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■ 【SS】赤ローラン物語【妄想】

1 名前:イシュタル:2008/07/16(水) 00:09:51 ID:UWC52IVl
はじめまして、今年に入ってからSHにはまったイシュタルです。
初投稿がいきなりSSですみませんw
自分なりの赤髪ローランについての妄想ストーリーです。
彼の名前が「フランボウ」なのは、漫画版準拠です;

フランドルの国境沿いの村の騎士、フランボウ=ローラン。
彼は、鳶色の目に−雪のように白い髪をしていた。

国境沿いの村だが、平和な村であった。
彼は高名な騎士ではあったが、戦を好まなかったからだ。

フランドルの王、キルデベルトが開戦するという。
彼はそれを快く思わず、王に手紙で意見した。

数日後、彼の妻マリーは彼の目の前から消える。
赤い髪の彼女は、臨月だった。


家には手紙が一通。
「愛しい妻を帰して欲しければ、首都まで来い」


彼は首都までやってきた。

王に身重の妻を返すように嘆願した。

「よろしい、だが条件がある。お前の子が生まれるまでに、お前のその白い髪が、ブリタニア人の血で真っ赤になれば、妻を帰そう」


フランボウは従うほかなかった。
裏切らないように、左の頬に十字を刻まれて。
彼は軍の指揮権を与えられ、ブリタニアのある村を襲うように命じられた。




その村は風車で有名で、そこの修道院には「神の手を持つ者」彫刻家オーギュスト・ローランの最期の傑作、「天使」と30ctの赤いダイヤモンドがあるという。

彼は村に火を放ち、殺戮を行った。
村人の血で、彼の髪は瞬く間に深紅に染まった。

修道院に単身で向かった彼は、「天使」を探す。しかし、彫刻は見つからなかった。

「隊長!ガキ共が外に逃げ出しました!その内一人は、赤い宝石を持っているみたいです!」

「追え!」


子供たちは森の中へ逃げ込んだようだ。


震えていた子供たちを見つけ出し、赤い石のようなものを持っていた女の子の方の腕を掴んだ。

もう一人の少年は、一目散に逃げ出した。

フランボウは少女を一撃で殺し、宝石を奪い取った。


間違いない。30ctの赤いダイヤとはこれだ。
ただ、王に渡す気は毛頭無かった。

「ああ…マリー…無事に帰ってこれたならば…これを君に贈ろう…」

彼は、宝石を懐に仕舞い込む。

その時、正面から金髪の騎士が襲ってきた。
彼は、咄嗟にその男の片腕を切り落とす。
金髪の騎士は、崩れ落ちた。


しかし、ベルガの死神、アルヴァレスによってフランボウの軍は撤退を余儀なくされた。



すっかり赤く染まった髪で、彼は王の元へ帰ってきた。

「何も持ち帰れなかったようだね、フランボウ。君の妻だよ」



そこには、マリーの変わり果てた姿があった。
「君が出発した直後に早産して、そのまま死んだよ」

「わが子にどうか一目合わせてください!骸でもいいですから!」

片目を代償に、残された目で彼は息子と対面した。

息子は、静かに眠っていた。
父の鳶色の目と、母の赤い髪を引き継いで。

片腕を代償に、残された腕で息子と宝石を抱いて帰った。




しかし、彼の村はフランドルによって風車の村と同じ目に遭わされていた。




彼は王都で居酒屋をしている親戚を頼った。

しかし、いくら髪を洗っても洗っても血に塗れた髪は二度と白くなることはなかった。

彼は酒と薬におぼれた。




やがて、彼はあの日の風車の村の少年に殺された。


死の間際に彼の脳裏をよぎったもの。

少年の高笑いと、柱の影の息子。そして、天使の彫像のようなマリーの姿であった。




***

キルデベルトが暴君過ぎますね。いくらなんでも。
オーギュストの子は女の子で、風車で殺されたほう。
母の形見(宝石)を持たされていた。ということで。


この赤ローラン、女だったら即楽園パレードですかね…

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