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■ ★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★

1 名前:★ぐっこ:2002/02/07(木) 00:41
はい。こんなの作っちゃいます。
要するに、正式なストーリーとして投稿するほどの長さでない、
小ネタ、ショートストーリー投稿スレッドです。(長文も構わないですが)
常連様、一見様問わず、ココにありったけの妄想をぶち込むべし!
投降原則として、

1.なるべく設定に沿ってくれたら嬉しいな。
2.該当キャラの過去ログ一応見て頂いたら幸せです。
3.isweb規約を踏み外さないでください…。
4.愛を込めて萌えちゃってください。
5.空気を読む…。

とりあえず、こんな具合でしょうか〜。
基本、読み切り1作品。なるべく引きは避けましょう。
だいたい50行を越すと自動省略表示になりますが、
容量自体はたしか一回10キロくらいまでオッケーのはず。
(※軽く100行ぶんくらい…(;^_^A)、安心して投稿を。
省略表示がダウトな方は、何回かに分けて投稿してください。
飛び入り思いつき一発ネタ等も大歓迎。

あと、援護挿絵職人募集(;^_^A  旧掲示板を仮アプロダにしますので、↓
http://isweb41.infoseek.co.jp/novel/gaksan1/cgi-bin/upboard/upboard.cgi target=_blank>http://isweb41.infoseek.co.jp/novel/gaksan1/cgi-bin/upboard/upboard.cgi
にアップして、画像URLを直接貼ってくださいませ〜。
作品に対する感想等もこのスレ内でオッケーですが、なるべくsage進行で
お願いいたします。

ではお約束ですが、またーりモードでゆきましょう!

2 名前:★ぐっこ:2002/02/07(木) 00:42
■■朝の風景■■


 少女たちの朝は(わりと)早い。
 全寮制である蒼天学園において、就寝時間は各々なれど、起床時間は決まって7:00。
 山の斜面沿いの、高層マンション群と見まごうほど密集した超巨大女子寮中に、
いつも通りのけたたましい起床ベルが鳴り響く。
 ――この朝も、穏やかな晴天であった。

「おはよーっ」
「おはよ…」
 珍しく朝練のない夏侯惇が、二段ベッドの下からはい出てくる。上から顔を覗かせて、
同室の曹操が元気よく挨拶。血圧低めの夏侯惇は、まだ眠そうだ。
「先トイレいく…」
「おっけー」
 曹操はパジャマ代わりのジャージ(※萌えポイント)を畳みながら、元気よく答えた。
(彼女は、効率がいいのか面倒くさがりなのか、枕元の手が届く範囲に着替えやポットや
ドライヤー一式を持ち込んでおり、二段ベッドの上はほとんど巣と化している)
 狭い空間で手早く着替えをすませると、曹操はひらりとベッドを飛び降りた。
「今朝は食堂で食べるよー!パン切らしてるから」
「わかったー」
 洗面所から顔を洗う音と歯を磨く音が聞こえる。
 やがて、眼帯をまきながら夏侯惇が出てきた。
「ちょっと遅くなったかな…」
「急げば間に合うよー」
 
 朝の寮食堂は、昼時の学食ほどでないにせよ、混む。
 モーニングセット(コーヒー付)400円は、多くの面倒くさがりの女子高生にとって
魅力的な料金設定だ。朝から果てしないお喋りを続ける者、新聞を広げてくつろぐ者、
遺恨でもあるのか殺気走った目で睨み合う者など、様々な連中が、わずか30分足らずの
朝食時間をそれぞれに過ごしていた。
 行列の最後尾に到着した曹操と夏侯惇は、トレーをひょいっとつかむと、そのまま行列を
無視して先へ行く。
 ムッとしてふたりをにらみつけた少女たちは、一瞬後、慌てて目をそらした。夏侯惇の
胸元の二千円章(※希少)と曹操の壱万円章は、彼女らにとって雲の彼方の存在なのだ。

