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レス数が950を超えています。1000を超えると表示できなくなるよ。
■ ★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★

1 名前:★ぐっこ:2002/02/07(木) 00:41
はい。こんなの作っちゃいます。
要するに、正式なストーリーとして投稿するほどの長さでない、
小ネタ、ショートストーリー投稿スレッドです。(長文も構わないですが)
常連様、一見様問わず、ココにありったけの妄想をぶち込むべし!
投降原則として、

1.なるべく設定に沿ってくれたら嬉しいな。
2.該当キャラの過去ログ一応見て頂いたら幸せです。
3.isweb規約を踏み外さないでください…。
4.愛を込めて萌えちゃってください。
5.空気を読む…。

とりあえず、こんな具合でしょうか〜。
基本、読み切り1作品。なるべく引きは避けましょう。
だいたい50行を越すと自動省略表示になりますが、
容量自体はたしか一回10キロくらいまでオッケーのはず。
(※軽く100行ぶんくらい…(;^_^A)、安心して投稿を。
省略表示がダウトな方は、何回かに分けて投稿してください。
飛び入り思いつき一発ネタ等も大歓迎。

あと、援護挿絵職人募集(;^_^A  旧掲示板を仮アプロダにしますので、↓
http://isweb41.infoseek.co.jp/novel/gaksan1/cgi-bin/upboard/upboard.cgi target=_blank>http://isweb41.infoseek.co.jp/novel/gaksan1/cgi-bin/upboard/upboard.cgi
にアップして、画像URLを直接貼ってくださいませ〜。
作品に対する感想等もこのスレ内でオッケーですが、なるべくsage進行で
お願いいたします。

ではお約束ですが、またーりモードでゆきましょう!

2 名前:★ぐっこ:2002/02/07(木) 00:42
■■朝の風景■■


 少女たちの朝は(わりと)早い。
 全寮制である蒼天学園において、就寝時間は各々なれど、起床時間は決まって7:00。
 山の斜面沿いの、高層マンション群と見まごうほど密集した超巨大女子寮中に、
いつも通りのけたたましい起床ベルが鳴り響く。
 ――この朝も、穏やかな晴天であった。

「おはよーっ」
「おはよ…」
 珍しく朝練のない夏侯惇が、二段ベッドの下からはい出てくる。上から顔を覗かせて、
同室の曹操が元気よく挨拶。血圧低めの夏侯惇は、まだ眠そうだ。
「先トイレいく…」
「おっけー」
 曹操はパジャマ代わりのジャージ(※萌えポイント)を畳みながら、元気よく答えた。
(彼女は、効率がいいのか面倒くさがりなのか、枕元の手が届く範囲に着替えやポットや
ドライヤー一式を持ち込んでおり、二段ベッドの上はほとんど巣と化している)
 狭い空間で手早く着替えをすませると、曹操はひらりとベッドを飛び降りた。
「今朝は食堂で食べるよー!パン切らしてるから」
「わかったー」
 洗面所から顔を洗う音と歯を磨く音が聞こえる。
 やがて、眼帯をまきながら夏侯惇が出てきた。
「ちょっと遅くなったかな…」
「急げば間に合うよー」
 
 朝の寮食堂は、昼時の学食ほどでないにせよ、混む。
 モーニングセット(コーヒー付)400円は、多くの面倒くさがりの女子高生にとって
魅力的な料金設定だ。朝から果てしないお喋りを続ける者、新聞を広げてくつろぐ者、
遺恨でもあるのか殺気走った目で睨み合う者など、様々な連中が、わずか30分足らずの
朝食時間をそれぞれに過ごしていた。
 行列の最後尾に到着した曹操と夏侯惇は、トレーをひょいっとつかむと、そのまま行列を
無視して先へ行く。
 ムッとしてふたりをにらみつけた少女たちは、一瞬後、慌てて目をそらした。夏侯惇の
胸元の二千円章(※希少)と曹操の壱万円章は、彼女らにとって雲の彼方の存在なのだ。

