第7話 「ブロッサム・オン・ザ・ヒル【2】」
![]() |
![]() |
1-7 ブロッサム・オン・ザ・ヒル【2】 1 ――劉備軍来襲 ハルヒ:――何考えてんのよ!? 信じらんない!バカじゃないの!? 開口一番、ハルヒは激しく徐州刺史の劉備政権を批判した。 長 門:劉備軍は既に徐州城(下
|
|
2 ハルヒが曲阿に居座って半月ほどが経過する頃、建業方面から急報がもたらされる。 鶴屋さん:じゃあさっ、ハルにゃん。気の毒だけど、もう劉
|
|
3 太史慈隊の全滅を見届けてから、ようやく長門の率いる攻城兵器部隊が前進をはじめる。 ハルヒ:有希、気を付けるのよ!――キョン、しっかり有希を守んなさいよ!同じく矢戦で攻城戦に参加するハルヒ隊が、長門隊の横につける。いちいちハルヒからの伝令だ。長門を守れ?当然だろ、俺はそのために出陣してるんだ。 鶴 屋:太史慈さんが、またお城から出てくるかもしれないから、注意だってさっ! ハルヒ隊の軍師・鶴屋さんから追加のオーダーだ。 長 門:攻城を開始する。…ついてきて。珍しく長門の方からコンタクトがあり、俺の5000ばかりの槍兵部隊も、ユラユラと危なげに林立する井蘭部隊とともに前進を開始する。 城兵は、残りわずか2千弱。 指揮所で長門が軽く頷くたびに、鼓がうち鳴らされ、百台以上の搭車からいっせいに火矢が放たれる。 ――――! ちょうどあのとき、俺はこの地点から、あの建業城を振り返ったんだ。 確かその内容は―― ハルヒ:キョン!やっとあんたの出番よっ! あんたの兵力で、建業にとどめを刺しなさい! ハルヒからの急報だ。 ハルヒ:城壁上の兵力はほぼ殲滅したわ。ごちゃごちゃ言ってないで、さっさと攻撃開始しなさい!これは団長命令よ! 団長命令なら仕方ない――というか、何故急にこんな展開なんだ? と首を傾げながらも、俺は麾下の兵隊さんたちへ突撃の命をくだした。 ハルヒ:キョン!でかしたわ!後方から超太守のお褒めの言葉も頂き、馬廻りの兵隊さんたちに促され、あとは責任者である俺自身、城内を占拠する事務的な作業が残されているだけという状況なのだが… 俺は、どうにも形容しがたい――どう表現すればよいかというと、表現しようがないとしか表現できない――しかし確実と自信を持って断言できるレベルの違和感を皮膚全体で認識していた。 後ろがつっかえてるんだから、早くしなさいよ! …といわんばかりに後方から押し込んでくるハルヒ隊に、しばらく下がるよう伝令を出しておいて、俺は手近に待機している部隊と予備小隊すべてを招集した。 ――その結果。 |
|
4昨年と場所は離れているが、ほぼシチュエーションを逆にしての、それは双方にとって望ましくない再会だった。 太史慈:――なるほど、貴君か。見覚えがあると思った。 やや高い位置から、俺たちは太史慈さんを取り囲んだ。 太史慈:必要があれば、そうするがね。 若々しく、精悍な顔に苦笑を浮かべて、太史慈はそう断った。見ると、そろりと腰元の剣へ手が伸びている。…長話をしているほどのゆとりはないのだろうな。 鶴屋さん:おーい!キョンくんー! また。まただ。以前のフィルムの再現だ。これは俺が悪運に恵まれているのか。それとも太史慈さんにここぞという時のツキが無いのか。 鶴屋さん:やや、太史慈さんじゃないですかっ! 随分と探したよっ!商店街でたまたま探していた知人を見かけたときよりもフランクな口調で、鶴屋さんは恐るべき敵将へ声を掛けた。 太史慈:…どうも 明らかに調子が狂ったらしく、太史慈さんは感情の選択に迷ったときのハルヒを思わせる微妙な表情で、こちら側を見上げてきた。 ハルヒ:――邪魔するわよ ずかずかと数歩前へ出て、ほぼ一対一の位置で太史慈さんと対峙するハルヒ。 ハルヒ:太史慈さん、降伏しなさい。もう、全てが終わったわ。太史慈:…終わった?ハルヒ:劉
|
|
![]() |