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■ ★しょーとれんじすと〜り〜スレッド★

1 名前:★ぐっこ:2002/02/07(木) 00:41
はい。こんなの作っちゃいます。
要するに、正式なストーリーとして投稿するほどの長さでない、
小ネタ、ショートストーリー投稿スレッドです。(長文も構わないですが)
常連様、一見様問わず、ココにありったけの妄想をぶち込むべし!
投降原則として、

1.なるべく設定に沿ってくれたら嬉しいな。
2.該当キャラの過去ログ一応見て頂いたら幸せです。
3.isweb規約を踏み外さないでください…。
4.愛を込めて萌えちゃってください。
5.空気を読む…。

とりあえず、こんな具合でしょうか〜。
基本、読み切り1作品。なるべく引きは避けましょう。
だいたい50行を越すと自動省略表示になりますが、
容量自体はたしか一回10キロくらいまでオッケーのはず。
(※軽く100行ぶんくらい…(;^_^A)、安心して投稿を。
省略表示がダウトな方は、何回かに分けて投稿してください。
飛び入り思いつき一発ネタ等も大歓迎。

あと、援護挿絵職人募集(;^_^A  旧掲示板を仮アプロダにしますので、↓
http://isweb41.infoseek.co.jp/novel/gaksan1/cgi-bin/upboard/upboard.cgi target=_blank>http://isweb41.infoseek.co.jp/novel/gaksan1/cgi-bin/upboard/upboard.cgi
にアップして、画像URLを直接貼ってくださいませ〜。
作品に対する感想等もこのスレ内でオッケーですが、なるべくsage進行で
お願いいたします。

ではお約束ですが、またーりモードでゆきましょう!

87 名前:一国志3:2002/07/26(金) 00:50
>japan様

テストの点数=知力or政治力の文官ver.だと、鍾[月缶系]あたりが
いい題材なのかなと思います。初期の三國志では二流の文官で魅力も
低く、その他大勢だったのですが、最近は政治力が90前後と
評価されています。
あと、鍾会(生年225)と[登β]艾(生年197)は、実は親子ぐらい年齢が
離れているんですよね。

>ぐっこ様
なにしろ、2時間あまりで書き上げた作品ですので、長文リメイク
していただけるとありがたいです。
(戦闘シーンは、ほぼはしょってしまいましたし。)

88 名前:玉川雄一:2002/07/28(日) 09:58
鍾ヨウに目を付けられるとはさすが! ご安心めされ。学三の鍾ヨウは半端なキャラじゃないですよ。
旧掲示板(現仮あぷろだ)の過去ログ…は当の昔に流れてしまいましたが、とりあえず
http://isweb41.infoseek.co.jp/novel/gaksan1/zinbutu/sousou/zyunikus.html target=_blank>http://isweb41.infoseek.co.jp/novel/gaksan1/zinbutu/sousou/zyunikus.html
辺りを参照までに。

89 名前:一国志3:2002/12/23(月) 00:57
>>(気が向いたら、ショートストーリースレッドにでも書きこんでみるかもしれません。)

というわけで、長坂坡のくだりを書いてみました。


生徒会が袁紹一派の残党勢力をしらみつぶしにしていた頃、劉備率いる帰宅部連合は、
劉表の好意でプレハブ新野棟を借りて、何とか部室を確保していた。

だが、新年度になって劉表が卒業し、新たに荊州校区の総代となった劉[王宗]は、
生徒会に従属する道を選んでしまった。劉[王宗]・蔡瑁らは生徒会に対して恭順の
意を示すため、荊州校区からの帰宅部の追い出しを謀っているところであった。

劉備「えらいこっちゃやで。今のうちらではこの部室守りきれへんし。」
諸葛亮「いっそのこと、荊州校区の本部を急襲してみてはいかがでしょうか?
    相手が蔡瑁程度なら、私たちの側に充分に勝算があります。」
劉備「そんなのあかんで!
   いくら蔡瑁が嫌な奴いうても、劉表さんの恩を裏切ることはできへん。
   うちら帰宅部のモットーは、義理と人情の浪花節や。」
諸葛亮「次善の策としては、江夏棟に避難することでしょう。
    江夏の劉[王奇]さんなら、私たちを快く迎え入れてくれるはずです。」

帰宅部連合の部員たちは、荷物をまとめて江夏棟に避難する準備をする。
一般部員「劉備部長!私たちも一緒に江夏までついていきます。」
諸葛亮「事態は急を要します。幹部だけが先に避難すべきと存じますが。」
劉備「部員をひとりでも見捨てることは、うちにはできへん。
   帰宅部連合はいつでも一緒や。みんな、行くで〜!」

急に帰宅部連合の全員が一斉に避難を始めたので、江夏棟までの連絡通路は
渋滞してしまう。生徒会がそんな状況を見逃すはずもなく、少なからぬ数の
帰宅部部員が生徒会に捕まってしまうのであった。

荊州校区の本部と江夏棟の中間あたりに用水路があり、長坂橋という小さな
橋がかかっていた。大部分の部員たちが橋を渡り終えたのを確認したところで、
張飛と趙雲がしんがりとして生徒会の進撃を食い止めようとする。
張飛「これで主なメンバーは無事に避難できたようだな。」
趙雲「……劉禅ちゃんが!」
張飛「劉姉貴の妹じゃねえか。
   あいつトロいし、どこかで道草でも食ってるのかもしれんな。」
趙雲「……行ってくる。劉禅ちゃんを助けに……。」
張飛「…って、待てよ、趙雲!ま、いいか。
   生徒会の雑魚どもの相手なら、オイラひとりで十分だし。」

わき道を進んでいると、見覚えのある一匹の猫と出くわす。
趙雲「(あれは……劉備部長のところの……びぃちゃん?)」
猫は趙雲の姿を目にすると、草むらのほうへ駆け出す。
趙雲「(ついてこいってことか…?)」
猫を追いかけると、そこには怪我をして倒れていた劉禅の姿があった。
趙雲「どうした…?」
劉禅「わ〜い!趙雲さんが来てくれたよ〜。
   阿斗ちゃんはねぇ、道に迷って、それで転んで怪我しちゃったの。」
趙雲「もう大丈夫だ。……私に任せろ。」
趙雲は怪我をした劉禅を背負う。
劉禅「趙雲さんってどうしてそんなに背が高いんですか?」
趙雲「…小さいほうがかわいくていいよ……。」
劉禅「ふ〜ん、そうなのかなぁ?
   それとさぁ、びぃちゃんも一緒につれてってくれるよね?」
趙雲「う、うん……。(ドキドキドキ……)」
趙雲は猫を抱きかかえようとするが、逃げられてしまう。
趙雲「………なぜ?」
劉禅「あ〜っ、びぃちゃん、逃げちゃったよ〜。」
趙雲「追いかけなくては!」
謎の声「追ってはいけない。ネコの気持ちを察してあげるのだ。」
趙雲「(……誰!?)」
謎の声「あのネコは、自らの身を挺して阿斗の居場所を伝えに来たのだ。」
趙雲「(ええっ……!?でも、びぃちゃんが生徒会に捕まってしまう。)」
謎の声「君はネコの好意を無にするのか?まずは無事に阿斗を送り届けるのだ。」
劉禅「趙雲さん、どうしたの?ボーっとしちゃって。」
趙雲「いや……何でもない。劉禅ちゃん、しっかりつかまっていろよ。」

迫り来る生徒会の大軍を目前にしながら、趙雲と劉禅の逃避行が始まるのであった。

(つづく)

90 名前:一国志3:2002/12/23(月) 02:48
>>89の続きです。


劉禅を背負いながら、生徒会の手から逃れようとする趙雲であった。
途中、夏侯恩から曹操所有の竹刀「青[金工]」を奪い、この竹刀を振るいながら、
晏明ら生徒会の追っ手を退ける。

劉禅「すご〜い!趙雲さんは無敵だぁ!」
張[合β]「哀れなるものよ。戦場の華となって散りなさい。
     曹操直属の五剣士の一、張[合β]儁艾ここにあり。」
趙雲「……………。」
劉禅「ねぇねぇ、戦場の花ってきれいなの?」
仮面をつけたまま、張[合β]が挑んでくる。
張[合β]「どうです?私と剣の勝負を受けてみませんか。
     美しき戦いになりそうですよ。」
趙雲「(今は劉禅ちゃんを送り届けるのが先だ。)
   ……断る。」
張[合β]「敵を目の前にして逃げ出すとは、美しくありませんねぇ。」
趙雲「しっかりつかまって、劉禅ちゃん。」
劉禅「は〜い!がんばれ趙雲さ〜ん。」

しかし、趙雲たちが逃げた先には落とし穴が仕掛けてあった。
趙雲「ああっ……。劉禅ちゃん、大丈夫か?」
劉禅「ううん、阿斗ちゃんはなんでもないよ。それよりも、上、見て!」
張[合β]「淑女たる私であっても、大義のためならば、時には醜い手段を
     使わざるを得ないのです。」
趙雲「………………。」
張[合β]「あなたがたには、万に一つの勝ち目もありません。
     これ以上あなたの名を辱めたくはありません。潔く降伏しなさい。」
劉禅「ねぇ、趙雲さん。どうすればいいの?」
趙雲「………だめだ。あくまでも帰宅部として……。」
張[合β]「そうですか。あなたに美しき散り際を提供しましょう。」
趙雲「(劉備部長………ごめんなさい。)」
張[合β]の竹刀が振り下ろされたとき、猫型の不思議な赤い光が趙雲を包む。
趙雲「………………!!」
張[合β]「し、竹刀がはね返るとは!?」
謎の声「今のうちに逃げるといい。」
趙雲「あなたはさっきの……。」
謎の声「ああ、名乗るほどのものではないが、阿斗の父です。
    娘が世話になっています。」
趙雲「お父さん…?劉禅ちゃんの?」
劉禅「あたしのパパ?学校には来てないよ。」
張[合β]「くっ、私の剣が通じぬとは…。醜い戦いはやめておきましょう。」
趙雲「(……ありがとう、お父さん。)」

生徒会の追っ手として、今度は曹洪が現れる。
曹洪「よっしゃ、趙雲ゲット〜!賞金が……。」
趙雲「ん……?」
曹洪「あんたが趙雲ね。おとなしく生徒会に降伏しなさい。
   あんたが生徒会に従えば、あたしも賞金十万元ゲットできるのよ!」
劉禅「ねえ、阿斗ちゃんの賞金はいくらなの?」
曹洪「あんたは無能だから賞金ゼロよ。ってわけで、あたし的には価値ないの。
   曹操さんが惚れこんでいる関羽なら、賞金百万元よ!いつかは説得して…。」
趙雲「悪いが、付き合っている暇はない。」
曹洪「ふふふ………。逃がすものですか。あんたの弱点は調査済みよ。
   行け〜っ、『百万の青州兵』!!」
曹洪の号令とともに、無数の猫たちが趙雲めがけて一斉に襲いかかる。
趙雲「あ……噛み猫!」
劉禅「あ〜〜っ!ネコの爪はバイキンがあって!
   おばあちゃんがひっかかれてすごいはれて!」
猫たちが趙雲に飛びかかろうとしたとき、行方不明だったびぃちゃん(劉備の飼い猫)
が立ちはだかる。
趙雲「……びぃちゃん!?」
びぃちゃんは渾身の力を振り絞って雄叫びをあげる。
その気迫に押されて、猫の大群は四散してしまう。
趙雲「(猫を抱きかかえて)……ありがとう。」
だが、この瞬間、びぃちゃんは息を引き取ったのであった。
趙雲「うそだ………。」
劉禅「死んじゃったの?」
曹洪「まあ、所詮、ネコはネコね。役に立たないったらありゃしない。
   趙雲、今度こそおとなしく生徒会に降伏しなさい!」
趙雲「(睨み付ける)」
曹洪「い、いや、なんでもないです。(せっかく賞金もらえると思ったのに〜)」

生徒会の追っ手を振り切り、何とか長坂橋までたどり着いた趙雲と劉禅であった。
趙雲「……劉禅ちゃんを連れてきた。でも、まだ追っ手が……。」
張飛「よ〜し、あとはオイラに任せとけ!」
長坂橋は張飛に任せ、趙雲は劉禅を劉備の元に送り届ける。
趙雲「……劉禅ちゃんは無事です。でも、びぃちゃんが……。」
劉禅「お姉ちゃ〜ん!会いたかったよ〜!」
劉備「どアホ!おまえは何遍、人に迷惑かけたら気が済むんや!」
劉備は劉禅の頭をハリセンで、これでもかというほどにどつきまわす。
劉禅「え〜ん、え〜ん…。お姉ちゃん、痛いよ〜。」
趙雲「あの……、そんなに叩かなくても。」
劉備「こいつのせいで、危うく優秀な部員を一人失うところやったんや。
   え〜い、叩いても叩いても叩き足らんわ。」
諸葛亮「劉備部長、お気持ちはわかりますが、気を静めてくださいませ。
    ただでさえ足りない劉禅ちゃんの頭の中身が……。」
劉備「…す、すまん。つい、ウチとしたことがカッとなってもうてな。
   そうか、びぃちゃんが亡くなったんか。
   そこらへんに埋めとくしかできへんな……。」
趙雲「私のせいで……。」
劉備「いや、趙雲のせいやない。気にしたらあかんで。」
諸葛亮「気を取りなおして進みましょう。江夏棟まではあと少しです。」

江夏棟にたどり着いた劉備たちは関羽と合流し、舞台は赤壁島に進むのであった。

(おわり)


*張[合β]のキャラは三国無双を参考にしました。(実は未プレイですが)

91 名前:★ぐっこ:2002/12/24(火) 01:21
おお、コレは力作!
オールあずまんがですが…あずまんが知らない人はちとキツイかも…
そういえば、長坂消したままだったな…(^_^;) いや、殺伐よりも、こういう
のんびりした活劇を目指しておりますので、演義のほうは、たぶんこっち
に近いものになるでしょう〜。

ナル張[合β]…その手があったか。

92 名前:惟新:2002/12/27(金) 16:59
ナル張[合β]Σ( ̄□ ̄;)
そこ来るとはとてつもなく予想外でしたが(^_^;)
てか、張[合β]は三人いるという説も…
それはさて置き、私はあずまんがわかりますので(^_^; 楽しんで読ませていただきました。
けっこうパロディって入れられるものなんですね〜勉強になりましたですよ。

