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1 名前:にゃもも :2007/11/11(日) 11:23:32 ID:z+Pg/kAk
(2005年05月17日 12時05分28秒)

初めて利用させていただきます。
長くなってしまいましたし、質疑応答になっていないので
こちらに投稿させていただきました。


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彼女は、きれいな人でした。
赤い服を堂々と着れる、自信を持っていましたし、
その服がとても似合う美しさも持っていました。
美しい彼女が、町を歩くと誰もが振り返りました。


彼女は舞台にたっていました。
今は主役を演じる事はできないけれど、
いつかは今の脇役から輝く主役の座へと
上り詰めたいと願っていました。
舞台の上で、みなの注目を集めたい。
光輝く、自分のための舞台に。
それが彼女の夢でした。


彼女には、男がいました。
彼女は、彼が、自分をものとして扱っている様なところを
心良く思っていませんでした。
それは些細な行き違いだったのかもしれません。
女のその主張が、男にはその女のわがままに思えたのです。
彼は彼女の、そんな高慢さが嫌いでした。
些細な行き違いは、やがて大きな溝になります。


彼女は、男の願い通り自分を美しく着飾ります。
男が女に求める「もの」を忠実に再現します。
自慢できる美しい彼女。
それが彼女の自信であり、また自慢でした。


彼は、いつしか他の女に惹かれていきました。
白いシャツの似合う、彼女とか正反対の人です。
情熱的な彼女と違い、静かな愛情をもって自分に尽くしてくれる
…そんな女に彼は惹かれていきます。


彼は迷っていました。
彼女ともう一人の彼女のことを。
無意識に比べていたのかもしれません。
彼の彼女への態度は、微妙に変化します。
彼女はその変化で不安定になります。


彼女と彼は、けんかを繰り返します。
原因はいつも、後になってみると忘れてしまうようなことでした。
彼女は感情的でした。
けんかは日に日にエスカレートしていきます。
彼女は感情に身を任せて、彼をののしります。
彼の感情も高ぶり、彼女の首を絞めるまでになりました。


そして、決まって
そんな彼を慰めるのは、彼女とは正反対の
もう一人の女でした。


彼女は今日も赤い服を着て、町を歩きます。
みなが振り返り、それが彼女を…
彼女の中の、彼の願いをかなえているという思いを、
満足させます。
舞台ではまだ主役ではないけれど、
町では自分が注目される(主役になれる)ことの喜びも感じます。


昨日のけんかを思い出します。
でも、大丈夫。
自分は彼から愛されている。
彼女の「自信」は根拠のない「確信」として彼女の中に在ります。
その「確信」が彼女を輝かせます。


それはふとした偶然でした。
彼女は、おそろいの白いシャツを着て寄り添いあう
彼と見知らぬ女を見てしまいます。


「赤い」自分と、「白い」、見知らぬ彼女。
彼が彼女に求めていた「もの」と正反対の「もの」を持つ
「見知らぬ」白い女。


彼女の「確信(自信)」は砕かれます。


彼との約束を彼女は思い出します。
-明日はあのレストランで食事をしよう。
-今度舞台を見に行くからね。
毎日のちょっとした約束を重ね抱えこみます。
こんどは、あしたは…
彼と彼女との明日へと続く約束のはずでした。
-一緒にいようね。愛しているよ。
彼女は決心したように、今はなにもない右手を握り締めます。


真紅の、抱えきれないほどのバラの花束を彼女は抱きしめます。
それは、彼女が舞台でもらう事を夢見た花束でした。
そして、彼が昔彼女にとても似合うから、と買ってくれた花束と同じものでした。


彼女は情熱的でした。
そして、感情的でした。


---どうして?!


一度そう思った想いはとまりません。


そして彼女は花束の中に拳銃を隠し、彼に近づきます。
その瞳に狂気を抱えて。
彼は近づいてくる彼女に気がつきません。


彼が言い訳を口にする前に、
彼の本心を、彼が口にする前に…
彼女は彼を打ち抜きます。
彼を自分の「ものに(赤く)」するために。
見知らぬ、「白い」女との現実を塗りつぶすために。
彼女は「赤」を求めます。


それは彼にとって突然のことでした。
何が起こったのか分かりませんでした。
ただ、彼の作った鮮血の中
狂喜に打ちひしがれる、彼女の姿がぼんやりと見えます。


---おそろいね、わたしたち。
---これでおそろいね、あぁ、しあわせ。


彼女は彼を、本当に愛していたのでしょうか?


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後半部分(黒くなる部分)は抜けていますが、ざっとこんなお話かと。


ABYSSサイドの恋愛女たちはみな、一方的な愛情ですよね。
絶対に見返りを求めている。ひとりよがりなところがあるように感じます。
それは、本当に愛してるって言えるんでしょうか。
(まぁ、見返りを求めない感情って難しいとは思うんですが;
その行き過ぎた自己満足とか、押し付けるような愛情が
奈落のキーワードなのかと思いちょっと書いてみました。


読んでくださった方ありがとうございます。
お粗末さまでした。

-----
StarDust考察のにゃもさんとは別人です;
紛らわしいHNにしてしまい申し訳ありません(><)

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