3 名前:★ぐっこ:2002/02/07(木) 00:42

「おっはー!」
「ああ、おはよーさん」
 曹操が挨拶した相手は、新任の豫州校区総代、劉備だ。関羽と張飛も両隣にいる。
「なんや曹操はんも、寮食派やったん?」
「いつもはちゃんとパン焼いて食べてるよ? 劉備こそ関羽がいるくせに寮食?」
「はは、今朝は三人とも寝坊したんや」
 他愛ない朝の挨拶。
 屈託ない二人の笑顔。
 だがそのふたりの頭上で、はやくも夏侯惇と張飛の闘気が交錯しはじめている。
「ホラ、いつまで突っ立とるんや、後ろがつっかえるやろ」
 と、不意に劉備が振り向きざま肘鉄を張飛の脇腹に突き刺した。張飛、無言でしゃがむ。
「じゃ、ウチらは、あっちで人待たせとぉから」 
「うん。あ…朝イチの現国、一緒の教室だよね。席並べよ」
「ノート写させてくれるんやったら」
「いーよー。その代わり、また四コマ漫画書いてね〜」
 ふたりは、分かれた。

 適当に空いている席(上級幹部専用エリア)に着いた瞬間、夏侯惇は頭を押さえた。
 長湖部領袖の熱血少女・孫策が、黙々とマヨネーズトッピングのサンドを頬張って
いたからだ。
 曹操は、それへ気づいた風もなく、平然と斜め向かいの席にトレーを置いた。
「おはよ、揚州」
 実にさり気なく挨拶する。このところ曹操が孫策の体育祭実行委員長就任の自薦書を
握りつぶし続けているため、ふたりの関係はよくて武装中立維持くらいである。
「…あ」
 曹操を視認した孫策、一瞬、底光りする目で曹操を見据えたが、次の瞬間、
「おはようございます!」
 と爽やかに笑った。よく日焼けした顔に、白い歯がひときわ目立つ。
「今朝は寮食ですか!」
「うん」
「ここのマヨネーズは最高ですよ! 副会長もいちど試したらどうです!?」
「い、いまは普通に食べるから…」
 無邪気な、しかしどこか挑発的な孫策の気迫には、さすがの曹操も辟易気味だった。
横ざまに突きつけられたマヨネーズを、どうやって引っ込めさそうか迷っているらしい。
 ――と。
 ふわり、とした風情で一人の少女が間に入った。
 びっくりするくらい、綺麗な肌。黒絹のような長い髪。人の容姿を気にかけたことのない
夏侯惇でさえ、思わず息をのむくらいの端整な顔立ち。
 長湖部副主将・周瑜だ。
「孫策、そうやって誰にでもマヨネーズを薦めないの」
 ぴしゃりとたしなめるその横顔に見とれていた曹操、夏侯惇の方へ、とびきりの美少女は
不意に顔を向けた。精神的に後ずさる二人に、周瑜は軽く会釈をすると、はにかむように
ほほえんだ。
「すみません、副会長。朝からご迷惑をかけました」
「い、いいえ、こちらこそ」
 なぜか恐縮する曹操に、妙に高貴な頬笑みをむけ、周瑜は席を立った。
「じゃあ、例の件、よしなにお願いいたします!」
 孫策も立ち上がりざま、周りがぎょっとするくらい大きな声で曹操へ言い、会釈した。
 長湖部の二人が去った後、曹操は呟いていた。
「あのコ、苦手…」

4 名前:★ぐっこ:2002/02/07(木) 00:46
「それにしても、周瑜ってコはじめて近くで見たけど、びっくりしたねーっ!」
「話してないで走りなさいっ!」
 結局、ふたりは、何やかんやで出遅れた。かばんを小脇に抱えて、猛ダッシュ中である。
 別段、遅刻必至という時間ではないのだが、先週の週番である夏侯惇が遅れては、日誌
を次に渡せなくなる。朝のHRの二十分前には、教室に着いておかねばならないのだ。
「あはは、ごめんごめん、忘れてた」
「あんたね…」
 時間帯が早いということもあって、路面電車の停留所は空いている。
 と、いままさに一両の路面電車が、第19女子寮前駅から発車しようとしているところ
だった。二人は全力でダッシュすると、車外ステップへ飛び乗った。
「ああ、危なかった」
「今も危ないわよ…」
 路面電車は学園敷地内を五分刻みに行き交い、タダで乗り降りできる。
 時間帯によっては、乗り切れない人間が、このように車外のステップや窓枠にしがみつく、
という光景も見られるのだった。落ちれば死ぬ、というほどのスピードではないが、危ない
といえば危ない。
 次の停留所の直前で二人は飛び降り、改めて車内に乗り直した。 


