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■ 世界という鎖【Elysion考察】

1 名前:眩夜 翠:2007/11/11(日) 16:11:45 ID:z+Pg/kAk
(2005年08月04日 23時20分54秒)

 
試行錯誤の末、私なりの螺旋(くさり)を繋げることができました。
様々な方々の考察を参考にさせていただいたので重なっているところも多分にありますが、
何故そうなっているのかという問いに対する私なりの答えを書いている、
ということでどうかご了承願います。
 
特に解読のキーとなったのは以下の三つの点です。
 
・ 娘もまた母になり 娘を産むのならば 
  楽園を失った原罪を 永遠に繰り返す…… 
 という歌詞パート
 
・ やがて少年は彼の〜 
 で歌われている《理想》《鍵穴》《楽園》《少女》の4つのエル
 
・楽園や天秤と、各ABYSSやパレードでの仮面の男のイメージの違い
 
では、暫しお付き合い下さいませ。
 


鎖の根幹 - 眩夜 翠 (2005年08月04日 23時25分03秒) 
エルの系譜、鎖の根幹は以下のようになっています。
 
『E』┬『A』
   |
  『E'』┬『A'』
     |
    『E"』┬『A"』
        |
 
そしてこの鎖は、二つの絵本に挟まれています。
では、何故こんな現象が起こるのかを、曲順とともに説明していきます。
 


0.【エルの絵本[魔女とラフレンツェ]】 - 眩夜 翠 (2005年08月04日 23時31分16秒) 
全ての始まりであり、鎖の外部にある片方です。
※場所という意味では鎖の内部に含まれます。【エルの楽園[→side:E→]】【エルの肖像】【Track44】の舞台です。
オルフェウスとラフレンツェの娘がエリス(エウリュディケ)であり、
やはり色も白く、体も弱かったのでしょう。
ここで重要なのは、オルドローズの言う《純潔の結界》とは、
あくまで《楽園の扉》を開かせないための防御壁であり、
その先にある現象としての『子を生すこと』こそが
『楽園の扉を開くこと』なのではないか、ということです。
またエリスが真にエウリュディケであるかどうかではなく、
オルフェウスがエウリュディケとして自分の娘(エリス)を愛し、
それを知ったラフレンツェが彼を呪ったという経緯が大事です。
 


1.【エルの楽園[→side:E→]】(冒頭部分) - 眩夜 翠 (2005年08月04日 23時46分40秒) 
この瞬間『E』と『A』によって《楽園の扉》は開かれました。
ここの部分の詳細は下記「1'」で説明します。
 


2.【エルの天秤】 - 眩夜 翠 (2005年08月04日 23時56分55秒) 
生まれつき色が白く虚弱な娘である少女(エリス)『E'』を助けるために
どうしても金が必要である父(おとこ)『A』は、
やがて悪事にも手を染めるようになります。
※仮面の着用はその仕事の性質のため
これまでにも長い間彼(仮面の男『A』)は金を稼ぎ、貯め続け、
そして今回で漸くエリスの体質を治すのに十分な金を手にすることができました。
ただし...その命と引き換えに。
 


3.【エルの楽園[→side:E→]】(冒頭以外の部分) - 眩夜 翠 (2005年08月05日 00時05分49秒) 
この小屋の扉が《交差する扉》(CROSS DOOR)いわゆる分岐点となります。
※冒頭にある《楽園の扉》はまた別物です。
ここからエリスは束の間の楽園へ、仮面の男は永遠の奈落へと向かいます。
仮面の男はここで亡くなり、扉の中側(むこう)にはその夢想だけが留まります。
エリスはその事実(父親の死)から逃避するため、扉の外側(むこう)へ楽園を求めてこの場を離れます。
そしてここに人は誰もいなくなります。
[→side:E→]はここからエリスが楽園へ行ったことを表しています。
 


○エリスが辿った軌跡 - 眩夜 翠 (2005年08月05日 00時20分10秒) 


