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■ イベリア発売前から雑談とか妄想スレ

36 名前:胡雪:2007/07/30(月) 10:49:59 ID:vulu8LEL
〜ヘブライ文字の刻印〜

その三姉妹は旅をしていた。
切っ掛けとなったのは一人の老人が語って聞かせた恋物語。

当時、両親を失った娘たちは今後の生活に酷く悩んでいた。
そこへ現れたのが得体の知れない一人の老人。
青いローブを纏い、口元には白く長い髭が蓄えられ、額にはヘブライ文字。
3人の娘たちが「何者か」と問うよりも先に。その奇怪な老人は語りだした。

「あれから、もう300年になるんじゃろうか…
 わしが子供の頃に祖母に聴かされた昔話を語って聞かせよう。

 わしらの祖先がこの半島に住み着き始めた頃の話じゃ。
 一人の男が妻を連れて半島の侵攻に加わった。
 その男の妻は魔人を使役することが出来たのだそうな。
 もちろん、その男の率いる部隊は大勝を納めた。

 やがて半島の大半を平らげる頃、魔人の力は不要となった。
 ある時、男は妻に魔人を封印するように言ったのじゃ。

 理由は一つではなかった。
 その夫婦には三人の子供が居たのじゃが…
 後に産まれた二人は父親とは似ても似つかなかったそうな。
 額には…そう、お主らと同じ。…古代文字の形をした痣(あざ)があった。
 使役していた魔人との子供。相容れぬ筈の人間と魔人の恋。
 女はその魔人を封印し、夫に見つからぬよう独り泣いた。

 男は下の二人を可愛がらなかった。むしろ、虐待さえしたそうな。
 女は下の二人を男から護った。そして、父親について何度も語って聞かせた。

 その女の名前は『ライラ』。奇しくもお主らの母と同じ名前じゃ…。」

それだけ言って老人は去ってしまった。
そして、三姉妹の旅は始まった…

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