとなったNHK人形劇三国志。 心に残る名場面、名台詞について語ってみませんか? 私のイチオシは第21話「玄徳の結婚」での、曹操と郭嘉の別れの場面です。 長くなりますが、台本形式で書いてみました。 ネタばれが嫌な方は、ご注意ください。 月明の下<曹操>天下の制圧を<郭嘉>に誓う 官渡の戦いで、7万の軍勢により70万の袁紹軍を破った曹操軍は 破竹の勢いで進撃を続け、袁尚に止めを刺すべく北伐へと出立する。 だが、その陰で曹操軍軍師・郭嘉の身体は静かに病に蝕まれていた。 第一幕<砂嵐吹く荒野> 行軍する曹操軍。 せわしげな蹄の音。夏候淵が駆け寄って来る。 夏候淵:丞相様大変です、郭嘉殿が 曹操:郭嘉が如何いたした! 第二幕<天幕の中> 目を瞑って寝台に横たわり、苦しげに息を付く郭嘉。 寝台に歩み寄る曹操。 曹操:郭嘉。わしが悪かった 郭嘉:(目を開く) 曹操:たかが敗残の袁尚を討つためにこのような砂嵐の吹きすさぶ地の果てまで兵を進め、 そなたに多くの難儀を舐めさせ、果ては病まで与えてしまった―― 郭嘉:(咳き込みながら)かたじけないお言葉…たとえわたしのいのちがここで果てても、 御恩の万分の一もお返ししたことにはなりません 曹操:いのちが果てるなど、縁起でもないぞ郭嘉 郭嘉:いえ…わたしのいのちはこれまでです 曹操:郭嘉! 郭嘉:病は天意…何の悔いることもございません 曹操:(視線を逸らし)この地の果ての厳しさには聞きしに勝るものがある… わしは軍勢を返そうと思う。郭嘉、共に都に帰ろう 郭嘉:(目をかっと見開く)いけません!(片肘を突き身体を起こす) せっかくここまで押してきて、もうあと一押しでございます 曹操:しかし軍師のそなたまで病を得ては、 郭嘉:(遮るように)兵ハ神速ヲ尊ブ、と申します。 今遥かに千里の彼方を襲うのに、大部隊で進んではお味方の不利でございます。 土地の者を雇い道案内をさせて軽装の軍勢をもって一気に押し進み 敵の虚をつくにこしたことはございません…(激しく咳き込む) 曹操:わかった郭嘉。もう、よい。後でゆっくり聴こうぞ 郭嘉:いえ…もう時間がありません。後のことは一切この中に(震える手で書を差し出す) 曹操:郭嘉!何を申す 郭嘉:(喘ぎながら)殿!進むのです絶対に。絶対に退いてはなりません―― 郭嘉、力なく寝台に倒れ込む。 曹操、郭嘉にすがりつく。 曹操:郭嘉!しっかり…しっかりせい!郭嘉―― 燭台が風に吹き消える。 曹操:郭嘉…(咽び泣く) 第3幕<月光に照らされる荒野> 荒野に浮かぶ下弦の月。 独り月を仰ぐ曹操。 曹操:郭嘉。わしはお前に、全てを託そうと思っていたのだ。 お前はわしの部下の中で一番若い。そのお前が、なんでわしを置いて逝く! 天はわしをほろぼそうとするのか…郭嘉… 曹操、夜空に郭嘉の幻影を見る。 郭嘉の声:殿。進むのです、絶対に。絶対に退いてはなりません―― 曹操:郭嘉。そちの、そなたの志はきっと無にせん! つたない文章ではありますが、雰囲気をお伝えできれば幸いです。
2:★ぐっこ 2003/02/13(木) 01:10 はじめまして、環さま。レス遅れて申し訳ない… 人形劇ですか〜。懐かしいですね… 思うに多くの日本人にとって、NHK人形劇が三国志の導入になっていた のではないでしょうか(横光とかと一緒で)。 私も、おぼろげながら当時の記憶がありますな… さすがにこの頃には郭嘉あたりの知識もありませんし、呂布の弟(だったけ?) が登場しても何の疑問も持たなかったのですが。 個人的にベストなのは…やはり孫権と周瑜の確執あたりかな… あと、ダーティ呂蒙(;^_^A
3:左平(仮名) 2003/02/15(土) 00:22 ダ−ティ呂蒙、覚えております(といっても、再放送で見たのですが)。 あれで、ほんまに享年四十二か、というくらいのジジイキャラでしたよね(蒼天の愛嬌キャラもどうかと思いますが)。 あと、司馬懿の髪や髭が黒かった(ゲ−ムでも、大抵白かロマンスグレ−なので、あれはちょっとした驚きでした)。 スト−リ−は…全く覚えておりません。