3 名前:★ぐっこ:2002/02/07(木) 00:42

「おっはー!」
「ああ、おはよーさん」
 曹操が挨拶した相手は、新任の豫州校区総代、劉備だ。関羽と張飛も両隣にいる。
「なんや曹操はんも、寮食派やったん?」
「いつもはちゃんとパン焼いて食べてるよ? 劉備こそ関羽がいるくせに寮食?」
「はは、今朝は三人とも寝坊したんや」
 他愛ない朝の挨拶。
 屈託ない二人の笑顔。
 だがそのふたりの頭上で、はやくも夏侯惇と張飛の闘気が交錯しはじめている。
「ホラ、いつまで突っ立とるんや、後ろがつっかえるやろ」
 と、不意に劉備が振り向きざま肘鉄を張飛の脇腹に突き刺した。張飛、無言でしゃがむ。
「じゃ、ウチらは、あっちで人待たせとぉから」 
「うん。あ…朝イチの現国、一緒の教室だよね。席並べよ」
「ノート写させてくれるんやったら」
「いーよー。その代わり、また四コマ漫画書いてね〜」
 ふたりは、分かれた。

 適当に空いている席(上級幹部専用エリア)に着いた瞬間、夏侯惇は頭を押さえた。
 長湖部領袖の熱血少女・孫策が、黙々とマヨネーズトッピングのサンドを頬張って
いたからだ。
 曹操は、それへ気づいた風もなく、平然と斜め向かいの席にトレーを置いた。
「おはよ、揚州」
 実にさり気なく挨拶する。このところ曹操が孫策の体育祭実行委員長就任の自薦書を
握りつぶし続けているため、ふたりの関係はよくて武装中立維持くらいである。
「…あ」
 曹操を視認した孫策、一瞬、底光りする目で曹操を見据えたが、次の瞬間、
「おはようございます!」
 と爽やかに笑った。よく日焼けした顔に、白い歯がひときわ目立つ。
「今朝は寮食ですか!」
「うん」
「ここのマヨネーズは最高ですよ! 副会長もいちど試したらどうです!?」
「い、いまは普通に食べるから…」
 無邪気な、しかしどこか挑発的な孫策の気迫には、さすがの曹操も辟易気味だった。
横ざまに突きつけられたマヨネーズを、どうやって引っ込めさそうか迷っているらしい。
 ――と。
 ふわり、とした風情で一人の少女が間に入った。
 びっくりするくらい、綺麗な肌。黒絹のような長い髪。人の容姿を気にかけたことのない
夏侯惇でさえ、思わず息をのむくらいの端整な顔立ち。
 長湖部副主将・周瑜だ。
「孫策、そうやって誰にでもマヨネーズを薦めないの」
 ぴしゃりとたしなめるその横顔に見とれていた曹操、夏侯惇の方へ、とびきりの美少女は
不意に顔を向けた。精神的に後ずさる二人に、周瑜は軽く会釈をすると、はにかむように
ほほえんだ。
「すみません、副会長。朝からご迷惑をかけました」
「い、いいえ、こちらこそ」
 なぜか恐縮する曹操に、妙に高貴な頬笑みをむけ、周瑜は席を立った。
「じゃあ、例の件、よしなにお願いいたします!」
 孫策も立ち上がりざま、周りがぎょっとするくらい大きな声で曹操へ言い、会釈した。
 長湖部の二人が去った後、曹操は呟いていた。
「あのコ、苦手…」

4 名前:★ぐっこ:2002/02/07(木) 00:46
「それにしても、周瑜ってコはじめて近くで見たけど、びっくりしたねーっ!」
「話してないで走りなさいっ!」
 結局、ふたりは、何やかんやで出遅れた。かばんを小脇に抱えて、猛ダッシュ中である。
 別段、遅刻必至という時間ではないのだが、先週の週番である夏侯惇が遅れては、日誌
を次に渡せなくなる。朝のHRの二十分前には、教室に着いておかねばならないのだ。
「あはは、ごめんごめん、忘れてた」
「あんたね…」
 時間帯が早いということもあって、路面電車の停留所は空いている。
 と、いままさに一両の路面電車が、第19女子寮前駅から発車しようとしているところ
だった。二人は全力でダッシュすると、車外ステップへ飛び乗った。
「ああ、危なかった」
「今も危ないわよ…」
 路面電車は学園敷地内を五分刻みに行き交い、タダで乗り降りできる。
 時間帯によっては、乗り切れない人間が、このように車外のステップや窓枠にしがみつく、
という光景も見られるのだった。落ちれば死ぬ、というほどのスピードではないが、危ない
といえば危ない。
 次の停留所の直前で二人は飛び降り、改めて車内に乗り直した。 