「あ…」
「あ」
 飛び乗ったとたん、曹操はさっき走ったことを後悔した。夏侯惇も心の中で曹操に謝った。
 こともろうに生徒会長・袁紹が、真っ正面の席に座っていたのだ。
 かつて曹操と理想を共有し、一緒に学園を変えようと許攸や張バクたちと誓い合ったのが、
1年ほど前である。
 が、事態は複雑に骨折し、いまでは袁紹と曹操は絶交状態なのであった。
「……。」
「………。」
 …気まずい。
 袁紹も曹操に気づいてないはずがないのだが、おかしなくらい無心に単語帳を見ている。
 曹操は曹操で、必死になって天井の広告を眺めていた。
 ――夜の司州回廊で、雨に濡れながら互いの背中へ決別を言い合ってから、まだ二月も
経たない。
 あの夜から生徒会の執務も何もかも、人を介するようになり、もう差し向かって顔を
合わせる事もないと思っていたのだ。
「……………。」
 しばらく妙な空気が流れる。夏侯惇では、ちょっとこの空気を何とか出来そうになかった。

5 名前:★ぐっこ:2002/02/07(木) 00:47
 と、緊張に耐えかねたのか、短い溜息をついて袁紹が単語帳を閉じた。
「――しばらくぶりね、曹操、夏侯惇」
「…うん」
「お、おはようございます」
 正副会長の思わぬエンカウント。ブン屋が乗り合わせていたら嬉々としてスクープにした
だろうが、幸い車内の誰も気づいた様子がない。あるいは、そのフリをしている。
「"そっち"の様子はどう?」
 袁紹の言う「そっち」とは、生徒会室のことだろう。蒼天会と公文書発行機能を掌握し、
事実上学園の支配権を偸盗してのけた曹操に対し、袁紹は生徒会分室を冀州校区内に移し、
徹底抗戦の構えをとった。いま学園の機能は完全な二頭状態になっていた。
「……。」
「聞いちゃいけないことだった? じゃあ私の方から言うけど、こっちは極上よ」
 袁紹はわざとらしく高慢な口調で言った。こうなると曹操、負けじと
「こっちだってばっちしだよ! みんなよく働いてくれるもん!」
 と噛みつく。
「でも、人材が足りなさそうねー? ああ、幹部クラスじゃなくて、中堅連中のことよ?」
 袁紹はいちいち曹操の弱みをつく。新興勢力の曹操に較べ、袁紹の方は中堅クラスの人材
に物理的に恵まれている。
「まあ、頑張れるところまで頑張ってよね」
 と、だめ押しの一言を曹操のちいさい胸に刺し通して、袁紹は立ち上がった。正門前に
到着したのだ。
「そっちこそ!」
 袁紹の背中に、曹操は挑戦状をたたきつけた。
「夏休みが終わる頃まで、分室があると思わないでよね!」

 …曹操と夏侯惇は、豫州校区前で路面電車を降りた。
 曹操は、もういつもの曹操に戻っていた。
「まずは、劉備からかよね…連中、飼えるか飼えないか」
 歩きながら、曹操は次の次を考えている。
「生徒会室にも評議会にも怪しいのがいっぱいいるわよね。董承先輩とか、王服とか」
「でも袁紹の下だって、一枚岩じゃない。必ず閥が出来てるはず。どうやって掻き回そう」
「長湖部の連中はどうしよう。いまは陳登ひとりで大丈夫だけど――うわっ」
 ぶつぶつ言っていると、石畳の段差で見事に蹴つまづいた。
 そのおでこが地面にたたきつけられる直前に、夏侯惇がひょいと片腕を伸ばして襟首を
掴まえた。
「イロイロ考えるのはいいけどね…」
 呆れたように、夏侯惇は言った。
「あんたはきちんと前を見ろ、前を。後ろとか横は、荀揩竓s嘉たちが見てくれるから」
「あ…」
 曹操は、一瞬だけ考え込んで、ニッコリ笑った。
「うん、前だけ見てる」
「よし」
 夏侯惇は曹操の頭をポンとたたくと、スタスタと先を歩き出した。
「急ぐわよ。――それにしても、大変な登校風景になったなぁ、今朝は」 
「ホント、誰のせいよ」
「アンタだ、アンタ」
「そうなん?」