93 名前:教授:2003/01/07(火) 23:48
■■親友 〜黄忠と厳顔〜■■



 夕暮れの巴西棟。
 その屋上に一人の女性が物憂げな表情で眼下に広がる景色を見ている。
 大人びた容姿、風に靡く艶やかな髪に凛とした顔立ち。
 彼女の名は厳顔。
 劉備率いる帰宅部連合の中でも名うての人物だ。
「帰宅部連合に加わってから…色々な事があったわね…」
 小さく呟き、柵を背にもたれかかった。
 現在の主、劉備玄徳の益州校区攻め…漢中アスレチック戦…。
 厳顔が活躍した場はそれ程多くはない。
 しかし、それは彼女の中で生涯忘れる事のない出来事。
 大切な記憶なのだ。
「学園生活の最後に楽しい思い出が出来たかな…」
 感慨深く言葉を紡ぐと深く息を吐いた。
 と、屋上のドアがゆっくり開く。
「ここにいたのね。話って何?」
 ドアの向こうから大人しそうな印象のウェーブがかった髪の女性が姿を見せた。
 だが、その格好は少し変わっていた。
 ――弓道着。
 練習中だったのだろう、制服姿の厳顔とは明らかに違う。
 厳顔は親友の姿を捉えると優しくも哀しげな眼差しを向けた。
「漢升…忙しい所呼び出したりしてすまないね」
「それはいいけど…珍しいわね。貴方が大事な用事があるなんて…」
 厳顔は特に大事がない限り自分の用件は後回しにする。
 それが人づてに修練中の黄忠を呼び出したのだ。
 漢升…黄忠は厳顔の心中を察してか茶化すような事はせず、真面目な顔を見せる。
 余談だが二人は3留というかなり不名誉な経歴を持つ。
 それが故か学園内で年増コンビ呼ばわりされる事が多々見うけられた。
 憤る黄忠、それを宥める厳顔。
 無論、厳顔も腹が立たないという事はない、所詮は人間だ。
 しかし、彼女が怒りを露わにする事は滅多にない。
 以前、理由を劉備に尋ねられた。

『厳顔の姐さんは何で怒らんのや? ああも言われ続けたらいい加減キレるやろ…』
『総代…私と漢升の二人ともが怒り狂ってちゃ歯止めが利かないでしょ? だから私が気にしないようにして抑え役に回ってるってわけ』
『そんなん…腹にたまって気分悪いやろ。ウチが言わさんようにしたるさかいにな…』
『気を遣ってもらわなくてもいいよ。人の口に戸は立てられない…昔から言うでしょ。別に諦めてるとかいうわけじゃないわ…ホントの事だし』

 その時は苦笑いをしてやんわりとしていた。
 劉備も大人やなぁと感心した程だ。

94 名前:教授:2003/01/07(火) 23:51
 それから後も、年増発言は後を立たなかったが二人はいつも通り過ごしていた。
 周りからどう言われようとも、二人の仲は間違いなく良かった。
 同じ3留だからとか、年が同じだから…そんな陳腐な理由ではなく、本当に気が合う親友同士なのだ。

「総代よりも…先に貴方にだけは話しておきたかったから」
 厳顔は真っ直ぐに黄忠の目を見据える。
 黄忠もその言葉と真剣な眼差しを受け、それに応える。
 そして続きを促すように頷いた。
「私…ここで引退する事に決めたわ」
 ひどく重圧感のある言葉。
 だが、黄忠は取り乱さなかった。
 いつもと何ら変わらぬ姿勢を崩さない。
「そう…」
「…漢升は驚かないんだな」
 落ち着き払った黄忠を見て、却って厳顔の方が動揺する。
「ここに呼び出された時に…何となくそんな気がしてたからね」
 黄忠がどこか寂しげな笑みを浮かべて付け加えた。
「そっか…」
 厳顔はどこか嬉しいような安心したような気分になった。
 親友は自分の考えてたよりも、ずっと強い。
 引退しようとは前々から考えていた。
 だけど、自分の言葉で親友の心を乱すような事があれば…今後の指揮系統に支障を来たすかもしれない…。
 そんな事が脳裏を過ってなかなか言い出せなかった。
 でもその考えは杞憂に過ぎなかった。
 だが…黄忠はそんな事を言ったのだ。
「それじゃ…私も一緒に引退しようかな。年が年だしね」
 ひゅうと吹いた一陣の風が二人の髪を大きく靡かせた。
 一瞬の沈黙の後…厳顔はその言葉に首を横に振る。
「まだ…貴方は駄目」
 ここで初めて黄忠の瞳に動揺の色が表れた。
「何でなのよ…。貴方が引退するのは自由…私が引退するのも…」
「自由だ…って言いたいの? 貴方にはまだ大事な仕事が残ってるわ」
 厳顔は神妙な表情で黄忠の言葉を遮った。
「大事な…仕事?」
 黄忠は自分の言葉を先に言われ、どうしたらいいのか分からないような顔で聞き返す。
「そう…大事な仕事よ。貴方には…まだ後輩達への指導がある」
「そんな…そんな事なら貴方にだって…!」
 感極まって普段出さないような大声を張り上げて厳顔の肩を掴む。
 その顔は悲壮感で一杯だった。
 厳顔はゆっくりと首を振ると、言葉を紡ぎ始めた。
「貴方じゃないと出来ない事よ…。荊州校区の生徒に関しては私は全く分からない、何よりも貴方の方が私より優れてるし…他の誰よりも経験が豊富だから」
「それなら…二人でやればいいじゃない! それが嫌なら貴方は益州校区の生徒達だけでも…」
「…この校区の生徒達には早く総代達に慣れてもらいたいの。それに私はもう十分役目を果たしたわ…だから、ここで身を引くの」

95 名前:教授:2003/01/07(火) 23:51
「一人より二人の方が指導も…」
「漢升…分かって…」
 確固たる信念と決意、そして哀しく淀みのない眼差し。
 澄んだ瞳から発せられるどこまでも真っ直ぐな想いは黄忠の心を射抜いていた。
「………」
 黄忠は厳顔を掴む手を離すとそっぽを向いてため息を吐いた。
 そしてくるりと向き直る。
 悲壮感のない、苦笑いだ。
「しょうがないわね…貴方の気持ちは分かったわ。後は…私に任せなさい」
 力強く言い放つ。
「頼んだよ……あ、それから」
「何?」
「年増やおばさん呼ばわりされても怒るなよ〜。もう、宥める役はうんざりなんだからさ。引退してから呼び出されても困るしね」
「そんな事、保証できないわよ」
 思わず吹き出す二人。
 彼女達の明るい笑い声が屋上に響いた…。


 翌日、厳顔は劉備の元へ赴き理由も告げず自らの階級章を返上した。
 勿論、劉備や他の幹部達は厳顔を引き止めようとする。
 厳顔は振り返る事なく、ただ一つだけ皆に言い残し…。
「後は若い子に任せるわ、それじゃ」
 そして、静かに去っていった。


「………」
 黄忠は去り行く親友の背中を見送る。
 ――無意識の内にに涙が頬を伝った。
 はっと我に返り慌てて涙を拭う黄忠。
 誰にも見られていないかと内心ひやりとしたが、幸い誰も気付いていない様子に安堵の息を吐く。
 …と、劉備が黄忠の服の裾を引っ張った。
「漢升はん…ちーと話あるんやけど」 
「…総代?」
「ここやとなんやし…ちょっと奥まで来たって」
 黄忠は引張られるがままに会議室の奥の部屋に連れ込まれる。
「総代…何の用です…」
「漢升はん、あんた…厳顔の姐さんの引退の理由…知っとるやろ」
「…っ!」
「やっぱりやな…。理由も言われずにコレを返されても…かなわんわ。…理由…聞かせてくれへんか?」
 劉備の放つ威圧感に気圧される。
 黄忠は重い口を開き始めた。
「彼女…引っ越すんです。ここからずっと遠い所に…」
「そないな事やったら…言うてくれてもええのに…」
「静かに去りたかったそうです…」
「…ウチら騒がしくしたか?」

96 名前:教授:2003/01/07(火) 23:52
「…送別会が嫌だったんじゃないですか? 彼女なりに気を遣ってくれてるんです…『私なんかの為に予算使わなくてもいいよ』って…」
 その言葉に劉備は深いため息を吐いた。
「厳顔姐さん…こないな時にまで遠慮せんでもええやん…」
 呟くように言うと黄忠に暫く一人にしてくれと告げる。
 黄忠は頷くとそのまま部屋を後にした。


「………」
 黄忠の足は部室に向かっていた。
 いつも隣に居た厳顔はもういない。
 果てしない喪失感が心を支配している。
 少しでも気を紛らわせたい。
 そんな一心で部活動に励もうとしていた。
 道場の方からは既に気合いの入った声が聞こえている。
 もう練習は始まっているのだ。
 急いで更衣室に入ると、自分のロッカーを開く。
 そこには…自分の弓道着と弓、そして見慣れない竹刀袋と手紙が添えられていた。
「何かしら…」
 手紙を開く。


『漢升へ

 私がここにいなくても心はずっと傍にいるよ

 辛くなっても漢升ならきっと乗り越えられる

 がんばれ!

 私の竹刀…置いて行くから、使ってあげてね

 その子も喜ぶと思うし

 それじゃ…また何処かで会おうね!

 親愛なる友人、黄忠漢升へ…   厳顔』


「厳顔…」
 手紙の文字がぽつりぽつりと涙で滲んでいく。
 そして竹刀袋を開き、中から竹刀を取り出す。
 見間違える事はない、親友が振るっていた竹刀だ。
「う…うう…」
 黄忠は溢れる涙を抑えられなかった。
 ただ、声を殺して泣いた。
 親友の残してくれた竹刀と優しい別離の手紙を抱きしめて…。
 

「漢升…総代…そして皆…元気でね」
 荷物をまとめたバッグ(大体の荷物は既に小包にして実家に送ってある)を肩に引っさげた厳顔。
 益州校区が見える場所から静かにその景観を眺めている。
「楽しかったよ…こんなに胸が一杯になる程…」
 踵を返すと止めてあったバイクに跨る。
 ヘルメットを手にし…もう一度振り返った。
「漢升…私達はずっと親友だからね…。そう…遠くにいても…」
 厳顔の頬を涙が伝い落ちる。
 その涙を拭う事無く、そのままヘルメットをかぶると勢い良くエンジンをふかせた。
「…じゃあ…またね!」
 誰にともなく言うと、一気にアクセルを絞り込んだ…。

97 名前:教授:2003/01/07(火) 23:54
あとがき

長くなりました。しかも稚拙で申し訳ないです。
厳顔の引退で非常に悩みましたが、引越しという形にしてみました。
多分、これは賛否両論になりそう…。

98 名前:惟新:2003/01/08(水) 18:23
ゲンガ━━━━━━(T∀T)━━━━━━ ン!!!
ええもん読ませて頂きました!
最後の手紙はぐっと来ますなぁ…こりゃ名文や…

えーっと、引退方法ですか?
引越しということは転校なんでしょうか。引越しの理由にもよりますねぇ…
1、家庭の都合(転勤等)
2、特に家庭の都合はなく、自主的な転校のため
問題があるとすれば2で、3留した挙句転校されるのは親御さんが大変ですが…
でもまぁ3留を許した親御さんです、寛大に許してくださるでしょう(^_^;)
というわけで、特に不都合もなく、別にいいのでは? と私は思うのですが。

そーいや3留ってことは私と同級生の年頃なんだなぁ(^_^;)

99 名前:★ぐっこ:2003/01/08(水) 23:03
ええ話や…・゚・(ノД`)・゚・
ていうか親友同士だったんですね…姉さんコンビ…
黄忠もさびしさひとしおでしょうに…

引っ越しは問題ありませーん。というか、そう次々とリタイヤするのも
アレなんで(^_^;) そういうのもアリにしましょう!

100 名前:教授:2003/01/08(水) 23:06
書き漏れで恐縮してます。
家庭の都合(親の転勤)で引っ越す事になってます。
それも国内ではなく海外という事でして…。
投稿した後で気がつきました、大失態申し訳ないです。

101 名前:アサハル:2003/01/09(木) 21:10
乗り遅れたあ!!

厳顔姐さん格好よすぎ・・・
竹刀を置いていくということは、引越し先では
剣はやらないんでしょうか・・・
海外だから武具の店もないだろうし・゚・(ノД`)・゚・

てか、ここから帰宅部陣営、引退者続出するんですよね・・・
切ない・・・

102 名前:項翔:2003/01/09(木) 22:56
...厳顔さん......。

......大人......(T_T)

残(遺)した手紙と黄忠の涙、二輪と厳顔の後ろ姿...。

......感動です......っ!

>教授様
かッ、海外に引っ越しですか!?
家具や思い出の荷造りも大変かもしれませんが、どうか頑張って下さい!

