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■ ★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★

431 名前:★教授:2004/02/15(日) 23:05
■■ バレンタインSS -多人数SP- ■■


「関さんは例年通り指名手配になっとるけど…」
「関姉も大変だなー…俺らも今大変だけど…」
 成都棟屋上、給水塔下で劉備と張飛は毛布を頭からかぶって茣蓙の上に座りながら七輪で暖を取っていた。
 今日は2月14日。世はバレンタインと呼ばれる女の子に取っても、男の子に取ってもあらゆる意味で緊張する日である。
 女子高でもあるこの学園でもバレンタインというイベントは発生する。むしろ、それは必然であるとも言える。こんなイベントを放っておく女子などいないのだ。
 …で、何故劉備と張飛が寒空の下でこんな事をしているのか。答えは簡単、一般女子のチョコ攻めから逃れる為だ。
 益州校区を落としてから一気に株が上昇した二人は前日の深夜から異様な視線を感じていた。そこで諸葛亮に調査を依頼した所、驚愕の事実が判明。逃亡のきっかけとなったのは、諸葛亮の資料と共に添付されていた見るからに毒々しいラッピングのチョコを見た事だった。
 ちなみにこの場にいない荊州校区を管理している関羽は妹や水練達者な部下の助けを借りて今も逃亡中である。最も妹と部下は既に大量の靴跡の烙印を押されて倒れているのだが――
 暖を取りながら潜伏中の二人以外にも馬超、黄忠、厳顔も同様の被害に遭っている。黄忠、厳顔は大人の対応で凌いでいるが馬超はそうもいかない。如何に帰宅部屈指のスプリンターと云えども限界はある。逃げ場を失って拉致されていく姿を馬岱が見たそうだ。
 しかし、趙雲はチョコ被害に遭っていない。その時彼女の周りには簡雍、法正と敵に回したら最強最悪の二人がいたからだった。流石に自分の命と引き替えにチョコを渡す強行には出る事は出来ない。
 場面を戻そう。劉備と張飛は給水塔の下で難を逃れていたが、そろそろ限界を感じてきていた。先ほどから屋上の探索に何人か現れているのだ。1分前に一度見つかったが、その時は張飛が間髪入れずに記憶消去(頭部強打)をしたお陰で命拾いはしている。見つかるのはもう時間の問題っぽいが――


 場面は変わり、益州校区郊外の丘の上。
 ここで簡雍と法正がベンチに腰掛けていた。趙雲がアトちゃんの部屋に入ったのを確認すると二人で適当な雑談をしながらぶらぶら歩いていたらこんな所まで来てしまっていたのだ。
 しかし、どことなく二人の間に気まずい空気が流れていた。
「………」
「………」
 お互いに目線も合わせずに落ちつかない様子。簡雍も法正も頬を染めている。
 二人とも綺麗にラッピングされたハート型のチョコを一つずつ持っていた――


 更に場所は変わりラク棟――

「毎年毎年…何で私がこんな目に!」
 半泣きになりながら一人の少女が一個師団にも匹敵する集団に追われている。
 悲しい事に、課外活動から退いている今でもこの日になると逃げ回る事を余儀なくされるのだ。
 必死に逃げ惑う少女、通称『益州タカラヅカ』張任。潔さと忠信の高さが仇となってしまっている。そこはかとなく報われない少女――


 夜――

 劉備と張飛は撤収しようとした所を待ち伏せしていた諸葛亮率いる女子達に取り囲まれていた。夜まで粘ってた事は誉めてやるべきだろうか――
 余談だが、今年の関羽は無事逃げ切る事に成功していた。尊い犠牲、名誉の殉職者2名――

                糸冬

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