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■ 『1.争いの系譜』について系譜ができるくらい考察するスレ

88 名前:まさき:2007/08/03(金) 00:48:30 ID:Gwv8XTNZ
ちょっと妄想を広げてストーリーなんか作ってみました
面白かったら幸いです

はぁっ…はぁっ…
何かに急かされるように少女は走っていた
普段ならその冷たさが心地よいと感じる石畳も、今はその小さな凹凸が棘となって少女の足に刺さる
いつからこんな事になったのだろう…
いつもと変わらぬ日常。教えは違えど数多の神々に祈りを捧げた平和な日々
その静寂を引き裂いたのは国境での小競り合いだった
噂は風より早く人の耳に届き嵐より激しく人を巻き込む
十字の軍隊が再びこの地を我が物にせんと攻め入った。少女が聞いたのはそんな話
そして…家族の平和にひびが入るまでそう時間はかからなかった
事ある毎にお互いの神を貶し合い、またお互いの神を祀りたてる
限界だった。幼い頃から父母と一緒にそれらの神に祈りを捧げてきたもう少女にはこの家は地獄だった
そして衝動的に逃げ出した
頼る人もいないまま。目的とする場所もないまま
神々の争いから逃走を続ける少女の耳に入った声
「撃てー!」
そこは戦場だった。十字の軍隊は思ったよりも早く侵攻してきていたのだ
とっさに身を伏せ、雨のごとく降り注ぐ矢から身を守ろうとするが、不幸な事に1本の矢が命中した
「くっ…」
少女はうめき声を上げたがそれでも体を伏せ矢の雨に耐えた
雨が止んだ後、少女は再び立ち上がり走り出した
矢が当たった肩が痛む。だがここで立ち止まっていてはいつまた巻き込まれるとも知れない
一体どれくらいさ迷っただろうか…
少女の目の前には暗い口を開ける洞窟があった
少女は何かに導かれるようにその洞窟へ入った
その洞窟は一言で言えば異様だった
まるでつい最近まで人が住んでいたかのように磨かれた石畳
そしてその奥にそびえる巨大な蒼氷の石像
その石像の前で少女はついに力尽きた
矢の刺さった肩からはまだ血が流れていた
その血が石像に触れた時、異変は起こった
石像から焔が立ち上がりそしてそれが収まった時、奇妙な男が立っていた
男は少女の名を聞いた。少女は《美しき夜》の名で応えた
少女も男に問うた 答えは馴染みの無い異国の響き
少女はその男に『シャイタン』という名をつけた。すると男は何が可笑しいのか皮肉に満ちた笑顔を見せた
そして男は問うた
「このままこの薄暗い牢獄で人として死ぬか」
「それとも私と契り永遠という苦い毒を喰らうか」
そして少女は…応えた

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