103 名前:教授:2003/01/09(木) 23:58
拙い文章に素晴らしい感想、感謝感激です。
これからも頑張って書きますのでよろしくお願いします。

項翔様>

いえ、私が引っ越すのではなくて…(^^;)
文中の厳顔の事です、微妙な描写すいません。

104 名前:彩鳳:2003/01/10(金) 20:20
すみません。完全に遅れましたね。(--;

 厳顔姐さん・・・潔い!!
帰宅部に来る時も格好良いけど・・・去る時も鮮やかですね。

>アサハル様
海外で竹刀・・・4年前、カナダの農場で1ヶ月バイトした時に
(タダ働きでしたが)夜、どこかのチャンネルのKー1を見てたら、
竹刀持って乱入した兄ちゃんがいました。見ているこっちは「はぁ!?んなの
アリかい!」て心境でしたが、試合の方は武器アリなので
かなりやばかった(容赦無し)のを覚えています。
すみません。厳顔姐さんとは全然関係ありませんね(^^;

105 名前:教授:2003/01/11(土) 00:00
■■ 関羽の巫女さん ■■


 日曜日の午前中、場所は常山神社。
 境内で巫女服に身を包んだ少女がせっせと箒を動かしていた。
 彼女の名前は趙雲子龍。
 帰宅部陣営に属する薙刀の達人だ。
 それと同時にこの常山神社の一人娘でもある。
「子龍、頑張ってるな」
 ふと趙雲が顔を上げると長く艶やかな光沢を放つ黒髪の女性が立っていた。
「関羽さん、おはようございます」
 丁寧に礼をする趙雲。
「うん、おはよう。今日はこの間借りてた本を返しに来たんだ」
 関羽は持ってきた鞄を開くと、中から分厚い本を取り出す。
「折角の休日に持ってこられなくても学校で渡してくれれば良かったのに…どうもすみません」
「いや、暇だったしな。返せる時に返しておかないと」
 関羽は微笑むと本を趙雲に手渡す。
 と、関羽がある異変に気付いた。
「子龍…熱があるのか?」
「え? …いえ、大丈夫ですよ」
 苦笑いしながら言葉を返す趙雲。
「………」
 無言のまま関羽は趙雲の額に手を伸ばす。
 ひんやりとした感触が額から全身に伝わる。
「やはりな…。体調が悪い時くらいゆっくり休みなさい」
「…今日は両親が用事で出かけてますので…私が掃除とか管理をしないと…」
「責任感が強いのは立派な事だけど、倒れでもしたら元も子もないわよ」
 関羽は諌めるように声を掛けると、少し考え込む。
 そして、意を決したように口を開いた。
「今日は…私が変わってあげるわ」
「そんな…悪いですよ…。私なら大丈夫ですから…」
 趙雲は気丈にそう答えるが、激しく咳き込んだ。
「説得力ないぞ。今日する事を言ってちょうだい、私が変わりにやっておくから」
 優しく微笑みかけると関羽は趙雲を抱き上げる。
「すみません…」
 趙雲は申し訳なさそうに謝ると、作業の指示を関羽に伝えた。

106 名前:教授:2003/01/11(土) 00:03
「さて…趙雲はあれでいいとして…」
 関羽は趙雲を部屋まで運び(巫女服から猫柄のパジャマに着替えさせた)、自分が着るべき巫女服を見下ろした。
「サイズ…合うかな」
 巫女服のサイズを気にしながらも袖を通していく。
 案の定、彼女に見合ったサイズの服が見つからない。
「困ったな…」
 苦笑いを浮かべながら巫女服を漁る関羽。
 幸いにも関羽の体躯に合う巫女服を見つけ、着る事ができた。
「………髪も括った方がいいか」
 鏡を見ながら髪の先端を藍色のリボンで括る。
 出来あがった自分の姿を映しながら苦笑い。
「…我ながらはまってるな…」
 ため息混じりに呟くと箒を片手に境内に出た。
「こうして見ると広いんだな…境内って」
 内心、挫けそうだったが黙々と箒掛けを始める。
 ある程度は趙雲がやってくれているとはいえ、その量は半端ではない。
「これを…趙雲は一人でやっていたのだな…」
 感心しながら箒を動かす。
 黙々とひたすら掃除を続けていたおかげか、1時間余りで8割辺りを消化できた。
「これは翼徳には絶対ムリだな…」
 張飛が1時間以上も単調な作業を続けたら壊れそうだな…と思いくすくすと吹き出す。
「後は…境内の裏か」
 足早に境内の裏手に回る。
 しかし、そこは既に趙雲が掃除した後のようで綺麗に箒掛けされていた。
「こっちは済みか…」
 関羽が境内の方へ戻ろうと踵を返した時だった。
「孟徳! あんまり走りまわるな!」
「分かってるって!」
 聞き覚えのある声にぎょっとする。
 思わず関羽は身を隠してしまった。
「……まさか」
 境内の陰からそーっと顔を覗かせて声の主を確認する。
「今日は巫女さんいないよー?」
「中で掃除してんだろ? 邪魔しちゃ悪いから用事だけ済ませたらさっさと行くよ。淵も下で待ってるんだからさ」
 そこにいたのは生徒会長こと曹操とその右腕、夏侯淳だった。
 関羽は再び隠れ直すと心を落ちつかせる。
「お参りか…? よりにもよってこんな時に…」
 間が悪いとはこのような事を言うのだろう。
 しかし、関羽の不運はまだ続く。
 もう一度様子を窺おうと顔を覗かせたところ…
「あ…」
「うっ」
 曹操と思いきり目が合ってしまった。
「関羽見っけ〜」
 とてとてと走りながら関羽の傍までやってくる曹操。
 関羽の姿を見るなり、はしゃぎまくる。
「わぁ♪ 綺麗だね、巫女服」
「か、会長…」
 はしゃぐ曹操に困惑する関羽。
 それ以上に、こんな姿を見られたという恥ずかしさがあった。
 曹操は更にとんでもない事を口にした。
「私も着たい」
「ち、ちょっ…それは…」
 言い出したら聞かないのが曹操。
 不可視のオーラが関羽を包みこむ。
 しかし、神はまだ関羽を見捨ててはいなかった。

107 名前:教授:2003/01/11(土) 00:04
「わ、悪いな…関羽」
 危機的状況の関羽の元に夏侯淳がやってきて曹操を担ぎ上げた。
「わーっ! まだ話があるのに〜!」
「だから、まだ用事があるって言っただろー! 行くよ!」
 夏侯淳に担ぎ上げられた曹操はじたばたと可愛い抵抗をしながらも、そのまま連れて行かれた。
 一瞬の出来事に呆然とする関羽。
「こ、これは…助かったのか…?」



 曹操達が去ってから3時間後。
 関羽は掃き集めた落ち葉で焚き火をしていた。
「はぁ…人心地着いた気分ね…」
 既に境内の雑巾掛けや窓拭きを終えている。
 のほほんと落ちついていると、境内の方から見慣れた人物が何人も姿を見せた。
「おーい、関さーん」
 劉備だ。
 両サイドと後ろに張飛、劉禅、簡擁が付いてきている。
「義姉者、こっちです」
 関羽が手を振りながら4人を呼ぶ。
「うわっ、関さん…何で巫女服着てるんや?」
「これには事情がありまして…そこっ! 写真撮影禁止!」
 簡擁からデジカメを没収する関羽。
「ちぇっ…折角いいもの撮れると思ったのに」
 不貞腐れる簡擁。
「関羽おねーちゃん…趙雲おねーちゃんは?」
 劉禅がきょろきょろと趙雲の姿を探す。
「子龍ですか? 今…熱があるみたいで部屋で休ませてます」
 その答えに泣きそうな表情を浮かべる。
「えー! 大変だよ、死んじゃうの?」
「アホ! 神社で不吉な事言うな! 簡擁、悪いけどこいつと一緒に子龍の様子を見に行ったって」
「御意」
 簡擁は劉禅の手を引きながら神社の中に入っていった。
 さながら、迷子を連れて歩くデパートの従業員のようだった。
 だが、この時は誰も気付いていなかった。
 簡擁の懐にもう一つデジカメが忍ばされていた事に…。
 二人を見送って劉備が関羽に向き直る。
「まあ、なんや。事情は分かった気がするわ…子龍のヤツ、風邪引いとったんやな?」
「ええ。熱があるのにも関わらず仕事をしてましたから…大事を取って休ませました。よって、彼女の仕事を私が引き継いでやっていたんです」
「うん、よう分かったわ。大変やったな、関さんも…お疲れさん」
 劉備の労いの言葉に嬉しさを隠し切れない関羽。
 ふと、さっきから喋らない張飛に気付く。
「翼徳、何で喋らないんだ?」
「………」
 張飛は関羽の問いに答えず、ただ左頬を押さえていた。
「あー、このアホな。虫歯にかかりよったんや」
 劉備が屈託なく笑いながら張飛の左頬を突つく。
「んーっ!」
 張飛は激しく抵抗。
「ほな、関さん。ウチはコイツ連れて歯医者行ってくるわ」
「そうですね、早く連れて行ってあげてください」
 関羽は二人を見送ると晴れ渡った青空を見上げた。
「こんな平和が続けば…。ふふっ…無いものねだりか」
 不敵に微笑むと箒を片手に社の中に姿を消して行った…。


おまけ

「趙雲おねーちゃん、大丈夫?」
「アトちゃんがお見舞いに来てくれたから、すっかりよくなりましたよ」
 微笑ましい光景。
「…………」
 趙雲に気付かれないようにデジカメを回し続ける簡擁。
「………(宴会の席で流そうかな♪)」
 邪だった。

108 名前:教授:2003/01/11(土) 00:07
あとがき

えーと、まずはごめんなさい。
関羽と簡擁の性格が微妙になってます。
全体的に見ても非常に拙いので…ホント、申し訳ないです。

109 名前:惟新:2003/01/13(月) 01:02
>(巫女服から猫柄のパジャマに着替えさせた)
こうしたさりげない萌えポイントが光ってます(^_^;)

…で、巫女さん関羽キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!
うおぉぉインスピが! インスピが舞い降りてまいりやがりましたよ!
ロクなの描けないけど描きてぇっ! 描きたいけど当分暇がねぇっ!
こ、この溢れかえる欲情(え?)をどこにぶつけたらいいんだぁああ!!
……ぷしゅ〜


落ち着きました(^_^;)
前回に引き続き…いいじゃないですか〜!
欲を言えば最後にもうひとつ何か欲しかったですが…
でも! 存分に萌えさせていただきました!
熱っぽい趙雲タンと巫女関羽タン…
ぐあぁ…!!(再暴走

110 名前:アサハル:2003/01/13(月) 01:57
簡雍!グッジョブ!!(そっちかよ!!)

趙雲かわええ〜・・・
関羽姐さんもかっこええ・・・
巫女ブーム到来の予感。
そして惇姉に担ぎ上げられる(私この辺ネコみたいに
首根っこつかまれて持ち上げられている所を連想した)
曹操がまたかわええ・・・。

私も同じく存分に萌えさせて頂きました。ごちそうさまでした(・∀・)

111 名前:★ぐっこ:2003/01/13(月) 15:42
おなじくゴチです教授様!
(;´Д`)ハァハァ…いいなあ…もう…萌える…
簡雍もイイ感じだ(^_^;)

さて…はやいところガンパレ熱を沈静させて学三補強にかからねば…

112 名前:惟新:2003/01/13(月) 17:20
結局描いちまいやした…
http://members.jcom.home.ne.jp/holly-night/kannu.GIF target=_blank>http://members.jcom.home.ne.jp/holly-night/kannu.GIF
シチュは「写真を撮ろうとした簡雍を叱る関さん」
真っ白なのはCGに慣れたら彩色しようという小さな野望です(^_^;)

…良く考えたら玉川様やアサハル様におねだりした方が良かった罠。

113 名前:惟新:2003/01/13(月) 18:05
改めて読み直してみたら箒は持ってそうにないですねぇ…
デジカメを持たせるべきであったと反省。

114 名前:郭攸長若@凡ミス:2003/01/13(月) 23:24
■信念と迷い

黄巾事件は終わった。
だが、蒼天学園を取り巻く動乱は既に収拾不可能な所まで来ていた。
黄巾事件の収拾に貢献し、その名声を学園中に轟かせた少女・皇甫嵩。
終わりを知らぬかのように思えるその動乱に、彼女は一人思いを馳せていた。

コンコン。
部屋の戸が叩かれる音、気が付けば時間は夜の九時を回っていた。
「先輩・・・私、閻忠です。ちょっとお話宜しいですか?」
「閻忠か・・・あぁ、入れ」
不機嫌なようにも思えるぶっきらぼうな態度、彼女にとっては普通であった。
後輩である閻忠もそれを知っているからこそ、何も言わずに扉を開けた。
「失礼します・・・」
閻忠は靴を脱いで部屋に上がった。
どこか真剣な面持ちだがそれは彼女とて同じこと・・・いや、もしかして閻忠も同じようにこの動乱に思いを馳せていたのかもしれない、彼女はふとそんなことを思った。
「何か飲むか?」
「いえ、すぐお暇しますのでお構いなく・・・」
僅かな沈黙の末、閻忠が口を開いた。
「先輩、チャンスってとても貴重な物なんですよ」
唐突な話だった。
閻忠という少女は唐突に話を切り出す節がある。
だから彼女もそれを心得ていた。
だがそれにしても、今までにない唐突な切り出し方である。
困惑する彼女をよそに閻忠は言葉を続けた。
「この学園をリードしてきた人達は皆、チャンスを上手く掴んだからこそそれが出来たんです。どうして先輩は、こんなチャンスを前にしながらそれを掴もうとしないんですか?」
「どういうことだ・・・?」
閻忠のかつてない勢いに押されながらも、彼女は口を開いた。
閻忠は言葉を続けた。
「この学園をリードするのに地位なんて関係ありません。先輩のような功績を挙げられる人が、あんな生徒会長のような能無しの下にいるなんてあってはならないことです! 先輩の威光は生徒会中に広がり、学園の外にまで聞こえ渡っています。多くの生徒達が先輩に注目し、先輩の為に尽くそうといきり立っているんです。それなのにあんな会長の下にいて、どうやって無事に学園生活を終えることが出来るんですか!」
閻忠の声は、興奮で高ぶっていた。
「私は生徒会に付いて行くと決めた人間、その心を忘れることはない。なのに何故そんな事を言う・・・!」
彼女は高ぶる感情を抑えて言い返した。
それに対し、閻忠もまた言い返す。
「それは違います! 昔、韓信先生は劉邦先生から受けたもてなしを裏切ることができず、蒯通先輩の言葉を拒否して、旧蒼天学園の勢力を三分するチャンスをむざむざと見逃しました。今、生徒会の勢いは当時の劉邦先生や項羽先生より弱く、先輩の力は韓信先生よりもずっと強大です。ですから先輩が立ち上がれば風雲のような勢いを巻き起こすことができるんです。学園中をまとめ上げ、生徒会を掌握し、蒼天会を押しのけて先輩が学園トップの座に就くこと、これこそチャンスを生かす最高の決断です! 先輩のような聡明な人が事態を見極めず、チャンスに先手を打たなければ、必ず後悔することになるはずです。それではもう手遅れなんですよ!」
感情を抑えず、精一杯力説した閻忠は息を切らしていた。
「先輩・・・」
彼女の目は真剣であった。
しかし彼女は何も言わない、ただその真剣な眼差しを閻忠に向けているだけだった。
「し、失礼しました!」
居たたまれなくなった様子で、閻忠は部屋を出て行った。
そして閻忠が部屋を出て行った後・・・。
「私がそんなことをしたって、学園は変わらない・・・いや、変われないさ・・・」
彼女は一人呟いていた、自分に言い聞かせるようにして。

115 名前:郭攸長若@凡ミス:2003/01/13(月) 23:42
皆様がオリジナリティ溢れる文章を書いておられる中、一人原文まんまパクリ・・・皆様の「しょ〜とれんじすと〜り」とは別種の「せっていすと〜り〜」として受け入れていただければ幸いです。
学園の平和を誰よりも願う少女、一度決めた信念は何が何でも貫き通す少女、それが私の抱く(学三での)皇甫嵩のイメージです。
一方の閻忠、実際には皇帝を批判しているはずなのですが「学三」における「蒼天会長」には実権がないので何進批判をして頂きました。
偉大なる先輩・皇甫嵩を尊敬してやまない少女、それが閻忠のイメージなんですが・・・ぶっちゃけた話、榊さんを慕うかおりんが頭に出て来てたり(爆)

で、最後に韓信についての語りなのですが・・・。
またも勝手な設定です。
私の中の設定では「蒼天学園」は昔「前漢市」にあり、劉邦先生や項羽先生は学生時代をそこで過ごしたということになっています。
つまり、劉邦・項羽・韓信・張良etc・・・は皆、蒼天学園の卒業生ということです。
この内容はここに書くことではないかもしれませんが、いかがなものでしょうか?