                                  ■おわり■

6 名前:★ぐっこ:2002/02/07(木) 00:48
何で長くなるんだ!?
サンプルとして「朝の風景」で終わらせるつもりだったのに!
ああ、投稿される方、これくらい長くなるようでしたら、メール
でも承ります(;^_^A

7 名前:japan:2002/02/07(木) 12:00
SSへの感想もこちらに記入して宜しいのでしょうか?
(それとも「読書感想文」スレの方が?)

惇姉さん、相変わらず格好良いですね。
終幕の台詞に痺れました。
あと、
>――夜の司州回廊で、雨に濡れながら互いの背中へ決別を言い合ってから、まだ二月も
経たない。
このシーンを是非読みたいです、ぐっこ様!

8 名前:香香:2002/02/07(木) 15:25
マヨネーズをすすめる孫策が、私の中でちょっと神楽と被ります(笑)。
周瑜にビビる?曹操も可愛いですねぇ(笑)。
私もjapan様に同意です!
あの名台詞を聞きたい!

9 名前:岡本:2002/02/07(木) 17:48
孫策との水面下の争いや、袁紹との官渡決戦を控えて自軍勢力
の把握を画策する曹操がいいですね。

10 名前:★ぐっこ:2002/02/07(木) 21:48
感想はこちらでよろしいですよ〜。

>周瑜
japan様の蒼天クリスマスでの初(!)出演に続き、2度目。
曹操がこのまま弱くなりそうで怖いです…(;^_^A まあ、官渡連作があるから…。

>あのセリフ
形にするとクサくなりそう(;^_^A TOPのアレが一番のできです…。

さー、次はどなたがショート書いてくださるのかなあ〜(←期待中)

11 名前:ジーク:2002/02/09(土) 17:42
■第一回紙幣章所持者親睦会■

- 某日夕刻 徐州棟食堂『張・来来軒』 -

……
「…あ、これおいしー。」
「おばさまこれ美味しいですわよ。」
「公達、オバサマはやめてってば…。」
「ちょっと孟徳。こんなに頼んで大丈夫? 経費で落とすったって限度があるでしょうに。」
「何いってんの惇。生徒会長に不可能なんてないのよ。」
「ただでさえスズメの銅像とか色々訳わからない物を作ってばかりなのに……。…頭痛が。予算が。」
「ラーメンとスープとシューマイ追加ね〜!」
「食べすぎじゃないの、子桓さん…?」

徐州棟一階、張遼の母が主を務める寮食堂でのひとコマ。彼女らは予算折衝だか蒼天通信幹部総会だかよく分からん理由をつけて現在経費で宴会中である。メンバーは曹操、曹丕及び生徒会高官達と、蒼天通信幹部勢、勢力下の各校区総代、各サークルの主要メンバーなど曹操の部下がズラリと並んでいる。要するに曹操勢力下の紙幣章所持者が勢ぞろいという奴である。ちなみにこの食堂で宴会…もとい食事付き会議が招集されたのは生徒会副会長曹丕の好物がここの料理であることと、この食堂が学園有数の大きさを誇っている為である。最も、これも曹丕が幾つか部室をつぶして食堂を拡張した為だが…。

