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■ 『聖戦のイベリア』を総合的に考察するスレ

132 名前:月の兎:2007/08/17(金) 20:26:16 ID:???
ライラがアラビア語を話しているところから見て住んでいたのはイスラム側か中立地帯と
思われます。中立地帯といっても両者の支配が及ばない、というだけで、実際は両者から
略奪を受けるまさに戦禍の地となります。キリスト教側もイスラム教側も内紛で忙しいためか、
支配確立には力不足なことが多く、結構な広さの中間地帯があったようです。

当時、イスラム領域ではイスラム教から他宗教の改宗は実質不可能です。
またイスラム女性と他宗教の男性との結婚はまず認められません。
このためイスラム化していたイベリア半島では結婚のためイスラムへ改宗する男性が
多かったそうです。もちろんキリスト教に支配が移ればキリスト教への改宗は自由になり、
実際に改宗者は多かったようです。しかしキリスト教支配が確定していない領域ではまず
改宗は無理とみなければなりません。

以上から見ると父がイスラム教で母かキリスト教か、母がイスラム教で父がキリスト教から
イスラム教への改宗者と考えられます。

前者なら父を啓典の民が奪い、母を聖典の兄弟が奪うの「奪う」はおそらく「殺す」を意味します。
中立地帯やキリスト教国が取った土地をイスラム教国が再征服したような場合に起こりえる話です。

後者ならキリスト教に戻りたくなった父がレコンキスタに身を投じ、母は母方祖父に引き取られる、
となりますが、イスラム圏での女性の扱いを考えるとちと「奪う」というには弱いかな、という感じですね。

そうすると前者の方が可能性は高そうです。

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