116 名前:教授:2003/01/14(火) 00:10
郭攸長若様>

うひゃあ…整った文体、読ませる内容…感服です…。
皇甫嵩&閻忠とは…考えもしなかった。
閻忠たんが熱い…達観した皇甫嵩たんもかっこいいです〜。
劉邦や項羽…あんまし大きな事言える身分でもないですが、その設定はかなりイケてると思います。

117 名前:教授:2003/01/14(火) 00:11
レス書き忘れ、誠に申し訳ないです。

維新様>

う、巫女関羽たん…ハァハァ。
いかん…暴走しそうだ…。
愛が感じられます、萌え〜…。

118 名前:★ぐっこ:2003/01/14(火) 23:41
皇甫嵩たんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
一時期は朱儁を凌ぎ董卓をも圧倒し、天下に最も近かった英傑!
従姉の皇甫規をも上回る声望にめぐまれ、「蒼天会長に」と
熱狂的に支持する生徒達もいたとか。

ちなみに演義での彼女は、格技研所長。バリバリの武断派であります。
イメージぴったり!

119 名前:惟新:2003/01/14(火) 23:54
ぶっきらぼうなしゃべり方萌え〜!!!
……
ハッ! いかんいかん…
え〜徳高き名将、皇甫嵩タンのご登場です!
この方には「内に秘めたる思い」があるように感じています。
彼女は何を思っていたのか…それを語るは大変意味があるかと!
…もしかすると私が皇甫嵩を掴みきれてないだけなのかもしれませんが(^_^;)

そんでもって閻忠タン! 賈[言羽]を見出したのも彼女でしたっけ。
王国が皇甫嵩に敗れた後、代わりに担がれたのが閻忠タンというのは、運命の皮肉を感じますねぇ…

>教授様
感想どうもです〜!
実は、司馬遷先生を描くまで自分がイラスト描けたことをすっかり忘れてました(^_^;)
思い返してみると半年くらい絵を描いてなかったんですよね。
「絵を描くってこんなに楽しかったんだよなぁ…」とか「そういや俺の絵柄ってこんな感じだったなぁ」とか、
思い出し思い出し描いています。
…せっかく思い出したのにこれから学業が修羅場に突入し、また忘れてしまいそうな罠。

120 名前:教授:2003/01/17(金) 22:54
■■宴会 −その後−■■


 日曜日の朝。
 けたたましく目覚し時計が部屋に鳴り響く。
「う…うん…」
 二段ベッドの上側で寝ていた少女は音の発生している方に手を伸ばす。
 何度か空やあらぬ所を掴みながらも、ようやく目的の物を掴む。
「…七時前…」
 寝ぼけ眼の法正は横になったまま顔をしかめて呆けていた。
「折角の日曜日なのに…何で目覚ましをセットしちゃったんだろ…」
 ゆっくりと上体を起こす。
 頭を鈍器で殴られたような、シェイクされたような重い痛みが走った。
「いたた…」
 額を手で押さえる。
 …と、視界の先に見知った人物がいた。
 その人物は玄関のドア辺りで、不思議な寝相でいびきをかいていた。
「…張飛さん?」
 何故、ここに張飛がいるのだろう…。
 法正は必死に記憶を整理しようと試みるが、ある時間からぽっかりと記憶に欠落が生じていた。
 そればかりか、考えれば考えるほど頭痛がひどくなる。
「だめ…思い出せない…」
 気分が悪くなりそうなので、思い出す事をやめる法正。
 大きく深呼吸をして気持ちを落ちつける。
 幾分か冷静さを取り戻すと、二段ベッドから降りた。
「あれ…? 私…こんな服着て寝てたの…?」
 自分の着ている服に戸惑いを隠せない様子。
 下着を除いて、ぶかぶかのYシャツ(男物)のみ。
 世の男性諸君には、このスタイルの良さが理解できると思われる。
「なんで…?」
 頭の中をハテナマークが支配している。
 最早、冷静な思考は限りなく不可能になってきていた。
「と、とにかく…カーテン開けて…」
 照明を点けていない薄暗い部屋に採光する為、カーテンを開く。
 眩い日の光が法正の目に飛び込んでくる。
 今日も快晴のようだ。
 取りあえず、着替える為に振り返る。
「う…こ、これは…」
 その光景に思わずたじろぐ法正。
 二段ベッドの下の部分、ここに簡擁、劉備。
 キッチンには魏延、馬超、馬岱。
 クローゼットを開ければ、中から趙雲と劉禅が出てきた。
 いびきをかいて爆睡してる者から憔悴しきって青白い顔の者まで幅広く法正の部屋を埋め尽くしていたのだ。
 おまけにそこら中に酒の瓶やカン。お菓子の袋、食事の無残な残りカスが散乱している。
 さながら戦場の死体置き場のような凄惨さだった。
「いつから…いつから私の部屋がサバトになったのよーっ!」
 収集の付きそうもない自分の部屋を前に叫ぶしかない法正であった…。

121 名前:教授:2003/01/17(金) 22:55
「…で、誰か憶えてるヤツ…おるか?」
 劉備は部屋の片付けをしながら、同じく片付けをしている周りの人間に尋ねる。
「さっぱりだな」
「全然」
「思い出せないです…」
 これだけいるのに張飛、簡擁、趙雲の3人しか返事をしない。
 他は青い顔をしながら部屋の隅で首を横に振っていた。
「うう…何で私が…」
 法正は既に半べそで掃除をしている。
 服は着替え済みでジャージ姿になっていた。
「しゃーないやろ…動けるのはこんだけなんやし」
 劉備がゴミを分別しながら法正を宥める。
「昨日、アレだったろ? 漢中アスレチック戦の祝勝会。アレの打ち上げで呑んでたじゃん」
 珍しく張飛が核心に迫る発言をした。
「でも…何で私の部屋にいるんですか…」
 酒瓶を両手一杯に抱えて恨みがましい目で張飛を見る法正。
 その時、簡擁が一本のビデオテープを劉備に差し出す。
「…これは?」
「多分、撮れてるはずだから…」
「でかした! これで全ての謎が解けるわ!」
 ビデオテープを片手に狂気乱舞する劉備。
「見たいような…見たくないような…」
 法正は複雑な気分だった。
 その後、一通り後片付けと掃除が済んだのは昼前だった。
 その間に、グロッキーだった者が次々と復活。
 劉禅を残して全員が回復していた。
「ほな…始めるで〜」
 劉備はデッキにビデオを投入すると巻き戻しを開始する。
 無機質な音がやけに心に残る時間だ。
「正直…見たくないような…」
 魏延の呟きに何人かが頷く。
「謎を解く為や。多少の恥は我慢したってーな」
 御気楽気分の劉備が再生ボタンを押した…。

122 名前:教授:2003/01/17(金) 23:01
『おっしゃー! デキあがってきた所で二次会やーっ!』 
『どこでやるんだよー!』
 一升瓶を空けた劉備と張飛が異常なテンションで宴会場を闊歩している。
『………』
 グラスを傾けながらぶつぶつ言ってる魏延。
 かなり不気味。
『孟起〜! お高くとまってんじゃねぇぞ〜!』
『ああー…ご無体な〜…』
 酔った馬岱が同じく酔った馬超にジャイアントスイングをかましている。
『アトさん…私…体が熱いです…』
『趙雲おねーちゃ〜…ん〜…私もぉ…』
 抱き合いながら桃色の空気を出している趙雲と劉禅。
 それを遠くでほくそえみながら黄忠と厳顔、そして孫乾が見ている。
 テレビ画面越しにも止めるつもりが全くないのが伝わってくる。
 他の部員は既に撤収済みなのだろう、姿が見えない。
 と、カメラのファインダーの隅に窓から逃走を図ろうとする法正の姿が映った。
『法正が逃げる! 誰か捕まえろ!』
 簡擁の声だ。
 その声と同時に張飛が動く。
『ど〜こに…いくんだぁ!』
『ひゃあっ!』
 身を乗り出して逃げようとした法正の首根っこを張飛の手が掴んだ。
『逃げられると思っとんのか? 宴会はこれからやで!』
 劉備の前に引き出された法正。
 彼女の魔手が法正の服に伸びた。
 いやいやと首を振っているが張飛に羽交い締めにされて逃げ出せない。
『お、いい画像が撮れる!』
 一際高い声の簡擁、興奮しているようだ。
 今、正に法正のおへそが露わになりかけた…その時だった。
『年増って…年増って言うなーっ!』
『誰がおばさんだーっ! ふざけんなーっ!』
 絶叫のハモり。
 もうそれ以外に例えようのない叫びが宴会場に轟く。
 劉備も張飛も…宴会場にいた全員が絶叫の轟くポイントに目をやる。
 そこには黄忠と厳顔が一升瓶を片手にふらふらと立ち上がる姿があった。
 二人とも目が座り、野獣のような唸り声を上げている。
『か、漢升はん…?』
 劉備の声が震えている。
 どうやら酔いが醒めてしまったようだ。
 それは周りの全員にも言える事だった。
『あん…? 誰がトリプルババアだってぇ…!』
『い、言ってへん! そんなの言ってへん!』
『一度痛い目に遭わさないと…ね』
 劉備の抗議に黄忠と厳顔がのそりのそりと動き出す。
 いつもは制止役の厳顔まで酔ってキレているのだから手に負えない。
『や、やばい…。ここは撤退や!』
『ど、どこに!』
『こっから一番近いのは…法正の部屋や!』
 その言葉に弾かれたように我先にと宴会場から出て行く。
 ある者は出入り口から、ある者は窓から…。
 それをビデオに収めている簡擁は天晴だった。
『待てやぁ!』
『ひぃ〜!』
 酒で動きが緩慢になっている黄忠&厳顔。
 ふらふらとした動きで迫ってくる二人は、まるでゾンビ。
『…捕まえた』
『わ、私は何も喋ってません〜!』
 逃げ遅れた孫乾が二人に捕まった事を確認すると簡擁も逃げ出した。
 テレビの中から孫乾の断末魔が響いた…。

123 名前:教授:2003/01/17(金) 23:01
「……………」
 全員が悄然としながら砂嵐を見つめていた。
 自分の酔った時の姿を初めて目の当たりにするとこんな感じになってしまうのだろう。
 御気楽気分で再生ボタンを押した劉備は青ざめていた。
 全身天然ボケの劉禅ですら口をぱくぱくさせている。
 言葉を失った重苦しい空気が流れた。
「つ、つまりは…避難場所にこの部屋が選ばれて…ここでそのまま二次会が勃発したって事か…」
 逸早く立ち直った張飛が乾いた笑みを浮かべて状況を整理する。
 それよりも孫乾の安否を全員が気にしていた。
「わ、私…帰るよ…」
 馬超は馬岱にヘッドロックを掛けながらそそくさと部屋から出て行く。
「う、ウチらも帰るわ…」
 続いて劉備、劉禅、張飛、簡擁が逃げるようにその場を立ち去った。
「あ、部長! お供します!」
 魏延も遅れて出て行く。
 風のように去っていった狼藉者達。
 二次会の現場に残ったのは部屋の主、法正と趙雲の二人だけ。
 趙雲はデッキからビデオを抜き取ると、法正に向き直る。
「このテープ…捨てましょう…」
「そだね…」
 赤い顔の趙雲と法正がビデオテープをゴミ袋に放りこむ。
 普段見る事がない趙雲と法正の姿態。
 流石に後世に残したくはないようだ。
「所で…誰が私にあんなの着せたのかな…」
 法正は首を傾げる。
「それよりも…何で私とアトさんがクローゼットの中に…」
 趙雲も首を傾げた。
 自分の身に起こった不思議。
 二人はそれ以上にある事に気が向いている。
 そして、二人の声が重なった。

『孫乾さんが気になる…』


            −謎を残しておしまい♪−

124 名前:教授:2003/01/17(金) 23:06
あとがき

またしても変なモノを投稿してしまいました。
いい加減、怒られそうですね(汗)
こちらの作品はアサハルさんのサイトにあります、『女達の宴会』のその後みたいな…感じです。
大分、キャラが壊れてます。勘弁してください…。

125 名前:★ぐっこ:2003/01/18(土) 00:36
うわははっはは!
教授様っ、もう最高!
何か楽しそう! いいなあこういうの!
クローゼットの中から発掘される趙雲たんと阿斗たん!
そして年増コンビの凄絶な迫力!