E1.【エルの楽園[→side:A→]】 
エリスは残された金貨で身体を治します。
治療が終わり目を覚ましたそこは、
彼女にとって何の悲しみも苦しみもない...まさに《楽園》。
けれど...誰かが何処かで泣いている……
それは、愛(ちち)を失ってしまったことを知っているエリス自身。
その声、その現実に気付くのに、さして時間は要りませんでした。
本当に束の間の……幽幻な夢想。
吸い込まれるように堕ちたエリスは以降、
《奈落》(ABYSS)全ての曲目(文字数分)を通った先の果て、Track44にいます。
再び戻った深い森の廃屋で、艶笑を浮かべながら、《アビス》が帰ってくるその時まで……
[→side:A→]はここからエリスが奈落へ戻ったことを表しています。

2 名前:眩夜 翠:2007/11/11(日) 16:12:42 ID:z+Pg/kAk
●仮面の男が辿った軌跡 - 眩夜 翠 (2005年08月05日 00時28分52秒) 


A1.【エルの肖像】 
エリスが束の間の楽園に居る、ほんの少しの間に……
誰もいなくなったその小屋を訪れた少年『A'』。
肖像画のエリスに恋心を抱いてしまったがために、
彼は鎖の螺旋へと巻き込まれます。
彼の想いはその場に留まっていた仮面の男『A』の夢想と共鳴し、
結果《アビス》が誕生、現実として形を得ます。
つまり、『A』+『A'』=仮面の男《アビス》
※ただし《アビス》の本質は仮面の男『A』の方にあるとします。
しかし、居るはずの彼女が居ないことに《アビス》はすぐに気付き、
彼は『エリスを求める』という共通の目的を果たすため旅に出ます。
 


A2.【Ark】【Baroque】【Yield】【Sacrifice】【StarDust】 
《アビス》の中の仮面の男『A』は、彼の《楽園》(エリス)を求めます。
《アビス》の中の少年『A'』もまた、彼の《理想》(エリス)を求めます。
もしもエリスが体質を治療しているのなら...白い肌、緋い瞳という特徴では判断できません。[1]
Ark,Baroque,Yield,Sacrifice,StarDust,いずれも《アビス》の求めるエリスではありませんでした。
さらに彼女達はほんの一部の例にすぎず、エリスを見つけるまで《アビス》の探求は続きます。
エリスが既に、再びあの場所へ戻っていることも気付かずに……
その長き道程、残酷な現実は、Track12〜43として表現されています。
 



--------------------------------------------------------------------------------

[1]この理由はエリスの症状から察して下さい。実際の症例に対する軽はずみな言動はあまり好ましくないので…
 


○●44.【Track44】 - 眩夜 翠 (2005年08月05日 00時42分26秒) 
ただいま……エル……
永劫ともいえる奈落の探求の果てに、
ついに《深い森の廃屋》で《アビス》はエリスを見つけます。
 


■仮面の男『A』としての視点 
【エルの楽園[→side:E→]】で別たれた父、仮面の男『A』と娘、エリス『E'』は再び巡り会います。
漸く...仮面の男は彼の《少女》を見つけたのです。
しかし再び辿り着いたその《楽園》も、《アビス》の中のもう一人、少年『A'』の妄念によって失われます。
終わりの《楽園の扉》[2]が開かれてしまったのです。
その行為の果て…治療したとはいえ元々身体の弱かったエリス『E'』は
出産という負荷に耐え切れず、エリス『E'』はとうとう命を失います。
現実に留まる意味を失った仮面の男『A』もまた、エリス『E'』を追います。
その二人の辿りつく先は → ∞.【エルの絵本[笛吹き男とパレード]】
                   ここが、鎖の外部にあるもう片方です。
                   次の《楽園の扉》が開かれたことによって鎖から解き放たれた
                   仮面の男『A』とエリス『E'』の二人は、
                   冥府(奈落)に巣くう亡者共を引き連れて世界の果てを目指します。
                   でもこれでやっと、渡せなかった誕生日のプレゼントを渡すことが...
                    嗚呼...そのパレードは何処までも続いてゆく...
 


