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1−1 後ろ向き反省会 1ハルヒ:なんで勝てないのよ。あたし達SOS団が。あんな三下連中に。 むすっと不機嫌に吐き捨てるハルヒの声が、太守の間に整列する一同の鼓膜を、ちくちくと責める。 ハルヒ:ねえ、キョン。あたし達はなぜ、今こうやって、ここで反省会を開いているのかしら。 俺 :……。 俺、黙して語らず。 ハルヒ:予定では、今頃もう戦勝パーティーの二次会ぐらいやっててもおかしくないのよね。ええ、もちろん奪った敵城の太守の間でね。SOSの旌旗がひるがえる、あの呉の城でね。――ねえ、そうでしょう?キョン。 俺 :……。 ハルヒの低い声が、だんだん粘っこくなってきた。喋りながら自分で自分の台詞に激高するような奴だからな。このまま独り言を喋らせておくと、そのうち抜刀して斬り付けてくるかもしれん。 古 泉:――涼宮府君。このたびの敗戦は、われわれ麾下の力不足。一同を代表し、謹んでお詫び申し上げます。 ハルヒの傍らに突っ立っていた軍師役の古泉が、一歩歩み出て、深々とハルヒに陳謝する。 ハルヒ:古泉くんの言う通りよ。みんな、猛省しなさい。 ちょっと待て ハルヒ:なによ。 そもそも今回の出兵はお前のゴリ押しで決められた事だろうが。俺だって古泉だって、時期尚早と反対したはずだ。 ハルヒ:…。 都合が悪くなると黙ってこっちを睨み付けてきやがる。 ――と、膠着した俺とハルヒの様子を見かねたか、ハルヒを挟んで古泉の反対側に侍立していた文官風の男が、おっとりと間に入ってきた。 王 朗:府君、お腹立ちはごもっともですが、皆さんは初陣、しかも寡を以て衆に当たる戦にしては、よく働きました。緒戦の様子見としては、悪くないでしょう。幸い戦死もおりませんし。 声も物腰も新川さんそっくりな風情で、王朗さんは俺たちを弁護してくれた。 ハルヒ:――まあ、王朗さんがそう言うなら、別にいいけど… 拗ねたように呟いた。例のトンデモ能力で王朗さんから太守の座を奪い取ったんだからな。彼に対しては、さすがに色々遠慮があるらしい。 王朗さんはほがらかに掌を打った。 王 朗:さて、後ろ向きな反省会はこれまでにして、次に打つ手を考えるべきでありましょうな。 古 泉:その通りです。幸いわれわれの損害も致命的ではありませんし、むしろ敵将・厳白虎の方が、膝元を荒らされ、満身創痍であると見るべきでしょう。 で、「涼宮府君、御下知を」などと左右から恭しく拝拱されて、ハルヒはたちまち機嫌を回復させたらしい。 ハルヒ:二人ともよく言ってくれたわ!――あたしのSOS団に、停滞は許されないの! みんな、ブリーフィング再開するわよ! もう大きな目をキラキラ輝かせ、満足げに鼻息を吹き出しながら宣言するハルヒの左腕には、こう大書された腕章が巻かれている。 「超太守」 ――と。
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第1章 ウォース・ユニット・フォース |
1−2 紹興酒トッカータ |