4:惟新 2003/02/15(土) 01:33 郭嘉━━━━━━(T∀T)━━━━━━ !!! ああ、いいシーンです…切ないなぁ… 曹操伝で赤壁大戦に郭嘉が復帰したとき歓声をあげたのは私だけではないはず! 遅れましたが、環様、はじめまして〜 お話伺っていましたらまた人形劇見たくなりましたですよ。 BS三国志もそうですが、また再放送して欲しい… やっぱりあの呂蒙はインパクト強いですよね。 関羽の最期のシーン、たまたま母親と二人で見てたですが、二人して思わず泣いてしまったですよ。 それ以来、数年間は呂蒙嫌いになってました(^_^;) 何気に印象深いのは左慈VS管輅の妖術対決。 しかも紳々竜々が左慈の弟子になってるという(^_^;) そうそう、主題歌も妙に好きでしたねぇ。 お金さえあればDVD買うんですが…さすがに手が出ないです。
5:環 2003/02/19(水) 23:21 レスありがとうございます! ずうずうしくも初カキコで新スレッドを立ち上げてしまった新参者に暖かいお言葉を頂き、感激しております。 >ぐっこさま こんにちは。高尚、学術的な話題でいっぱいのこちらの掲示板に こんなミーハーな書き込みして浮いているのでは?とびくびくしています。 こちらで初めて読んだのは南蛮王シリーズですが、目から鱗が落ちました。こんな遊び方があったなんて! 一度クリアしてしまいこんでいたのを引っ張り出し、キャラをエディタでいじりまわり、ばしばし新武将を作り サルのよーに遊びまくりました…辺境の一都市からスタートし、益州・荊州・涼州を平らげ中原を制覇し 最後に最強の敵・曹操を倒し天下統一…三国志Zがこんなに面白いゲームだったなんて!ぐっこさんのおかげです。 お仕事でお忙しいとは思いますが、南蛮王、続きを書いて下さいませ〜 これからもどうぞよろしくお願いします。 >左平(仮名)さま 小説「牛氏」読ませていただいています。 若い二人が初々しくていいです!この純情朴訥青年・牛輔が大人になってどう変化するのか、あるいはしないのか。 どうやって非業の死を遂げることになるのか、楽しみです。 NHKは呉ファンにケンカを売っているとしか思えません。 周喩は孔明にからんでは負かされる引き立て役だし 魯粛は孫権・周喩と玄徳・孔明の間でオタオタして情けないし。 …ま、これは「演義」だから仕方ないね、百歩譲りましょう。 しかしあの呂蒙は酷すぎる!全国の純真な少年少女に「極悪人呂蒙像」が 刷り込まれてしまうではないですか。努力の人・大器晩成の智将なのに。 >維新さま この人形劇で曹操は倣岸不遜・唯我独尊・無敵の悪役ですが(曹操はどこでもだいたいこんなだけど) その彼が郭嘉の死に際し、思いもかけない脆さを見せてくれるんです。 彼の体調が優れないとみると「咳がおさまらぬな、身体をいとえよ」と声を掛け 「郭嘉が倒れた」との知らせに取り乱して枕元に駆けつけ 余命いくばくもないことを認めまいと目を反らし「共に都に帰ろう」とかきくどき なによりあの表情!人形なんだから表情があるわけがないんですが 縋りつくように包みこむように、死の床にある郭嘉を見つめるんです。 消え去ろうとする彼の魂魄をなんとか側に留めておきたい、との祈りを感じました。 人形師の川本御大、声優の岡本氏、そして人形遣いの方々が三位一体となり初めて生まれる「名演」です。 見直すことをおすすめしますよ!当時気付かなかった新たな発見がけっこうあるものです。 買うと高いですけどね…再放送希望。BS三国志も見たい〜!
6:中根東竜 2003/07/10(木) 17:37 お久しぶりの書き込みになります。 最近知ったのですが、人形劇三国志の脚本家の一人・小川英氏って、 暴れん坊将軍とか長七郎江戸日記とかの脚本家でもあるんですね。 それらの作品を通してみると、小川作品に流れているのは、勧善懲悪を重んじ人情に篤い・・ という考え方のようです。 呉を悪く書いたのもそのせいなのでしょうか?