なんやかんやで小一時間。
「ところで、これって何の会議でした?」
「さぁ……。始めのほうに何かいってた会長選挙についてじゃないの?」
会長選挙。既に死語になって久しい言葉である。
「…え、あれだけ?」
「まあ、親睦会って事にしといてくれればいーわ。
生徒の親睦を深めるのも生徒会の立派な役目なんだし。」
とは曹操。
「そうそう。仲が悪いと色々と支障がありますし。ね、徐州さん、マンセーさん。」
「全くです…。アタタタ…思い出したら腹痛が…。」…張李調停役になって久しい楽進。
最近よく神経性の腹痛に悩まされている模様。その腹痛は元はといえば張遼と李典の所為である。
張遼と李典のあまりの仲の悪さに両方と親しい楽進は心の休まる時が無いのだ。
もっとも血で血を洗うような凄惨な争いではなく、黒板消しを扉に仕掛けたり、
ブーブークッションをいすに仕掛けたりといった、或る意味平和な争いではあるが。
以前は李典がやや戦局を有利に進めていたようだったが、
最近では張遼も李典の繰り出す攻撃を見極めだしたのか、互角の争いを繰り広げている。
「私は李典サンが謝るっていうのなら仲直りしてもいいですけど。」と張遼。
「………。」無言の李典。しかしその体は「ふざけないでよ!」と猛烈な闘気を発している。
「そーいえば李典ちゃん、さっきからあまり食べてないみたいだけど、どうかしたの?」
「マンヘーはん、ほほのほーひはほれもふっごくおいひいへふほ!
はへはいいなんてほっはいはい。」
という曹丕の前には既に山と積まれた皿の山―。マダ食べる気か、この娘は。

12 名前:ジーク:2002/02/09(土) 17:43
「い、いえ……ちゃんと食べてますよ。」
いきなり曹操と曹丕に話題を変えられ、気勢をそがれた李典。
慌てて料理を取ろうとするが、知らぬ間に周りに料理が無くなっている。
「あれ、李典ちゃんのとこ、料理が無いじゃない。あ、文遠。
あの赤いすーぷ李典ちゃんにとったげて。」
ギクッ。李典の視線が一点にくぎ付けになった。『赤い』スープ……。
何故か一皿だけ置いてある『益州棟名物激辛すぅぷ』のことだ。
噂では張遼と仲の良い関羽が特別に調理法を教えたのだとかどうとか。
誰も食べなかったのは……何故かこっそり『李典曼成用』とかかれていた為だ。
まあ、書いてなくとも多分誰も食べなかっただろうが。
「はい、どうぞ。このすぅぷはとっても美味しいですよ。
リテンさん、どうぞ遠慮せず全部食べてくださいね〜。ふふっ。」
張遼が曹操の一言に追い討ちをかけるが如く笑みを浮かべて李典にそのスープを渡す。
「え、……えっと……あの…それは……」
必死で断りの言葉を探す李典だが、張遼ならばともかく曹操にきつい事は言えるわけがなく、
思うように言葉が出てこない。
「どうしたの? あ、わかった。食べさせてほしーんでしょ。
それじゃ〜私が食べさせてあげるね。はい、ア〜ン。」
カチャ。
曹操は悪魔的な笑みを浮かべてスープの皿を手に取った。
やばい、逃げないと―。
ガシッ。
蒼ざめた李典は席を立って後ずさる……ろうとしたが、後ろには何故か張遼が……。
「あ、わっ、はなせっ。……い、いやぁ〜。」
ゴクッ……一秒……二秒………ぼぅっ!
口から火焔を吐く李典。必死になって水差しとコップを探す。が、何故か水差しは姿を消していた。
張遼―。薄れゆく意識の中、李典は張遼の笑みを見た…ような気がした。
曹操は李典の末路(?)をみて腹を抱えて笑っている。
その笑いは収まる様子を見せない。そして……。

べちゃ。

食堂の床にノックダウンしている李典。対李典戦に勝利を収め、満足げな表情の張遼。
例の腹痛が再発した楽進。麻婆豆腐を顔一面にくっ付けた曹操。あきれる夏侯惇。
彼らを尻目に宴会はなおも続く……。

……

-了-

13 名前:ジーク:2002/02/09(土) 17:44
というわけでショートストーリー書いてみましたです。
疲れた…(;^^A
かってにスズメの銅像立ててしまいましたが(笑) 何か違う気もいたします。

>朝の風景読感
マヨネーズな孫策(←?)が…(^^

決別のせりふ…聞いてみたいなァ。

14 名前:項翔:2002/02/09(土) 19:58
>■■朝の風景■■
学園実力者達の緊迫したやりとりに、一気に全て読んでしまいました(^^) TOP絵の再現を大期待です!

