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「司州」という表記について
46:惟新2004/03/03(水) 00:40
>交叉イトコ
レヴィ=ストロースの有名なヤツですね。
(左平(仮名)様、ちゃんと憶えてますよ〜あのときは面白い本をどうもです!)
折角なので参考までに掻い摘んで解説しますと…
まず、この概念は彼がインセント・タブー(近親相姦の禁忌)の存在理由を
「交換」(贈与)における女性の価値、という観点から説明した際に使ったんですね。
一般には生物学的な問題があるためだ、と考えられている
インセント・タブーですが、実はソッチの方はたいしたことなかったりします。
(参考:science2.2ch.net target=_blank>science2.2ch.net)
さて、インセント・タブーは女性を2種類…つまり、結婚可能な女性(wife)と
結婚不可能な女性(sister)に分けることになります。
wifeは外の集団に出さなくても良く、場合によっては
血を濃くするためにwifeである親族との婚姻だってありえます。
対して、sisterは外の集団に出すことでやっと十分な価値が出ます。
ところで、交換物というのは交換以外に利用価値があるとちょっと困るんです。
交換というシステム自体がスムーズに働きにくくなってしまいますからね。
裏を返せば、sisterであるからこそ「交換物」としてのより確かな価値が出る、ということ。
これで女性の交換による外部集団との交流がすすめられるわけです。
交流の際には「交換すること」自体に価値が成立しますので、これって大事なことなんですね。
以上のことを踏まえますと、インセント・タブーの設定、というのは
wifeとsisterの境界線をどこに置くか、ということになります。
そして、交叉イトコなんていう複雑な考え方もその「交換システム」から生じます。
そうしたものが推奨されたり、禁忌されたりすることによって、
複雑で特有な「交換システム」が社会において構築される、というお話。
ちなみに未開の地だと多いらしいです、交叉イトコ婚。
あれ、なんで司州スレでレヴィ=ストロースの解説をしてるんでしょ?(^_^;)
でもまぁ、歴史学においてもこういう観点は使えると思いますんで、一応。
(うちの大学でも様々な研究室から院生集めてそういう勉強会をやろうとしてたり)
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