□少年『A'』としての視点 
一方少年『A'』にとっての《理想》は
あくまで病的に白い肖像画のエリス(さいあいのむすめ)であり、
よって仮面の男が求めた(体質を治し成長した)エリス『E'』ではありえません。
しかし彼にとってそれは予定調和の内でした。
なぜなら...少年は彼の《鍵穴》を見つけたのです。
たとえそれが永遠を孕ませる運命であったとしても、
彼の《理想》を手に入れることができるのならば……
そして彼の妄念は、始まりの《楽園の扉》[3]を開きます。
 



--------------------------------------------------------------------------------

[2]始まりの《楽園の扉》と同一です。
[3]終わりの《楽園の扉》と同一です。

3 名前:眩夜 翠:2007/11/11(日) 16:13:17 ID:z+Pg/kAk
1'.【エルの楽園[→side:E→]】(冒頭部分) - 眩夜 翠 (2005年08月05日 00時58分11秒) 
私『A'』は、生涯彼女『E'』を愛することはないだろう...
この瞬間エリス『E'』と少年『A'』によって《楽園の扉》は開かれました。
生まれてくる子『E"』の名は、もちろんエリス。
仮面の男『A』とエリス『E'』が世界の果てへと旅立った後に残るのは、
《アビス》ではなくなった少年『A'』と、生まれつき色が白く身体の弱い彼の娘エリス『E"』
やがて少年『A'』は男となり、娘『E"』は少女となります。
それは男にとっての《楽園》、少女にとっての《奈落》、惹かれ合う二人……
男は少女をその《奈落》(きょじゃく)から救うために手を伸ばし(かねをかせぎ)、
 


2'.【エルの天秤】 - 眩夜 翠 (2005年08月03日 05時04分26秒) 
そして男はハデスに魂を売り渡し(あくじにてをそめ)、
《奈落》(きょじゃく)から救う(なおす)ために十分な願い(コイン)は、漸く少女の元へ届きました。
嗚呼...だけどその差し出した手は、終に少女には届きませんでした……
 
 → Continued to CROSS DOOR
 


鎖の正体 - 眩夜 翠 (2005年08月05日 01時14分37秒) 
この物語という歴史が繰り返されるための
最も重要な条件を列記します。
 
『A』は常に自分の娘である方の『E'』と惹かれ合い求め合う
ゆえに『A'』にとって『E'』は《少女》ではなく《鍵穴》になるのです。
 
『A』は次の『A'』の身体を借りて『E'』を求める
『A』の影響を受けた『A'』の性質は限りなく同一に近づきます。
 
ではこの二つを最初に書いた系譜に加えてみます。
 
『E』…『A』
   :〆 \       …=血縁関係
  『E'』…『A'』     〆=恋愛関係
     :〆  \    \=憑依関係
    『E"』…『A"』
        :〆  \
 
互いの想いが強ければ強い程、この歪な鎖もまたより強固に、より頑丈になってゆく...
これが鎖の正体です。
 


備考という雑記 - 眩夜 翠 (2005年08月05日 01時29分52秒) 
・繰り返しになりますが、まとめると
 仮面の男『A』の娘がエリス『E'』
 少年『A'』とエリス『E'』の娘がエリス『E"』になります。
 『少年と生まれたばかりの娘=次の鎖の、仮面の男と少女』というからくりです。
 【エルの肖像】における二組『エルとアビス』『エヴァとアダム』は
 これら二組を例えていると思われます。
 