7:中根東竜 2003/07/10(木) 17:51 脚本家話し、続けます(長くなるので連投すんません)。 人形劇三国志は、小川氏の他に四十物光男・田波靖男の 両氏も脚本を書いて居られます。 四十物氏は小川氏と共同で「太陽に吠えろ」の脚本、 田波氏は美味しんぼやクレージーキャッツの脚本を 書いて居られました。どちらにしてもベテラン脚本家ですから 物語の練り込みは凄いですが、歴史畑ではないですね。 人形劇三国志のドラマとしてのおもしろさと、歴史考証の甘さも、 そこらへんに起因しているのかな?と思いました。
8:★ぐっこ 2003/07/10(木) 23:56 >>5 環様 遅レスですが(五ヶ月経過)応援感謝です! いやー。何でレスに気づかなかったんだろふ…まだ読んでおられたら、 ごめんなさいと(^_^;) 既に南蛮王、「XI」になっちゃってますけど。 >>6-7中根東竜様 おひさしぶりでございます! ナニゲに貴重な情報ありがとうございます!人形劇…そういえば脚本家の 方を意識して見たこと無かったので、目からウロコでした。 確かに、ドラマとしては、かなりなクオリティだったと思うのですよ。つい 手を止めて見てしまう感じで。 そして一種安定感のあるパターナリズムは、時代劇のものでしたか(^_^;) なるほど呂蒙あたりも、その過程でしょうか… 歴史考証は…本来なら、脚本をチェックするブレーンが何人か付くはずですし、 たぶんNHKだから国立大の誰かを用意していたと思いますが、あまりそっちには 拘らなかったんでしょうね…
9:紫舟 2003/07/13(日) 01:05 こんにちは。「環」改め「紫舟」と申します。 ぐっこ様 レスありがとうございます。どうかお気になさらないで下さい! とっくに廃れていたスレッドが思いがけず復活して、 くすぐったいけれどやっぱり嬉しいです。 南蛮王はもちろん、学三、蒼天人物辞典、各掲示板等隅々まで 楽しませていただいております。 最近、またZをはじめました。下ヒ城から奇跡の脱出を果たした 刀姫ちゃんが父・呂布の仇を討つべく南蛮にて旗揚げする、という 脳内設定で…(笑)新武将も雲緑ちゃんや公孫楼ちゃんなど、 本家南蛮王の設定をそのままいただいております(笑)楽しいですねえ…(悦) 中根東竜様 はじめまして、紫舟と申します。 そうですか、あの脚本は時代劇畑だったのか… そう考えると、誰かが死んでいく場面には毎回、お約束の様式美が あったような気がします。 いや、お約束でもとっても面白くて感動できたからいいんですけどね! (たまに脳内ツッコミを入れるけど)
10:★ぐっこ 2003/07/13(日) 01:57 あらためましてこんにちわ、紫舟さま。一瞬どらちよさまのところでお見かけした ような…と思って確認しました(^_^;) 同盟ナンバー99! あっはっはー。曹操孟徳伝も読まれましたか… さて、前回と前々回で消化しきれなかった人形劇のレスですが… あらためて郭嘉昇天のシーン>>1のくだりを読みまして、胸にぐっと くるものがありました… ものによっては、かなりやっつけ的に処理されるこのシーンを、これほど 叙情的に描く脚本だったとは。人形劇にとどめるのが惜しいです。 この回の脚本家がどなたかはわかりませんが、「三国志」中の郭嘉の存在と 曹操という人間、何よりドラマの面白さを知っている方が書かれた、という 気がしますね…。 キャラクターの最期のシーンを荘厳に飾るというのも、視ている人間にとって 非常に感慨がありますよね。 そして緩急あるというか、あの紳々竜々のシステムもよかった。子供心に、 あの二人が出てくるとホッとするというか、肩肘張らずに済むというか… 今にして思えば、かなりお手本になるものだったような気がします。 >南蛮王とか (゚∀゚)! 刀姫とか公孫楼とかの設定使って頂いてるですか!? そりゃ嬉しいです! 存分にお使い下さい! 何か面白い展開とかありましたら、ゼヒ南蛮王スレなり雑談スレなり でお教え下さいませ〜!
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