>■第一回紙幣章所持者親睦会■
ああっ、折角の親睦会がぁ…!
…結局こうなるんですね、あの二人。(^o^)
しかし、マーボーで顔一面を濡らす曹操をもう見られるとわ!
ジーク様、大感謝です!!

15 名前:項翔:2002/02/09(土) 20:01
すみません、"学園タ力メ達の緊迫したやり謔閧ノ"→"学園実力者達の緊迫したやり取りに"です…。

16 名前:★ぐっこ:2002/02/09(土) 22:21
うーむ…今日は項翔様が祟られてる!? ちなみに昨日は私でした…(;^_^A
管理機能の修正で直せますので、よろしければメールか画像アップローダのほうにでも、
修正文あげてくださいー!

それはともかくとして!
ジーク様! ストーリー投稿ありがとうございます!
最高!不協和音有りすぎの曹操陣営! 珍しく張遼が先攻したバトル!
しかも知謀の李典の先手先手を取る手腕! ただの体育会系ではないということか!?
曹操達のちゃらんぽらんさがたまりません!(;^_^A

17 名前:玉川雄一:2002/02/11(月) 03:53
  ■まじかる☆イリュージョン■

 辺境の微動か、京師を揺るがす激震か。
 帰宅部連合実働部隊総帥・諸葛亮が企図する北伐の成否は、
ある辺鄙な校舎の去就に懸かっていた。
 荊州校区新城棟。現在この棟を預かるのは孟達、子敬。
 かつては帰宅部連合に所属しながら、故あって生徒会に身を投じていた。

 彼女は当初こそ新蒼天会長となった曹丕の覚えめでたく、
破格とすら言える待遇を受けてきた。
 しかし、得てしてこの類の栄達は凋落も早い。
 曹丕の早すぎる引退と共に、孟達の立場も微妙になっていた。
 そこへかつての僚友、李厳の私信に続いて、
諸葛亮から誘いの手が差し伸べられたのである。

 曰く、
  近々帰宅部連合は生徒会への行動を開始する。
  ついては貴方も旧に復し、我々と共に生徒会打倒を図って欲しい。
  我々は漢中アスレチックより雍州校区を目指す予定であり、
  貴方には荊州校区より司州棟を突いてもらいたい。
  これが成就すればかならずや生徒会に痛撃を与えることができる。
  その時は、貴方も安心して帰参が叶うはずだ、と。

 …ちなみに、引き続いて“同人誌界の支配者”だの、
“世界征服”だのといった意味不明な文言も見られたが、
その部分は孟達には今ひとつ意味が図りかねたのである。

 それはさておき、孟達の心は確かに揺れ動いた。
しかし、事態は彼女の予想をはるかに超えて滑り出す。
 諸葛亮は、意図的にこの情報をリークしたのである。
 新城棟に隣接する魏興棟主・申儀は孟達と折り合い悪く、
彼女を通して、「孟達に不審の儀あり」との報が密かに走った。
 孟達はそれを伝え聞き、とうとう腹をくくったのである。

 とはいえ改めて考えるに、この計画は余りに魅力的だった。
 彼女の預かる新城棟は荊州校区の西北端にあり、
現在は漢中アスレチック方面への備えの役目を果たしていた。
 しかし、この刃が翻されれば… 荊州校区北部を一気に突破し、
現在生徒会が置かれている洛陽棟を直撃することが可能だった。

 だが、一にも二にも、この作戦には迅速な行動が不可欠である。
 いかな予想外の造反とはいえ、生徒会の対応より早く事を運ぶ必要がある。
 孟達の要請受諾の連絡に折り返し、諸葛亮はくどいほど念を押していた。
 だが、孟達はこの件について何故か楽観的だった。
 悠々と決起の時を図っていたのである。

