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■ 02『火刑の魔女』 専用考察スレ

187 名前:ミロ:2011/01/10(月) 02:12:33 ID:31g11fBS
火刑の魔女について結構曲がった視点から考察してみました。突拍子もない説かもしれません…
ヒントが少ないため穴が多いのですが、とりあえず辻褄が合うかと。長いので分割しますが規制されてぶつ切りになるかも…
(※一部差別的に見える表現が見られますが、歴史の事実を引用しているためで、差別の目的はありません。)

まず、母親がシスターを捨てた理由は、母親がハンセン病にかかったためではないかと推測しました。
「石のように歳を取った」はハンセン病が進行し、皮膚が変化しているためで、信じがたいと言いながらその老婆を母、と
シスターが呼んでいるのは、ハンセン病が進行しても母親だと分かる面影があったから。

ハンセン病は黒死病の前にヨーロッパで流行しており、重症化すると容姿が著しく変わってしまうため、
神に罰を与えられた人間のかかるものとされていました。旧約、新約聖書にハンセン病らしき記述が残されていたため
(現在では重い皮膚の病、と訳される)宗教的にも法的にも隔離するような政策がとられてました。
同時に
、病気の特性上、大人→大人の感染はほとんどなく、大人→子供の感染がほとんどであるため、性的虐待を子供に
行っていると疑われる事や、遺伝病であるという間違った認識や、前記の罪人のかかる病という偏見が広まったため、
差別、隔離の対象になりました。黒死病の流行の際、井戸に毒を入れたという噂が広まった時、
ユダヤ教徒が犯人という噂が広まりましたが、同時にハンセン病患者が毒を入れたという噂も広まりました。
(ユダヤ教徒とハンセン病患者が協力して毒を入れたという噂すら立った事があるそうです)
そのため、カトリック教会はハンセン病患者を隔離する施設を作って隔離政策を行ったそうです。
しかし、(舞台である)15世紀の頃には患者が激減し、そのような施設はほとんどが閉鎖されたようです。
その後は差別から逃れるため、おそらく集落から離れ、一人、もしくは患者同士で暮らしていたと推測できます。

一方、新約聖書でキリストが労わりでハンセン病を治したという記述があるため、聖書通りの「労わり」での救済を行う
団体も現れており、聖女エリーザベトの出現など、救済の道を選んだカトリックの団体もあったようです。
ハンセン病を題材にするか?という疑問もあったのですが、上記の聖女エリーザベトと今作のエリーザベトの境遇が
とても似ているため、エリーザベトのモデルの一人となった可能性が捨てきれず、メルヒェンとハンセン病が
無関係と言い切る事ができなくて、ハンセン病という病気を考察に含めるに至りました。
聖女エリーザベトについてはこちら→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%B3%E7%97%85
聖女エリーザベトがエリーザベトのモデルに含まれていると考えると、何故磔刑の「聖女」なのかが解消される気がします

そして歪んだ逆十字の解釈ですが、おそらく宗教改革が起こる原因となった「歪んだカトリック教会」だと思います。
キリスト教、カトリック教会総本山のサン・ピエトロ大聖堂が建ってる位置なのですが、「聖ペトロ」のお墓の上なのです。
「聖ペトロ」は皇帝ネロに迫害され磔刑に処される際、「イエス・キリストと同じ方法で処刑されるにあたらない」と
頭が下になる逆十字の磔刑で処刑されています。カトリックでは彼を初代ローマ教皇としています。
そのため逆十字の上に建つ教会を総本山としている、カトリック教会の揶揄なのだと考えられます。
歪んでいる、は私が黒い女将スレで散々言っているのですが、当時のカトリック教会は内部の腐敗が進んでおり
お金儲けのために贖宥状(免罪符)を発行して、それのせいで宗教改革が始まる位には「歪んで」いました。(続く)

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