一人割を食う法正たん! 案外要領悪いのね…(;^_^A
問題は公祐たんだが。

126 名前:アサハル:2003/01/18(土) 01:05
やー萌えすぎてえらいことになりました・・・
詳しくは当方の学三屋台にて。
(流石に直リンで貼り付ける勇気はないですハイ)
しかしえーもん読ませて頂きました。
これでまた1週間頑張れます(*・∀・)=3

簡雍たんは相変わらずグッジョブですけども
助けろよアンタ!!孫乾たんを!!(w

127 名前:教授:2003/01/18(土) 01:24
おまけ ■■その後のその後■■


 簡擁は部屋に戻ると、懐から一本のビデオテープを取り出した。
「これだけは流石に一般公開できないからね〜」
 そう呟くと手早くテープをビデオデッキに挿入する。
 巻戻しをする間に冷蔵庫からカップ酒を取り出す。
 そして…再生ボタンを押した。

法『くぅ…』
簡『お、法正が無防備で寝てるじゃん。部長〜、これを法正に着せてよ』
劉『何? …面白そうなもん持ってるやん。貸してみ』
法『うーん…(何かされてるのは分かるが混濁状態)』
劉『酔いつぶれとるから、楽に着替えさせられるわ』
趙『アトさん…(見つめてる)』
禅『おねーちゃん…(とろんとしてる)』
飛『女同士でいい雰囲気出すんなら、ここ入ってろ!(クローゼットに押し込む)』
禅『狭いよ〜…(←案外素面くさい)』
趙『私が一緒です…だから安心♪(←酔ってる)』
超『くー…(馬岱に抱きついてる)』
岱『すぅ…(馬超に抱きついてる)』
魏『こいつら…何抱き合って寝てんだ…?(酔いが醒めかけてる)』
飛『お前も寝なっ(酒瓶で後頭部を不意打ち)』
魏『くは…(昏倒して倒れこむ)』
飛『…眠たい(一人で大暴れして勝手に玄関で横になる)』
劉『ここ空いてるやん。ウチはここで寝よっ(この際、中身の入った缶や料理の乗った皿をぶちまける)』

「…見せられんよな…帰宅部崩壊につながるわ、コレ」
 真面目にそんな事を言う簡擁は、このテープを肴に暫く愉しんだそうな。

128 名前:惟新:2003/01/18(土) 12:39
>教授様
グゥッジョォブ!!! これは萌える!
今週はイロイロありすぎて気持ちがドロドロでしたが、おかげさまで全部吹き飛びましたよ〜
いや〜簡雍にはぜひ殊勲賞をあげたいですな〜
てか、その後のその後でも語られなかった孫乾タンの運命はいかに(^_^;)

>アサハル様
キタぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(゚∀゚)ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
いかん…ハァハァしすぎて死ぬ…
まだ見てないヤツは今すぐ巡礼し、必ず見ておかれよ!
「隠しがみつかんねぇ」とかって弱音を吐くな! 探せば見つかるっつーか全然隠れてないぞ!

129 名前:アサハル:2003/01/18(土) 20:41
つまり諸悪の根元は全て簡雍と張飛にあり、と・・・
もしや帰宅部最強(最凶)は関羽でも張飛でもなく、
ある意味実は簡雍なんじゃなかろうかと思う今日この頃。

何故か抱き合って寝てる馬ズに萌え〜・・・(*´Д`)

130 名前:アサハル:2003/01/18(土) 20:50
連投スマソです。

>惟新様
やっぱ隠れてないですね(・∀・;
でもああしたのは一応良心ということで・・・

131 名前:★ぐっこ:2003/01/19(日) 00:34
おまえらッ! 今日この日を学三の祭日に指定してアサハル様の義侠心と
萌え心を末永く称える事にするぞッ!
というわけで、1月18日は学三歴内でも「旭記念日」で休日。なぜか
色っぽいイベントがやたら起こるイベント特異日。

というわけで…(;´Д`)ハァハァ…もお――ッ!
法正たんお持ち帰りしてよろしいか。わたくし久々にときめいちゃったよ…

>教授様
なるほど! そう言ういきさつが(;^_^A
簡雍め、案外なキーパーソンと見える…磊落で関羽も孔明も屁とも思ってない
洒脱人だからこそ、こういう役回りが似合うというモノ。
あー、何か今年は萌え年だなあ…

132 名前:教授:2003/01/19(日) 01:29
反響がよくて嬉しい限りです。もー…恐縮。
アサハル様の法正タンと簡擁タンに萌えながら、宴会シリーズ最後のおまけ〜!

おまけ2 ■■ 〜後始末〜 ■■

「うーん…」
 夜も半ばを過ぎて、痛む頭を押さえながら厳顔が上体を起こす。
 横には一升瓶を抱えて眠る黄忠がいた。
 何故か体操服姿なのが妙に気になる。
「酔いつぶれて寝てしまったか…それにしても…」
 自分の姿を見ながら苦笑い。
 Tシャツに単パン、しかも酒をかぶったのだろう濡れている。
 微妙に透けているのが重要事項なのだが、これについては敢えて触れない。
 ちらりと顔を上げてみると、ぐったりしている物体が見えた。
「あれは…孫乾…か?」
 痛む頭を推して孫乾の様子を見に行く。
 頭に殴られたような痕と、背中を踏まれたのだろう足跡。
 更には酒浸しになっており、全身ずぶ濡れだった。
「これは…一体…」
 さっぱり状況が掴めない厳顔。
 不意に視線を感じ、向き直る。
「………」
 宴会場の出入り口に不自然なファインダー。
 思わず閉口して見つめてしまう。
 と、ファインダーが引っ込む。
「だ、誰!?」
 我に返った厳顔が追いかけるが、時既に遅し。
 撮影を敢行していた人物はもう影も形もなかった。
「くそっ! 逃げられたか!」
 悔しそうに地団太を踏む。
 一頻り悔しがると、思い出したかのように宴会場に飛びこむ。
「孫乾忘れてた! 大丈夫か!」
 ちなみに厳顔は自分でやった事に全く気付いていない…。


「へへー…いいもん撮れた撮れた♪」
 簡擁はほくほく顔で法正の部屋に向かう。
 全員が寝静まった事を確認してから撮影に向かったのだ。
 そして何食わぬ顔で部屋に入ると、そのまま床に就いた…。


 余談だが、孫乾は暫くの間黄忠と厳顔に怯えていた。
 当人達は何故怯えられるのか分からず、困っていた。
 事情を知る者達も頑なに口を閉ざしていた。
 真実を知る簡擁はしれっとしていた…。

133 名前:★ぐっこ:2003/01/19(日) 20:54
(;´Д`)…。
孫乾たんカワイソウ…ていうか厳顔も黄忠も覚えてないのね…
それにしても簡雍は要領がいいというか抜け目がないと言うか。
しかしお嬢ちゃんの麋竺が、三羽ガラスの中では一番要領いいのかも。

134 名前:アサハル:2003/01/19(日) 22:22
す、すげえ・・・最凶のジャーナリストだ簡雍・・・
それでも憎まれないんだからすごいキャラだ。
下手したら本当に帰宅部崩壊しかねないのに(;゚∀゚)
ていうか生きててよかった、孫乾たん・・・

>ぐっこ様
お持ち帰り上等ッス!
ってゆかこれは1月18日には何か色気な絵を描けと暗に命じて
いらっしゃるのですね?ええい臨むところよー!!(待て)
むしろ絵しか描けませんから(苦笑)、こういうところで
貢献させて頂ければ至福であります!!

135 名前:郭攸長若:2003/01/19(日) 22:56
 ■また一つの勇気■
「以上で報告を終わります・・・」
「は〜い、下がっていいわよ〜♪ じゃあ次の人〜?」
董卓によって、新たに雍州校区に設置された生徒会室。
彼女はこの場所で、学園に関するあらゆる事柄を報告させるようにしていた。
報告を行うのは、生徒会役員だけに限ったことではない。
本来は董卓の傘下ではない蒼天承認委員会や全校評議会も、何かあれば真っ先に董卓へ報告することになっていた。
この時、それほどまでに董卓の権力は強大化していたのである。

「失礼します」
生徒会室の扉がノックされ、また次の報告を行う女生徒が入ってきた。
「あっら〜、義真ちゃんじゃな〜い!?」
子悪魔・・・いや、ある種悪魔のような、人を見下した笑みを浮かべて、董卓は女生徒を字で呼んだ。
彼女の名は皇甫嵩義真、黄巾事件の殊勲者であり、董卓とは幼い頃からのライバル関係にある。
そんな彼女でさえも、董卓の権力がここまで強大化した現在では、その傘下に加わらざるをえなかった。
いや、最早学園の組織内で、董卓の権力の届かぬ所など存在しないのだが・・・。
「久しぶりだな、『会長』?」
学園の誰もが恐れる存在である董卓を前にしてなお、皇甫嵩の表情には余裕さえ感じられた。
そして董卓にはそれが、大変不愉快なことだったらしい。
「ふふっ、義真ちゃんはこの卓ちゃんが怖くないのかしら? お星様は卓ちゃんの望みなら、何だって叶えてくれちゃうのよ♪」
そう言う董卓の顔から笑みは消えていた。
代わりに、えもいわれぬ不気味な威圧感が皇甫嵩に向けられている。
そんな董卓の感情の変化を感じながら、皇甫嵩は答えた。
「会長は全校生徒の信頼を受け、生徒会を一手に支えておられるのです。そんな会長の何を怖がる事がありましょう」
凛とした表情を一切崩すことなく、へりくだった態度を見せる皇甫嵩。
これにはさすがの董卓も驚かずにはいられなかった。
そんな董卓をよそに、皇甫嵩は続けた。
「ただもし・・・会長が校則を乱用して権力を振り回すような事があれば、全校生徒は皆怯えることになるでしょう。そうなったら、怯えるのは私一人に限ったことではありません」
皇甫嵩は董卓のもとに歩み寄ると、机の上に報告書を置いた。
「報告書、確かにお渡ししました」
そう告げて皇甫嵩は会長室を去ろうとした。
そして彼女がドアに手を掛けた瞬間、呆然と沈黙していた董卓が口を開いた。
「待って、義真ちゃん!!!」
董卓は焦った様子で皇甫嵩のもとに近づき、彼女の手を取って言った。
「今日は〜・・・卓ちゃん、義真ちゃんに負けちゃったみたい♪」
そう言う董卓の顔には心からの笑みが、そして皇甫嵩の顔にも笑みが浮かんでいた。

だがこの時の皇甫嵩の心中、それを知る者は彼女自身しかいなかった・・・。

136 名前:郭攸長若:2003/01/19(日) 23:23
またも「せっていすと〜り〜」です。
もうちっと早く書き終えるつもりだったんですが書き出しやらなんやらで意外と時間かかりました。
学園設定の方に脱線してたりするし・・・(爆)

まずは今回のお話を書くに辺り、学三正史よりjapan様の「連環の計」及びアサハル様の設定画を参考にさせて頂きました。
japan様の「連環の計」は董卓像を書く上で大変参考になりました。
というより、台詞一部パクってます(爆)
アサハル様の設定画には、私、PCの前で拝礼を行いました(マテ
私の文章なんぞに萌えて下さったことをまことに嬉しく思いまする。

そして今更ながら、前回の拙文に対し私の身にあまる賛美を下さった皆様に感謝m(__)m
そろそろ「せっていすと〜り〜」は止めて普通に投稿させて頂こうかしらw

また遅ればせながらレスを・・・。
>教授様
激しくワラタ箇所が多すぎて挙げ切れませぬ!
とりあえず最初に笑わせて頂いたのは、「クローゼットを開ければ中から趙雲と劉禅が出てきた」です^^
>アサハル様
簡雍たん・・・萌えすぎて吹きました(笑)
法正たん・・・萌えすぎて泣きました(爆)
いや、美味しいもの食べて泣く事はよくあるんですがさすがにこれは初めての経験ですw

137 名前:岡本:2003/01/20(月) 02:50
郭攸長若様への支援砲撃のつもりでしたが、誤射してしまったかもしれません。
ご一読ください。

■中天の星々(1)■
蒼天学園暦 29年度 3月
何進の失脚、菫卓の騒乱、旧菫卓四天王の乱入等、蒼天学園蒼天会および生徒会は度重なる政変で権威を失墜、学園の総括は不可能となり、中華市は群雄割拠の様を示していた。それでも残された生徒会の役員たちは、旧菫卓四天王の支配下で蒼天会の位置する長安棟周辺の安寧を求めて苦慮し続けていた。

ばたばたばたばた、バンッ。
暫定生徒会会長として、執務に当たっている皇甫嵩の部屋の扉が勢いよく開かれた。
「何事だ、騒々しい。」
内心、いつ来るかと時間を読んでいたところであった。10名ほど、執行部の腕章をつけた生徒達が飛び込んでくるや入り口付近を固める。と、入り口の両側に列をつくり、巫女装束に身を固めた女生徒がその間をしずしずと通って皇甫嵩の目の前に現れた。李傕だ。
一礼して口を開く。
「会長、凶事が生じたのでございます。」
オカルトに凝っている李傕は、適当な自然現象に託けていろいろ生徒会や蒼天会に無理難題を言ってきている。今回もその例にもれまい。だが、護衛が多すぎる。
「なるほど。で、その凶事とは?」
取り敢えず聞くだけは聞いてみようと皇甫嵩は呼び水を向ける。
「昨晩深更、長安棟を掠めて隕石が落下したのです。これは地の不安定を早急に正せ、という天の催促の相違ありません。」
「それではその不安定を正せばよいということになるわね」
得たり、と李傕の顔が緩むのが分かった。
「この長安棟にて不安定なもの、それは私めの如き非才には思いもよりませぬ。」
オーバーアクションでよよ、と片袖で顔を覆ってみせる。
「ただ1つ、選挙で正式に定まることなく暫定の生徒会長をおいたことを除いては。」
落としどころはやはりそこか。
旧菫卓四天王たちは生徒会を少しでも早く牛耳りたかったのだが、生徒会を担うには彼女らでは何れも貫目にかける。また、利害関係でいがみ合う以上誰を頭にしても角が立つ。ましてや反菫卓勢力を総じて敵に廻すわけにも行かないので(いまさらという気もするが)生徒会会長を彼女らのうちから立てるわけには行かない。そこで皇甫嵩に白羽の矢が立った。涼州校区の名門である皇甫嵩は、劉宏が蒼天会会長であった時から各地での騒乱鎮圧に功をなし、対菫卓の最有力対抗馬と見做されていたものの、生徒会に対する反抗の意志は露ほども見せたことが無かった。彼女を暫定として生徒会会長に立てることは対外への宣伝効果にはもってこいだった。
が、長安棟近辺の不満をそれなりに抑え、基盤が固まり始めると形式とはいえ自分たちの上の存在は厄介になる。馬騰・韓遂の連合軍を撃退したこともあり最早、近隣に恐れるべき強敵はいない。四天王内の勢力争いに本格的に入る前に、お飾りの厄介者は降ろしておきたいのだろう。自ら暫定生徒会会長に建てた立場上、武力闘争で座を追うのは外聞が悪い。都合のいい口実が欲しかったのだ。前暫定生徒会会長の王允を蒼天会本部に押しかけて身柄を確保した上階級章の強制剥奪に及んだ以上、評判は地に落ちているにもかかわらず何とかなると考えているあたりが猿知恵だ。
しかし、隕石が降ったからとは...。もっとましな口実は無かったのか。
「先輩の卒業も間近です。私めは、先輩にも蒼天会にも良かれと思い愚考した次第。これまで生徒会を守って来られた先輩が晩節を汚す可能性を看過するわけには参りません。ここは、会長職を引退された上、恙無く卒業されることが望ましいかと。」
仰々しく巫女衣装の袖を合わせて一礼するが、抜け目のなさそうな視線が上目使いに向いている。ややこしいことになれば後ろに控えている体育科学生へいつでも合図を送る気である。常設執行官の最高位である車騎主将を務めた身だ。当然の対策だろう。
・・・猿芝居に付き合うのもこれまでだな・・・。
「了承した。」
「はっ?」
あっさり、承諾の返事が返ってきたことに拍子抜けしたのか目を丸くする。
「そもそも、暫定ということで着いていたのだ。元に戻るだけだろう。委任状はここにある。持っていくがいい。」
階級章自体には権力は付随しない。生徒会会長という地位から追ってしまえばもう恐れることは無いのだ。後1週間もしないで今年度の卒業式が行われる。皇甫嵩は来年度から大学部で学ぶよう手続きを済ませていたため、ほおって置けば今年度末に自動的にデータ・ベース上で課外活動終了の処理がなされる。階級章を奪うまでも無い。誰も、皇甫嵩の止めを刺したとして、これ以上学園生の反発を買いたくない。李傕の用件はすんだのだ。
「いや、学園を正すことに第一義をおかれる。まさに“成徳の名将”でございますね。
卒業式におきましては僭越ながら私めが、先輩の階級章をお受け取りいたします。」
愛想よく、それではごきげんよろしゅうと仰々しく一礼した上で退室する。

