第三章 南蛮王、北伐への道
陳 宮:じゃ、行動しますか。とりあえず徴兵&訓練で、兵4,5万くらいに増やしときましょう。
陳 宮:暴動を起こされないように、治安だけはチェックしといてください。商業も開墾も必要ナシ。このメンバーで短期間内政やってもタカがしれてますから。
翌月、高順率いる遠征軍団が、隣の空白都市・永昌を制圧下におく。同地は雲南の他に隣接地を持たない安全地帯である。
さっそく太守として張が赴任し、同地の治安維持を図る。
永昌にも南蛮系の在野や未発見武将が多い。張は、永昌のジャングルの長、木鹿大王の登用に成功した。
呂 布:なんだか、いよいよトロピカルなヤツばっかり揃い始めたな。
陳 宮:いいんですよ。最初は頭数そろえないと。木鹿にも、さっそく兵を持ってもらいます。
膝元を狙われている劉璋はノンキなもので、多少成都の兵力を増強したものの、張任や厳顔らA級武将の召還もしていない。
おまけに呂布がシャレで送りつけた手紙にいちいち返事を書いてくるという親切さであった。
劉 璋:最近、濮陽の様子を偵察してきたのでお教えしよう。
劉 璋:まあまあ。直接関係ない都市情報だからといって、バカにしてはいけませんぞ。都市の情報よりも、そこにいる武将の名を知る事が重要なんだから。名前を知ることで、はじめてその武将に手紙を送ったり面会したりできるんじゃよ。
呂 布:ふん。在野にいるときならともかく、今は必要ないな。
劉 璋:おもしろい人じゃな。そうそう、会わせたい人がいるので紹介しておこう。
劉璋が自ら引き合わせてくれた人物とは、これが意外にもうら若き女性であった。すらりとした身体に長剣を佩いている姿が、たいそう格好良い。
劉 璋:……公孫楼どのじゃ。ちなみにマスクデータの「親」は、あの公孫どのなのだ。
この公孫楼、漆黒の髪と深い瞳が魅力的なのだが、まるで表情を変えない。文字通り冷たい目でこの世の全てを眺めているようにも見える。
結局、呂布は彼女とろくに口を利いてもらえず、むなしく劉璋の居城を辞した。
呂 布:皆まで言わせるな、陳宮。俺は無口っ娘倶楽部の一号会員として彼女を陥とす義務があるのだ。
公孫楼:言いたいことはそれだけ。……では、私の館は方角が違いますから。
それだけ言って去ってゆく公孫楼。さしもの呂布も見送るしかなかった。
本拠地雲南に引き上げた後も、呂布は公孫楼をあきらめられないのか月に幾度と無く手紙を書きまくった。無論、返事は帰ってこない。
呂 布:ふ、しかし俺にはわかる。後もう少しで親密度が30を越す。フフ…。
陳 宮:何をワケのわからんことを。しょーもないことで行動力減らさんでください。それより、兵も必要数たまったから、年内に成都を攻略しますよ。
陳 宮:兵は神速を尊ぶ、ですよ。涼州の馬騰が大軍で南下してきたもんたから、劉璋がビビって北の梓潼へ1万ほど兵を動かしたんです。
これは予定外の事態だが、こういうチャンスを逃がしてはいけないのだ。
陳 宮:しばらくは、必要以外の行動は控えてくださいね。戦後処理で行動力がかなり必要になりますから。
行動力の概念のあるゲームに共通して言えることである。敵捕虜を大量に登用した場合、とにかくその軒並み低い忠誠度をなんとかしなければならないのだ。でないと、次のターンが回ってくる前に、あっさりと引き抜かれてしまう。
陳 宮:しつこいひとだな。赤兎馬で我慢してなさい。
呂 布:ちっ。なんで娘たちに「調教」があって、俺にはないんだ!?
呂 布:うむ。わが君・呂布殿には末頼もしい御息女が二人もおられるのだ。
呂 布:いま、なんだか違和感漂う会話を交わした気がするんだが。
呂 布:……光栄って、ちゃんと修正パッチ公開してるんだろうか。
二人の寒い会話を横目で眺めながらも、戦支度に余念のない高順、張遼。練兵に精を出す南蛮の渠帥・孟獲、木鹿。そして兵糧の捻出に頭を悩ます張。南蛮王呂布にとって、最も長い夏が終わろうとしていた。
呂 布:いよいよ俺様の世界征服計画を発動するときがきた!陳宮よ、存分に下知しろ!
陳 宮:はっ。では将軍に代わり作戦指揮を執ります。
呂布がいよいよその狼心を北に露わした。雲南に召還した張と麾下1万5千のみを残し、北伐軍は残りの4万余という大軍で進撃を開始した!
ようやく戦国ものらしくなった痛快読み切り三国志Z活劇・「後世中国の曙!?」は、序盤のヤマバに突入です!
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