 そこへ、生徒会側から孟達を慰撫する手が打たれた。

 曰く、
  貴方は劉備を棄て、生徒会に身を投じた。
  生徒会は貴方に要地を委ねており、
  また益州校区の生徒達は貴方のことを恨んでいるだろう。
  諸葛亮の企みなど成功するはずがない…

 孟達はこれを聞いてすっかり安心し、諸葛亮の度重なる督促にも耳を貸さなかった。
 生徒会は油断しきっている。我々が本当に背くとは思ってはいまい。
 この計画は必ず成功する、そのはずだった…

18 名前:玉川雄一:2002/02/11(月) 04:00
「そ、それが…なんでこんな事になるのよ!」
 急報を受けて、棟長室から窓下を見下ろした孟達は我が目を疑った。
 新城棟を取り巻くように、生徒会の実働部隊が布陣していたのである。
 一面に広がる女生徒の群の中に何故か古風に翻る旗。
 それには「司馬」と記されていた。生徒会驃騎将軍(仮称)・司馬懿、仲達。
 孟達が進撃するはずだったルートの途上、宛棟にあって、
荊、予二校区の威力行動を司る少女である。

 孟達の楽観は、いかに成功を期された今回の状況下とはいえ、
ある意味では仕方のないことだったのかもしれない。

 原則として、大規模な威力行動は生徒会の承認を必要としていた。
 …もちろん、学園内でも生徒会の勢力下においてのみ通用するルールだったが。
 宛棟から司州校区の洛陽棟まで出動許可を得るのに1時間…
 ネットワーク環境の整った学内(ただし携帯電話等は使用不能)とはいえ、
この類の手続きはアナログ方式というのが不文律である。
 生徒会は自分を疑っていないことは先の報せからも明らかであり、
この1時間の空隙があれば有利に状況を展開できる。
 そう考えるのも無理はないだろう。
 だが、彼女の敵はそのような枠には囚われなかったのである…

 孟達の叛意を伝え聞き、司馬懿の部下達は口を揃えて様子見を進言した。
 だが、彼女は躊躇わず、独断で動員をかけたのだった。
 そして密かに宛棟を進発、急行して新城棟を囲んだのである。


「アタシが事を起こして20分、あいつらはもうここまで来てる…
 まるで、神速じゃない…」

 −異聞によれば、この時生徒会側には剣道部の俊英、徐晃が参加していた。
  孟達はなお力戦し、徐晃を昏倒させたというが…
  当時の記録によればこの時すでに徐晃は現役を退いており、
  この説は帰宅部連合贔屓の何者かが孟達にせめて華を持たせようとした、
  虚構であるとされている。
  学園史を編纂した陳寿も、それに異聞を註釈したハイショーシ君も、
  この説は黙殺している…

 司馬懿麾下の生徒達は、勇躍新城棟に殺到した。
 孟達も果敢に抵抗するも、麾下の搆ォ、李輔は昇降口から投降。
 孟達自身も捕らえられ、司馬懿の前に引き出された。

「……………」

 孟達とて、敗れたりとはいえひとかどの少女である。
 乱れた髪はそのままに、やや細くつり上がった目で司馬懿の顔を睨み付けた。
 司馬懿はそれが常のように冷然と孟達を見下ろしていたが、
やがてポツリとつぶやいた。

「戦いは…決断と瞬発が肝心…それが判らないあなたは、蒼天会には必要ない…」

 それきり、プイと身を背けて歩き出したのだった。

 無念そうにうなだれた孟達の制服に生徒会執行部員の手が掛けられ、
階級章が剥奪される。こうして、新城の叛乱は潰えた。
 諸葛亮が送り込んだ増援も生徒会に投降し、
彼女の雄図はその根本において挫折することになったのである。


 −それでもなお、諸葛亮の北進は続行された。
  だが、生徒会にとってはある意味予想外な、
  弱小部の思わぬ攻勢がさらに想像を超えた状況を作り出す。
  新星の輝きが更なるドラマを生み、学園史を飾ることになるのだが…
  それはまたいずれ語られることとなるだろう。

 今はまだ、諸葛亮の前に司馬懿という存在が立ちはだかる、
その予兆が見え始めただけだった。

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