皇甫嵩は“聖徳の名将”と評されていたが、それは買いかぶりと思っていた。中華学園都市の中央、司州校区に鎮座する蒼天会とその実務機関たる生徒会。そこを自分の居場所と見定めていた。生徒会執行部“十常侍”の暗躍で沈没寸前とは言え沈む船から逃げられるねずみではない。いわば、船と身を共にする犬、生徒会の定める蒼天学園の安寧を妨げる外敵を狩る猟犬だ。
自らの立つ大地を支える柱が根腐れを起こしているからといって、切り倒すことはできなかった。大地を支える巨人アトラスにはなれない以上、切り倒すことは自らの破滅を意味するからだ。巨人以外にも大地を支えることができるものはいる。ギリシャ神話にてアトラスと1日代わって大地を支えた英雄・ヘラクレス。だが、生徒会の猟犬に過ぎない自分は巨人にも、英雄にもなれない。

黄巾事件の鎮圧の最中、卓抜な活躍を示した一人の騎隊長がこんなことを言っていた。
『蒼天学園を導くということは、生徒会会長にとってかわること、ましてや蒼天会会長にとってかわることとイコールじゃありません。中華市全学生の学園生活を支える生徒会を”創りあげる“ことです。』
『それは生徒会を作り変えるということなのか?』
『場合によっては。既存の統治形態に取って代わるだけで学園を導けると考えているこの争乱は失敗以外ありえません。』
漠然と感じてはいたが言葉にするほどには考えが及ばなかったことをあっさり言ってのけたこの後輩に恐れに似た感情を覚えた記憶がある。彼女が“治世の能臣、乱世の姦雄”と評された人物と聞いて頷いたものだった。

138 名前:岡本:2003/01/20(月) 02:54
■中天の星々(2)■

皇甫嵩こそが英雄と断じ、生徒会に成り代わって学園を導くようと進言した娘がいた。彼女・閻忠も、自分なりに蒼天学園の行く末を案じた上の進言だった。学園内で声望高い皇甫嵩が生徒会会長ひいては蒼天会会長に立てば学園に平安を取り戻すことができると信じていたのだ。が、皇甫嵩は、自らが立つ気が無かったことに加えて、仮にたったとしても生徒会を創りかえる方向性が把握できない以上蒼天学園を支え平安を取り戻すことはできないという気がしていたため、閻忠の進言を入れなかった。結局、閻忠は皇甫嵩自身によって追われた王国に首魁として担ぎ出されたが、自らの理想と現実のギャップに耐え切れず自己返済するに及んだ。

実際、専ら己の欲望に引きずられていたとは言うものの現生徒会へ不信感をいだき、学園のトップに立つことが学園を導くことだと考えていたものは多くいた。
涼州校区にて反旗を翻した王国、
徐州校区下邳棟で新蒼天会会長を自称した闕宣、
そして最たるは菫卓。
各騒乱の鎮圧では様々な不手際を示し、常に皇甫嵩の風下にいた菫卓は、生徒会会長就任後、彼女を呼び出した。
『うふ〜。卓ちゃんの方が凄いって義真ちゃんにも分かったでしょ〜。』
『あなたがここまでくるとは正直思いもよらなかったわ。』
『卓ちゃんは前から凄かったのよぉ〜。義真ちゃんが知らなかっただけだよぉ。』
『昔は、2人とも虎だったが、今あなたが獅子になったということよ。』
半分は本心だった。自ら餌をとる虎に対して、ライオンのオスはハイエナや他の群れのライオンを追い払うが自らは餌をとらない。菫卓は、諸悪の根源であった生徒会執行部員“十常侍”の残余を駆逐し、王允等著名な生徒を役員として抜擢、生徒会の運営を自分の恣意に反しない範囲で活動させた。自分には“十常侍”を処断する決心は付かなかったし蒼天会や生徒会役員を利用しようという考えも起こらなかった。結局菫卓は、生徒会に寄生することで残された余力を食いつぶした。
そしてその獅子、いや餓狼の食べカスを4頭のハイエナが争っている。自分が奪おうとしている舞台は、最早自力で立つこともできない状況にあることを理解しようとしていない。自分が舞う機会を作ってくれた舞台が倒れるのを見るに偲びないという理由で、倒壊確実の柱を支え続けている皇甫嵩も、蒼天会や生徒会の幻想から逃れられない点では彼女らとかわりない。

生徒会会長辞任に付属する様々な事務手続きを済ませていると、朱儁や楊彪が押しかけてきた。李傕の暴挙に悲憤慷慨する彼女らに皇甫嵩は心に期していたことを告げる。
「幕を下ろすべきときがきたのよ。もとより地位に執着していたわけじゃなく、蒼天学園の安寧を願い戦ってきた。その点では人後に落ちるつもりはない。李カクの如き小人に最後までいいようにされる気はないわ。連中の暴挙を認めたわけではないことをこの身で
示す。」
「義真、まさか…。」
皇甫嵩と共に幾多の騒乱を潜り抜けてきた朱儁には彼女の思案が読み取れた。
「あなた一人だけ逝かせる訳に行かないでしょう!私も...。」
「駄目よ。」
ピシャリと朱儁の口を封ずる。
「一人なら、あの連中も意味を深くは考えないでしょう。」
「だからといって、黙って耐えられるか...。」
「ここで全員が軽挙妄動して、劉協会長にご迷惑をかけるわけにはいかないのよ。」
彼女らをなだめているうちに時間が流れ、学生寮についたのは夜遅くになってしまった。
休むことなく机に向かうと封筒を取り出し、宛先をしたためる。
中華研究学園都市 蒼天学園事務部学生課 御中
便箋を一葉抜き、ペンを走らせる。修辞とは縁のない用件は一行で事足りた。
− 一身上の理由により、課外活動の終了を申請いたします。−
胸の階級章を取り、折った便箋と共に封筒へ収め、口を閉じる。
上着を羽織って、封筒片手に外へでる。今夜は冷え込みそうだ。

寮の外は春先で寒かった。加えて深夜ということもあり、明かりのついている寮も少なくしんと静まり返っている。
カタン、パサッ
ポストに投函するだけの作業だ。だが静寂の中、封筒の落ちる音は想像以上に耳に響いた。
ふと、頬に眦から毀れた温かいものが伝うのを感じる。
「未練など、とうに振り切ったものと思っていたが…。」
ピッと、頬に伝う液体を指でぬぐい上を向く。満天の星空だ。13校区の上に輝く1つ1つの星は、混乱期の今まさに勢力拡大を推し進める各地の群雄のようだ。その中には、将来の生徒会を担うものと嘱望されたものの、何進政権崩壊後の菫卓の横暴から現生徒会での立身を断念し、菫卓に抗った者たちがいる。彼女らは自分と違い、蒼天会の伝統という呪縛に過度に捕らわれてはいない。忘恩の徒と評されようと彼女らなりに学園を導こうとする活気が今は必要とされているのだ。大地を支えることができるものは巨人か英雄。
河北の巨人、汝南の巨人、兗州の英雄。

・・・袁紹、袁術、曹操・・・この学園のこと、頼むわね・・・。

中天にて他を圧倒せんと輝きを競う数多の星々にともすればかき消されそうではあるが、長安棟を守護するかのごとくその上に確かに蒼く瞬いていた数個の星。その1つが今、堕ちた・・・。

139 名前:岡本:2003/01/20(月) 02:58
>教授様、アサハル様
正に、一服の清涼剤!!
堅い文章しか書けなくなっている私には甘露ですね。

>郭攸長若様、惟新様
お2人の作品に触発されて書いて見ましたが、お邪魔なだけ
だったかもしれません。参考になれば幸いです。

140 名前:惟新:2003/01/20(月) 19:15
>教授様
おまけ2とは…ありがたい!
うはぁ〜またもや艶やかな! 憐れ孫乾、悲惨な姿に(^_^;)
でもって簡雍また沸いて出たか(w
いいキャラですわ、簡雍タン…

>郭攸長若様
伝説は終わらない! 皇甫嵩第二弾!!
身の毛のよだつような董卓と、カコイイ皇甫嵩タンの対比がいいですね〜!
>そろそろ「せっていすと〜り〜」は止めて普通に投稿
お待ちしてます〜!

>岡本様
援護射撃キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!
心底ありがたいっす!! ぜひ参考にさせていただきます〜
これほどの名作にストーリー上で続くのが私の駄文というのが申し訳ないですが(^_^;)
やっぱり皇甫嵩ほどの大人物にはこうした花道を用意すべきですね〜
私ナンゾガテケトーニ挿入センデヨカタヨ…
にしても…やっぱカッコいいわ、義真タン…

141 名前:惟新:2003/01/20(月) 19:59
>ぐっこ様
>アサハル様
>「旭記念日」
これは確実に祭りになりますね。
では、我らの責務として当日もしくは翌日の朝までに我らが聖地「南北本命テイクオフ」神宮を訪れる「旭詣」をいたしましょう。
可能な者は旭姫にご挨拶すること。挨拶では三村つっこみ必須(マジかよ
さらに可能ならばご供物を捧げ、それがSSならば事前にしょーとれんじすと〜り〜スレッドに奉納、神のご降臨を待つこと。

…いや、出来ればの話ですよ、挨拶と供物は(^_^;)
それと、向こうの方々にご迷惑をおかけしないようにしましょう(お前が言うなよ

142 名前:★ぐっこ:2003/01/21(火) 00:11
うおっとお! またしても逸作が数々投下されている!
皆々様感謝!

>アサハル様
(;´Д`)ハァハァ…いま小細工考え中…。アレの方はやはり隠しつくって…

>郭攸様、岡本様
そして皇甫嵩! にわかに義真祭ですが(^_^
いずれの作品も非常にイイ! 案外まったりしてる董卓もそうですが、皇甫嵩
にしても通底する意思は他人には読みづらい。
そのなかでも、皇甫嵩は一本の道を守ったのですから…もっとファンが増えて
しかるべき人物ですな…

>惟新様
委細承知。

143 名前:★ぐっこ:2003/01/21(火) 00:14
ていうか、今頃13,16日くらいのメールがパラパラ到着。
惟新様の鍾ヨウたんの続きあり! 諸君ら期待せよ!

144 名前:アサハル:2003/01/21(火) 00:17
皇甫嵩・・・悲しいほど格好良すぎます・・・(つДT)
萌え〜なんて軽々しく言えません・・・
何というか、こういう群雄割拠の時代には合わない人だ・・・

・・・で、岡本様&郭攸長若様に感謝しつつ、また調子に乗ると。
http://homepage2.nifty.com/radiance/g3/post.jpg target=_blank>http://homepage2.nifty.com/radiance/g3/post.jpg

>惟新様
あにょ〜・・・
何かこう・・・こそばゆいんですが・・・(;・∀・)

145 名前:教授:2003/01/21(火) 02:34
>郭攸長若様

内に秘めた熱き孤高の魂…皇甫嵩をここまでかっこよく書かれるとは…。
正に見事としか言いようがないです。
皇甫嵩のイメージが更にグレードアップされました!