・これはどなたかがすでに解明されていましたが、
 このCDは全体として『A』『E'』『A'』という一つの鎖△が織り成す物語。
 ただし。CDを最後まで聴き終えて、もう一度最初から聴き始めた時に、
 最初に聴くこととなる【エルの楽園[→side:E→]】の冒頭部分にて楽園の扉は開かれ、
 次の鎖△『A'』『E"』『A"』が織り成す物語へとシフトします。
 つまり…CDを繰り返し聴く度に実は中の登場人物
 (エルの絵本[魔女とラフレンツェ]以外)は入れ替わっていて、
 前回聴いた時の物語とはまた別の物語となっています。これが──
  幾度となく開かれる扉 第四の地平線──(4th Story CD by Sound Horizon)
 
・エリスの肖像画は一つ一つの鎖の都度贈られる必要はなく、
 一つあればそれが永遠に螺旋を廻ります。
 私は一番最初の父親であったオルフェウスが娘エリスへ贈ったものではないかと考えています。
 
・ABYSSではトラック番号が大きくなる毎にヒロインの年齢も上がってるように思えます。
 《アビス》がエリスの年齢を考慮して探していたのならば、
 【Track44】で見つけ出したエリス『E'』の年齢はStarDustのヒロインと同じかそれ以上ということになります。
 しかしながら、エリス自身(心)の時間はあの時のまま…少女のままなのでしょうね。
 《アビス》の中の『A』という存在は既にこの世のものでないのならば、彼が見るエリス『E'』はその心の形…
 さながらABYSSのジャケット絵にあるエリスのように映ったのではないでしょうか。
 
・「0.」で述べたように、純潔があくまで結界という役割でしかないのならば、
 【エルの楽園[→side:E→]】に 愛を知った日の 温もり忘れない とあるので、
 すでに二人は愛し合っていたことになります。
 おそらくは、8つの誕生日に……
 
・『エル』はエリスの呼称とされる場合が多いのですが、
 場合によってはエリスが内包する様々な意味を表現する際にも使われていて、
 それが何を指しているのかが重要であるので
 説明の中では極力使用しないようにしました。
 
・「出産という負荷に耐え切れずエリス『E'』は命を失う」と書きましたが、
 これはラフレンツェにも同じことが言えます。
 おそらく彼女は出産の時、今際の時に気付いてしまったのではないでしょうか...残酷な真実に。
 ちなみに上記は要約すると『E』が『E'』によって死んでしまうということになります。
 さて、『E'』が死んでしまうことによって『A』も(現実での)存在意義を失う…ということは、
 『A』が現実を去る原因は『A'』によって齎された…ということでもあります。
  やがて少年は♂の為に自らを殺し 少女は♀のために自らを殺す 
 
・説明の中ではややこしくなるので仮面の男《アビス》と書きましたが、
 本来の綴りは《Abyss》ではないかと考えています。
 yokoyanさんのイラストにもそう綴ってありますが、
 下記最後に書いた注釈の内容と、
 《奈落》が大文字表記『ABYSS』で表されていることを
 照らし合わせた結果がその根拠です。
 
 
以上です。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
最後に【Track44】後半部分の自分なりの解釈を書いて終わりとします。
 


エリスという永遠 - 眩夜 翠 (2005年08月05日 02時58分55秒) 
デカダンス(奈落の果て)へと至る幻想 → 奈落幻想物語
背徳(近親相姦)を紡ぎ続けるロマンス → 楽園幻想物語
痛みを抱く為に生まれてくる(娘達の)第四の地平線 → 4th Story CD by Sound Horizon
その真実の名は── → 『Elysion(エル)』[4]
 



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[4]『楽園』を意味する大文字表記『ELYSION』ではなく、エリスという存在が内包する様々な意味を表す、またこのCDのタイトルでもある小文字表記『Elysion』です。

4 名前:ハル:2007/11/11(日) 16:14:33 ID:z+Pg/kAk
さんほらふぁんです。 - (2007年04月05日 20時19分18秒)
 
凄いですね…!!ここまで分かるとは凄い想像力と分析力理解力をお持ちなのでしょうね、尊敬します!!
解説もとても分かりやすかったですが、ひとつだけ気になった点が…


 ×エウリュディケ
 ○ペウリディケ 


ま、どうでもいい細かすぎる事ですが(・∀・)

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