「あ…」
「あ」
 飛び乗ったとたん、曹操はさっき走ったことを後悔した。夏侯惇も心の中で曹操に謝った。
 こともろうに生徒会長・袁紹が、真っ正面の席に座っていたのだ。
 かつて曹操と理想を共有し、一緒に学園を変えようと許攸や張バクたちと誓い合ったのが、
1年ほど前である。
 が、事態は複雑に骨折し、いまでは袁紹と曹操は絶交状態なのであった。
「……。」
「………。」
 …気まずい。
 袁紹も曹操に気づいてないはずがないのだが、おかしなくらい無心に単語帳を見ている。
 曹操は曹操で、必死になって天井の広告を眺めていた。
 ――夜の司州回廊で、雨に濡れながら互いの背中へ決別を言い合ってから、まだ二月も
経たない。
 あの夜から生徒会の執務も何もかも、人を介するようになり、もう差し向かって顔を
合わせる事もないと思っていたのだ。
「……………。」
 しばらく妙な空気が流れる。夏侯惇では、ちょっとこの空気を何とか出来そうになかった。

5 名前:★ぐっこ:2002/02/07(木) 00:47
 と、緊張に耐えかねたのか、短い溜息をついて袁紹が単語帳を閉じた。
「――しばらくぶりね、曹操、夏侯惇」
「…うん」
「お、おはようございます」
 正副会長の思わぬエンカウント。ブン屋が乗り合わせていたら嬉々としてスクープにした
だろうが、幸い車内の誰も気づいた様子がない。あるいは、そのフリをしている。
「"そっち"の様子はどう?」
 袁紹の言う「そっち」とは、生徒会室のことだろう。蒼天会と公文書発行機能を掌握し、
事実上学園の支配権を偸盗してのけた曹操に対し、袁紹は生徒会分室を冀州校区内に移し、
徹底抗戦の構えをとった。いま学園の機能は完全な二頭状態になっていた。
「……。」
「聞いちゃいけないことだった? じゃあ私の方から言うけど、こっちは極上よ」
 袁紹はわざとらしく高慢な口調で言った。こうなると曹操、負けじと
「こっちだってばっちしだよ! みんなよく働いてくれるもん!」
 と噛みつく。
「でも、人材が足りなさそうねー? ああ、幹部クラスじゃなくて、中堅連中のことよ?」
 袁紹はいちいち曹操の弱みをつく。新興勢力の曹操に較べ、袁紹の方は中堅クラスの人材
に物理的に恵まれている。
「まあ、頑張れるところまで頑張ってよね」
 と、だめ押しの一言を曹操のちいさい胸に刺し通して、袁紹は立ち上がった。正門前に
到着したのだ。
「そっちこそ!」
 袁紹の背中に、曹操は挑戦状をたたきつけた。
「夏休みが終わる頃まで、分室があると思わないでよね!」

 …曹操と夏侯惇は、豫州校区前で路面電車を降りた。
 曹操は、もういつもの曹操に戻っていた。
「まずは、劉備からかよね…連中、飼えるか飼えないか」
 歩きながら、曹操は次の次を考えている。
「生徒会室にも評議会にも怪しいのがいっぱいいるわよね。董承先輩とか、王服とか」
「でも袁紹の下だって、一枚岩じゃない。必ず閥が出来てるはず。どうやって掻き回そう」
「長湖部の連中はどうしよう。いまは陳登ひとりで大丈夫だけど――うわっ」
 ぶつぶつ言っていると、石畳の段差で見事に蹴つまづいた。
 そのおでこが地面にたたきつけられる直前に、夏侯惇がひょいと片腕を伸ばして襟首を
掴まえた。
「イロイロ考えるのはいいけどね…」
 呆れたように、夏侯惇は言った。
「あんたはきちんと前を見ろ、前を。後ろとか横は、荀揩竓s嘉たちが見てくれるから」
「あ…」
 曹操は、一瞬だけ考え込んで、ニッコリ笑った。
「うん、前だけ見てる」
「よし」
 夏侯惇は曹操の頭をポンとたたくと、スタスタと先を歩き出した。
「急ぐわよ。――それにしても、大変な登校風景になったなぁ、今朝は」 
「ホント、誰のせいよ」
「アンタだ、アンタ」
「そうなん?」

                                  ■おわり■

6 名前:★ぐっこ:2002/02/07(木) 00:48
何で長くなるんだ!?
サンプルとして「朝の風景」で終わらせるつもりだったのに!
ああ、投稿される方、これくらい長くなるようでしたら、メール
でも承ります(;^_^A

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