>岡本様

皇甫嵩…感動しました!
一行の短い手紙と涙…それだけでも彼女の心情がひしひしと伝わってきました!
真面目なお話を書ける事は素晴らしい事だと思います。
私はあんまり文章上手くないので、文章構成や創造力に驚くばかりです。
岡本様や郭攸長若様を見習って修行に励もう…。

146 名前:惟新:2003/01/21(火) 19:50
>ぐっこ様
あ〜今ごろ届きましたか(^_^;)
郵送事故か何かだろうと思い、三月にでも手直しして送り直すつもりでしたが…
届いたのならそれでOKです。年明けでお忙しいでしょうから、
お暇なときにでもよろしくお願いします。分量も前作比二倍以上ですし。

なお、第三部は三月にお届けする予定です。
ひょっとしたらもう一部増えるかもしれませんが。

>アサハル様
まぁその、讃える日ということで(^_^;)

それはそうとして、涙の義真タン! 素晴らしい…
見ているとぐっと来て、引き込まれるような作品ですよ。
こうした情感溢れる作品を生み出されるのは素晴らしいことです。
てかもの凄く羨ましいです…(←人物しか描けない奴

147 名前:教授:2003/01/21(火) 23:11
■■法正と眼鏡と写真■■


「ウチのメガネ知らんか?」
「はい?」
 会議室に入ってきた法正。
 いきなり帰宅部連合総長、劉備にメガネの所在を尋ねられたのだ。
 その劉備は人に尋ねるだけの事はあり、メガネを掛けていない。
 法正の目には主がやたらと新鮮に映っていた。
 メガネを外した劉備を見るのはこれが初めてだったからだ。
 当の劉備はメガネを探して必死な様子。
「メガネって…頭に乗ってるのがそうじゃないんですか?」
 法正は含み笑いをしながら答える。
「へ? あーっ! ホンマや!」
 頭に手を伸ばし、自分のメガネを確認する劉備。
 すちゃっと装備すると、いつものように微笑む。
「おーきにな。まさか、自分の頭に乗っとるなんて思わんかったわ」
「灯台下暗しって言いますし。意外な身近に落とし穴があるんですよね」
 相槌を打つと法正は自分の席に移動する。
 と、自分の席に置いてあるギンガムチェックの包装紙に包まれた小さな箱に気付いた。
 それも、ご丁寧に『法正様専用』と書かれてある。
 訝しげにその箱を凝視する法正。
「部長〜。この箱…何ですか?」
 取りあえず疑って掛かる法正は部屋にいた劉備に尋ねる。
「さあ…ウチが来た時にはもうあったで」
「そうですか…」
 贈り物と思しき正体不明の箱を前に悩む法正。
「これ…開けてもいいのかしら…」
 箱を持ち上げて周囲をチェックしながら呟く。
 重量は軽すぎと言っても過言でない程無かった。
「ま…いっか」
 妥協したのか、包装紙を丁寧に取り除いていく。
 そして本体が露わになった箱のフタを開けると…。
「……は?」
 そこにはメガネがすまし顔で鎮座していた。
 言葉を失う法正。
「なんやったん? …メガネか?」
 劉備が後ろから覗き込んでくる。
 メガネに興味があるのだろうか、法正に了解を取ってそのメガネを掛けた。
「うわっ…なんやコレ…。度が入ってないやん…」
 霞む視界に慌てて自分のメガネを掛け直す劉備。
「度が入ってない? じゃ…伊達メガネなの、これ…」
 伊達メガネと聞いて、ある事を思い出す法正。
 以前、諸葛亮がメガネを掛ける掛けないで話(一方的だった)を持ちかけてきたのだ。
「…………」
 法正は伊達メガネに手を伸ばすと、軽い気持ちで装着した。
 すると次の瞬間、ロッカーがけたたましい音を立てて開き…
「もらった!」
 …の声と、同時に飛び出してきた簡擁がシャッターを切った。
 無論、ファインダーの視点はメガネを掛けた法正。
 びっくりしたような顔の劉備と法正。
 どうやら事態が呑みこめていないようだ。
 それをいい事に簡擁が二度三度とシャッターを切りまくっていた。
 フラッシュを何度か浴びると流石に誰でも我に返る。
「簡擁〜!」

148 名前:岡本:2003/01/21(火) 23:12
>アサハル様
状況が読者の方々にイメージしやすいように雰囲気描写を
意識して書いたつもりでしたが、ここまでイメージを再現してくださるとは。
いや、感激の至りであります。

149 名前:教授:2003/01/21(火) 23:13
「おっと…それじゃ、私はこれで失礼♪」
 法正が歩みよるよりも素早い動きで会議室から脱出する簡擁。
 その神懸り的な動きを見て法正は追い掛ける事を早々に諦めた。
 代わりに劉備の方に向き直り、詰め寄る。
「部長! アレはどういうことなんですか!」
「そないな事言われてもなぁ…。それに写真の一枚や二枚くらいええやん」
「それはそうですけど…って、違います! 部長…ぐるだったんじゃないでしょうね…」
「昔っからアイツの行動パターンはウチにも読めんわ…。こっちかてびっくりしたっちゅーの」
 劉備は胸を押さえて大きく深呼吸する。
 彼女が嘘を吐いてない事は法正にも伝わってくる。
 諦めてため息を吐くと、開きっぱなしのドアを閉める。
「私の写真撮って…何するつもりなんだろ…」
 法正は小首を傾げながら伊達メガネを外した…。



後日

「法正〜見たよ〜」
 馬超がにやにや笑いながら法正の元にやってくる。
「…? 何を?」
「メガネ写真だよ、結構可愛かったじゃん」
「…っ!?」
「いやぁ〜…メガネ掛けるとこんなにも…って、あれ?」
 馬超が続きを言おうとした時には既に法正の姿はなかった。

「簡擁〜!」
 会議室のドアを荒荒しく開く法正。
「騒々しいな」
 中にいたのは諸葛亮ただ一人だけだった。
「簡擁…見なかった?」
「簡擁殿は見てないが…君のメガネ写真は拝見した。やはり想像通り綺麗だったよ」
 諸葛亮は白羽扇を口元に当てて目を細める。
 その言葉に一気に耳まで赤くする法正。
「ちなみに…これがそのネガだ」
 そう言うと、諸葛亮は懐からネガを取り出した。
「あーっ! 何で持ってるのよ!」
「私が簡擁殿に依頼したのだ。喜んで引きうけてくれたよ」
 淡々と口にするとネガを法正に投げて寄越す。
「やはり君にはメガネが似合う。私のプレゼントした伊達メガネ…大事にしてほしい」
 ぽんと法正の肩を叩くと、そのまま会議室を後にする諸葛亮。
「…やられた」
 がくりと膝を落とす法正、完全敗北だった。
 これから後、法正は諸葛亮と簡擁の動きを注意深く観察するようになったのは言うまでもない。
 今回の主役、伊達メガネは…と言うと…。

飛「なあなあ、コレどうよ」
劉「…アンタが掛けると微妙やなぁ…」
飛「なんでだよ!」
劉「アンタには宴会用の鼻メガネの方が似合ってるわ」
飛「なにをーっ!」
 張飛の元へ嫁いでいたとさ。

150 名前:教授:2003/01/21(火) 23:15
あとがき

皆様が真面目で心が熱くなるようなSSを書いてるのに…何書いてんだろ、私。
元はアサハル様の萌えイラストから来てます。パクリと言われればそれまでです。
こんなSSばかり書いてる私って…。(;_;)

151 名前:左平(仮名):2003/01/21(火) 23:50
>教授さん
ご謙遜を。面白いですよ。笑いながら拝見しました。

作品数が多いので、全部はまだ見てないのですが…。皆さん、これほどのものが書けるのですから、他のジャンルも、ぜひ!

152 名前:惟新:2003/01/22(水) 00:48
>教授様
簡雍タンは果てしなく神出鬼没ですね(^_^;)
つーかおのれ諸葛亮、やってくれる!
この孔明タンなら
「法正が性格キツいって? ふ、むしろ萌えポイントだ!」
とか言ってのけそう…
で、簡雍。ある意味三國一の豪傑(^_^;)
個人的に蜀では一番おいしいキャラだと思ってたり…

>左平(仮名)様
そのとおりです!
というわけで、ぜひがんばってみましょうよ、教授様!

…と偉そうに言ってしまいましたが、私の方では
萌えSSを書くと途中で暴走してしまいそうで、自粛してたり(^_^;)
なかなか新境地は遠いですなぁ…

153 名前:アサハル:2003/01/22(水) 01:14
やっぱ強えわ、簡雍((( ;゚Д゚)))
つかずっとロッカーの中に入ってたのね・・・
更にプラス諸葛亮の最凶コンボ・・・絶対敵に回したくねー!
個人的に最後の劉備と張飛のやりとりに爆笑しました。
鼻眼鏡てアンタ。

で、前々から法正は好きだったんですけども、最近
めちゃめちゃかわいく見えてしょうがないっす(*´△`*)

154 名前:玉川雄一:2003/01/22(水) 01:16
とりあえず、憲和タンの株が上がってきているようなので。

パシャッ    パシャッ
    パシャッ
.       ∧_∧ パシャッ   
 パシャッ (   )】     ←簡雍
.      /  /┘   パシャッ.    
     ノ ̄ゝ

155 名前:★ぐっこ:2003/01/23(木) 00:06
↑ワロタ。

そりゃそうと! 教授様最近ナイスなペース! はやいところhtmlに
してしまって(;´Д`)ハァハァしなきゃ! 神の挿絵もあることですし☆( ̄ー ̄)
学三ってのはこういう(;´Д`)ハァハァを求める世界も大切なのですよ! 感謝。
ここんところ法正たんが振り回されっぱなしでワタクシも大好きであります!

156 名前:教授:2003/01/24(金) 00:41
■■帰宅部解散 〜非業の烈女〜■■

「なんで…なんでなんだよ!」
 会議室に轟く怒声と打撃音。
 声色に違わぬ形相の少女は、主であり実の姉でもある少女に詰め寄る。
「劉シンさん、落ちついてください!」
 周りにいた幹部達が怒りの炎に燃え上がる彼女を宥めにかかる。
「うるさい! どけっ!」
 少女は幹部達を押しのけ、姉の前に仁王立ちする。
 彼女の名は劉シン。
 帰宅部の創設者、劉備玄徳の妹だ。
 熱く潔い性格は帰宅部内から益州校区でも有名だった。
 最も、どれほど小さい事でも納得できない事や卑怯な振る舞いを良しとしない厳しい性格は周りから疎遠を呼ぶ事になっていたが。
 その劉シンは今正に怒りの限界点を振り切っていた。
「…禅姉、悪い冗談はよせよ…。降伏? …ははっ、そんなわけないやろ?」
 乾いた笑みを浮かべ、姉――劉禅の肩に手を置く。
 と、劉シンの手に信じられない感覚が伝わった。
「禅姉…、何で震えてるんだよ…」
「…………」
 上目遣いで劉シンを見る劉禅。
 その瞳には、怯えの色が見て取れた。
 ――姉は…自分に怯えている…の?
 そんな思いが過った時だった。
「貴方みたいに威圧するだけじゃ駄目なのよん」
 人を食ったような口調。
 全員が声の主に振り向く。
 そこにいたのは、黄皓であった。
「あんた…か? 禅姉にいらん事吹きこんだんわ!」
 劉シンの怒りは、黄皓に向いた。
 今にも飛びかからんばかりの勢いだ。
 しかし、劉禅の口から劉シンを絶望させるに十分な言葉が飛び出した。
「シンちゃん…恐いから遠く行って…」
「禅…姉…」
 劉シンは愕然とすると同時に体の力が抜けていった。
「禅姉は…この…玄姉や孔明さんや張飛さんや関羽さん達が必死に守ってきた帰宅部を…そんなあっさり放棄するんか…?」
 つぅ…と劉シンの頬を涙が伝う。
 それは鮮烈な赤だった。
 ――血涙を流す程の訴え。
 だが、それが劉禅に伝わる事はなかった。
 劉禅は俯き、妹と顔を合わせないように背け続けていたのだ。
「ほら、部長命令よん。さっさと出て行ってね〜」
 黄皓が劉シンの背をぽんっと押す。
 その顔には勝ち誇ったような嫌らしいものが浮かんでいた。
 その場にいた幹部達も顔を背け、誰一人として劉シンを見ていなかった。
「こんなん…納得できん…」
 震える小さな声、小刻みに揺れる肩。
「…こんな…こんな運命に従うくらいやったら…」
 劉シンは階級章を引き千切る。
「こんなもんいらへん!」

157 名前:教授:2003/01/24(金) 00:45
 轟雷を思わせる叫びと共に、階級章を床に叩きつけた。
 そして、ゆっくりと会議室から出ていく。
「ふん…やっと目の上のコブが消えたね〜」
 黄皓は鼻で笑うと、降伏の準備を進め始めた…。


「玄姉…ごめん…」
 劉シンは自室で荷物をまとめていた。
 悔し涙が頬を伝う、しかし拭おうとはしない。
「合わせる顔なんて…ない…」
 元々少なかった荷物をバッグに詰めこむと、部屋から出る。
 何も言わず寮を後にする。
 途中、友人から呼びとめられたりもしたが…敢えて全てを無視した。
 いつも通っていた道を夜の帳が蒼く暗く染めていく。
 まるで劉シンの内に燃え盛っていた炎を包みこみ…そして鎮めていくようだった。
 ふと、劉シンの足がポストの前で止まった。
「もう…未練なんてない…」
 懐から一通の手紙を取り出す。
 その書面には『退学届』と殴り書かれていた。
 劉シンはそれを何の躊躇いもなくポストに入れる。
 カタン…と無機質な音が耳に残り続ける。
「…ばいばい」
 小さく…重い別れの言葉を呟くと、歩み始めた。
 溢れる涙を拭わず…覇気を失った劉シンの姿は闇の中に消えていった…。


 ――劉シンがいなくなった翌日。
 帰宅部は最後の日を迎えた――。



■あとがき 

 いつもの萌え路線から一変、シリアスものです。
 結論、慣れないモノは書くもんじゃない…。

158 名前:郭攸長若:2003/01/25(土) 11:56
久々にまた〜りとPC・・・そして皆様へのレスw
>岡本様
支援砲撃されたはずなのに私に直撃しております!(爆)
卓越した比喩的表現、設定を追いながら「しょ〜とすと〜り〜」として読ませる文章と独自のストーリー性、感服いたしましたm(__)m

>アサハル様
感動は最早言うに及ばず。
あえて言います、(義真たんの)服が萌え!(マテ

>教授様
>法正と眼鏡と写真
半ば帰宅部内でストーキングされてるような法正たん万歳w
>帰宅部解散 〜非業の烈女〜
短いストーリーの中に、各々のキャラがよく表現されてますね。
ほとんど言葉を発しない劉禅の表現が好きです。

159 名前:アサハル:2003/01/26(日) 20:41
りゅ、劉[言甚]たん…・゚・(つДT゚)・゚・
思えば退学以外に何かしら手段を思いつかなかったんでしょうか…
黄皓のキャラがハマりすぎてナイスっす。そら司馬昭もキレるわ。

160 名前:★ぐっこ:2003/01/26(日) 22:15
貰い泣き・゚・(ノД`)・゚・ つうかマジに黄皓たそがムカツク!
子上たん、やっちゃってください!
劉禅も劉禅だ…(T.T) [言焦]周たんをはじめ、「理性的降伏論者」
と「ヘタレ降伏論者」双方のプッシュがあったからでしょうけど…

161 名前:教授:2003/01/28(火) 00:43
黄皓に関してはとことん憎たらしいタイプを追及してみました。
正直、黄皓の扱いはどうしようかと悩みました。
しかし後漢末にもこういう汚れを担うキャラは必要かなーっと偏った独断と偏見でこんな風になっちゃいました。

劉シンについて。
アサハルさんのご指摘通り、退学以外の手段もあったと思います。
しかし、姉の期待を裏切った事に対する申し訳なさと後ろめたさ。
そして自分の愛した帰宅部連合の崩壊を見たくなかったのでしょう。
史上では自害してるし、自主退学が妥当かなと思いました。
これに関するレスを頂けましたら幸いです。

162 名前:彩鳳:2003/01/28(火) 21:26
 劉[言甚]の最期については、最期が凄絶なだけに自主退学も
止む無しと思います。(−−;
 大きな王朝が滅びる時は、彼女の様な人が居るものですし・・・
(郤正や司馬孚の様に、最後まで君主に尽くした人も居ますが。)

 黄皓・・・この時は、自分自身がああなるとは夢にも思わなかったのでしょうが・・・
 まぁ、董允や費イがいなくなってからは好き放題やった事でしょうし、
袁術じゃないけど因果応報って事で(^^;
 (これはこれでよくあるパターンだと思いますが)

163 名前:アサハル:2003/01/31(金) 01:33
ごめんなさい…自分のレスの2行目の主語抜けてますわ…凹

退学以外の…ってゆか、史実の劉[言甚]もそーなんですけども、
なんかこう、一家心中なり自主退学なり、玉砕みたいな手段しか
彼女は取れなかった、思いつかなかったのかなあ、と。
何か、それが惜しいなあ…と思った訳であります。うるり。

164 名前:教授:2003/02/08(土) 00:41
復活。リハビリ程度に描いた拙いSSです。

■■ 平和な会議室 ■■


「はぁ〜…平和ねぇ…」
 孫乾はぐぐーっと伸びをしながらそんな事を呟いた。
「まぁ…漢中アスレチック戦が終わった後だし、曹操だって自分のトコの立て直しで手一杯じゃないの?」
 法正がジェンガからパーツを抜きながら返事をする。
「でも長湖部の方は? 荊州棟狙ってるんだろうし…あっ!」
 簡擁は相槌を打ちながらジェンガを崩してしまう。
 法正がニヤリと口元を歪めた。
「その辺りなら関羽さんが睨みを利かせてるでしょうから暫くは問題ないかと」
 湯呑みを片手に御嬢様、麋竺がのほほんと答えた。
 その答えには全員が頷く。
「それにしても、ホント暇ね…」
「ジェンガやる? 憲和って結構弱いし」
 ちらりと簡擁を見て、法正が孫乾を誘う。
 日頃、ストーキングされてる腹いせなのかもしれない。
 当の簡擁は別段気にする風でもなく、デジカメを磨いている。
 その時、物静かに緑茶を傾けていた麋竺が口を開いた。
「…昔話に登場する人達を誰かに当てはめてみる…というのはどうかしら」
「「「それだ」」」
 瞬間的に他の三人の言葉が重なった。
 麋竺は顔色を変えずに更に口を開く。
「例えば…孫悟空=張飛さん等…ですね」
 ある意味、本人に失礼な発言に三人が吹き出す。
「なーるほどね♪ そういうのだったら…金角と銀角は黄忠さんと厳顔さんで決まりね。年増コンビだし、ピッタリだもん」
 簡擁が楽しそうに問題発言。
「それなら、三蔵法師は部長でしょ…ブタとカッパは?」
 法正が唇に指を当てながら考え込む。
「ブタさんは関羽さん…カッパさんは趙雲さんでどうですか?」
 本人に聞かれると殺されそうな発言をする麋竺。
「関羽さんはかぐや姫って感じがするわ。じゃ、牛魔王とその嫁さんは?」
 孫乾も便乗しはじめた。
「牛魔王は…孔明さん、嫁さんは馬超さんでよろしいのでは?」
 麋竺の言葉に全員が嫌そうな顔をする。
「そんな魔王…倒せるの? 嫁さんはタカビーでやかましそうだし…」
 法正は苦笑いをしながら素直な感想を口にする。
 そんなこんなで今日も平和な会議が続いていましたとさ。

■■ おまけ ■■

 簡擁は自室に戻ると、懐からカセットテープを取り出す。
 それをデッキに放りこむと、何の躊躇いもなく再生ボタンを押す。
 デッキからは、今日会議室で盛りあがった話が流れ始める。
 そう、簡擁はテープレコーダーを忍ばせていたのだ。
「さぁて…私の声の部分は編集してっと…」
 周到で狡い簡擁は自分の音声部分をカットし始める。
 …このテープが表に出たのかどうかは皆様のご想像にお任せします。

                       end
 

165 名前:アサハル:2003/02/08(土) 23:11
Σ( ̄□ ̄; ぶっちゃけトークが!!
後でどうなっちゃうんでしょう、簡雍以外のメンツ。
特に麋竺、ぽやーんとしてるよーで結構言いますなあ…
しかもまたハマり役だわ帰宅部西遊記!ウケました。

簡雍がジェンガが弱いのは、性格が大雑把だからなのか、
それとも法正が何処を引き抜いても崩れるようにし向けたのか。

166 名前:★ぐっこ:2003/02/09(日) 01:55
うわっははは! 帰宅部連合のメンツもいいなあ…!
なんかホントにサークルのノリで(^_^;)
曹操陣営は生徒会ですので、まさに設定まんまの萌世界〜♥
西遊記もホントそのままだ…。
学芸会とかでやったらはまりそう。

にしても憲和たん、最近無敵な勢い。
憲和>シチュー>お使い
でも場合によってはシチュー>憲和かも。

167 名前:教授:2003/02/10(月) 00:50
■■ 平和な会議室 -長湖部編- ■■


「ふぅ…暇ねぇ…」
 張昭はぐぐーっと伸びをしながらそんな事を呟いた。
「まぁ…赤壁島の戦いが終わった後だし、曹操だって自分のトコの立て直しで手一杯じゃないの?」
 呂蒙がジェンガからパーツを抜きながら返事をする。
「でも帰宅部の方は? 荊州棟返すつもりなさそうだし…あっ!」
 張鉱は相槌を打ちながらジェンガを崩してしまう。
 呂蒙がニヤリと口元を歪めた。
「その辺りなら周喩さんと魯粛さんが結託してやってるみたいだし…問題ないでしょうね」
 コーヒーカップを片手に諸葛謹がのほほんと答えた。
 その答えには全員が頷く。
「それにしても、ホント暇ね…」
「ジェンガやる? 子網って結構弱いし」
 ちらりと張鉱を見て、呂蒙が張昭を誘う。
「…何か仕組みそうだからやめておくわ」
 やんわりと断わる張昭に舌打ちする呂蒙。
 その時、物静かにコーヒーカップを傾けていた諸葛謹が口を開いた。
「…昔話に登場する人達を誰かに当てはめてみる…というのはどうかしら」
「「「それだ」」」
 瞬間的に他の三人の言葉が重なった。
 諸葛謹は顔色を変えずに更に口を開く。
「例えば…桃太郎=周泰さん…等ですね」
 ある意味、本人に失礼な発言に三人が吹き出す。
「なるほどね…。そういうのだったら…サルと犬は甘寧と凌統さんで決まりね。正しく犬猿の仲って事でピッタリだし」
 張昭が楽しそうに問題発言。
「それなら、キジは…太史慈かな?」
 呂蒙が唇に指を当てながら考え込む。
「お供はそんなトコだけど、攫われたお姫様は?」
 本人に聞かれるといぢめられそうな発言をする張鉱。
「お姫様は…周喩さんかな。美人だし」
「でも捕まるようなヘマしそうにないけど…まあ、あくまでも例え話だからいっか」
 呂蒙の言葉に強引に納得する張鉱。
「では鬼役は…?」
 諸葛謹の言葉に全員が顔を見合わせた。
 そして、声が重なる。
『魯粛で決まりね』
 見事にハモった事に4人が大笑いをした。
 そんなこんなで今日も平和な会議が続いていましたとさ。

■■ おまけ ■■

「…な、なんて命知らずな発言を…」
 笑い声が響く会議室の外、全ソウが冷や汗を流しながら聞き耳を立てていた。
「何がだ?」
「え?」
 突然の声に顔を上げて主を確認する。
 そこにいたのは甘寧と魯粛だった。
「な、何でここに…?」
「んー…オレは魯粛の付き添い。魯粛が何か忘れ物したようでさ」
 甘寧が鈴を鳴らしながら平然と答え、魯粛が相槌を打つようにうんうんと頷く。
 そして…甘寧と魯粛が運命の扉を開いた。
 時が止まる――
                       end

168 名前:惟新:2003/02/11(火) 00:19
>■■ 平和な会議室 ■■
堪能いたしますた!
この雰囲気いいなぁ…
教授様にはこの勢いでガシガシいってもらいたいでし!
それにしてもジェンガ、久々に聞きました(^_^;)

>■■ 平和な会議室 -長湖部編- ■■
テンプレ風とは何やら新鮮!
それぞれのキャラ設定もさることながら、
長湖部の不幸人、全[王宗]タンの薄幸ぶりがなんとも(^_^;)
よりによって長湖部を代表する無頼漢コンビが登場するとは…

169 名前:★ぐっこ:2003/02/11(火) 00:34
ワロタ。なんかイロイロできそうですねえ…(^_^;)
文化祭とかで寸劇やってるところが想像できる…(^_^;) 三蔵(周瑜)と悟空(孫策)
というのもいいかも(西遊記編)…

どうでもいい話ですが、桃太郎にお姫様っていましたっけ←本当にどうでもいい…

ところで学三における魯粛・徐庶あたりの戦闘力は相当の
クラスに属するはずで、それだけで萌え。マジ切れした魯粛に、
彼女達が勝てるかどうか…とか。(;´Д`)ハァハァ…
甘寧たんも怖いけど。

170 名前:教授:2003/02/14(金) 00:32
「………」
「………」
 すたすたと廊下を歩く法正。
 その1メートルほど後方から付いて歩く簡擁。
 法正が歩く速度を上げると簡擁も歩幅を広くして付いてくる。
 法制は立ち止まって後ろを振り返る。
 簡擁はカメラを片手にじーっと法正を眺めている。
「憲和…何で後を付けてくるわけ?」
 当然の疑問だった。
 しかも、相当機嫌を損ねている様子である。
「写真撮らせてよ」
 答える簡擁はそれを意にも介しない。
「絶対に嫌。何か企んでるでしょ」
 簡擁に対してひどく警戒心を抱く法正。
 これまでに何度となく恥ずかしい思いをしてきたのだから仕方ないが。
「何か企んでるなんて人聞き悪いなー。企んでたらこんなに露骨な真似しないってば」
「そりゃそうだけど…とにかく何かされちゃ敵わないから断わるわ」
 手をひらひらと振ると法正はまた歩き始めた。
 と、いきなり肩を組まれる。
「うわっ!」
「卒業アルバム用なんだ。協力しろって!」
 その言葉に法正の動きが止まった。
「卒業…アルバム?」
「そ。私も部長も益徳も…それから法正だって卒業じゃん。だから、帰宅部用の卒業アルバム作成♪」
 屈託なく微笑む簡擁。
 いつもと変わらない顔…だけど、今日は何処か違う。
 何かは分からない、でも…嘘は言ってない事だけははっきりと分かった。
「…一枚だけならいいよ」
 法正は苦笑いを浮かべ、ため息を吐く。
「んー…それじゃ、もう少しこっちに寄って…」
 ぐいぐいと組んでいる法正の肩を引き寄せフレーム圏内に入れようとする。
 ちなみにカメラは右手に持っている、自分も写るつもりで撮るようだ。
「ち、ちょ…近すぎ…」
 法正がかあっと頬を朱色に染め上げる。
 簡擁の顔がもう間近にあるのだから気が気でない。
 そっちの趣味は法正には皆無だし、当然経験もある訳が無い。
 いかに法正といえど、こんなシチュエーションに遭遇したのは生まれて初めての事。
 どう対処してよいのか分からず、ただただ頬を赤らめるだけだった。
「よーしっ! 撮るよ!」
 そうこうしている内にシャッターが切られる。
 眩しい光が二人を包んだ。
「ありがとね〜。それじゃ、私はこれで!」
 用事が済むと案外あっさりとしている簡擁。
 さっさと何処かへ行ってしまった。
 その場に残された法正、まだ顔が紅潮している。
「な、なんでドキドキしてるんだろ…」
 何故か高鳴っている心臓に首を大きく振って悩む法正。
「突然だったから…そうよ! 突然だったからびっくりしてるだけなんだ!」
 法正は気をしっかり持ち直したようだ。
「…でも、憲和の髪…いい匂いがした…………って違ーーーーう!!!」
 …そうでもないようだ。
 そして一週間くらい本気で悩み続けた法正でありました。

171 名前:教授:2003/02/14(金) 00:35
タイトル書き忘れてました。

■■ 簡擁と法正 〜時にはこんな日常も〜 ■■

です。
実に申し訳ない…

172 名前:彩鳳:2003/02/14(金) 05:55
>教授様 

 失礼致します。彩鳳と申します。
 
 率直に白状します。読んでいて私まで心拍数が上がってしまいました。(^^;;;
 私もこういうの結構引きずるクチなもので・・・(^^;;;

173 名前:彩鳳:2003/02/14(金) 05:59
 以前書くといっていたSSがどうにか推敲できたので、投稿致します。
 本当は全部完成してから投稿するべきなのでしょうが、大学のパソコン室が
派手に使えなくなり、私がこちらにお邪魔できる機会が減りそうなので、
最初の第一部を・・・(予定では五部構成で、進展次第で多少増減するかも知れません。)

174 名前:彩鳳:2003/02/14(金) 06:14
 ■ 一月の花時雨 ■

 第一部 ―北風の銀華(はな)― 
 

 「う〜んぅぅぅ ・・・」
 
 ・・・寒い・・・真冬の冷気が頬を刺す・・・もう朝だ・・・起きないと・・・
 
 ・・・だけど・・・寒いよ・・・もう少し・・・もう少しだけ・・・このまま・・・
 
 「んううぅぅぅ〜 ・・・」
 
 ・・・それにしても静かだ・・・変だなぁ・・・朝なのに・・・朝なのに鳥の鳴き声が聞こえてこな―――――!!―――もしかし―――

 ズゴン!!

 「いった〜ぁ!」

 目から火花が出る、とは正にこの事だ。彼女が寝ていたのは二段ベッドの下の方。勢い良く跳ね起きた彼女は、ベッドの上の階に頭をぶつけてしまったのだ。

 彼女が痛がるのは無理もない。だが、この姿を見ていたなら誰が思うであろう。痛そうに頭をさするこの少女こそ、この蒼天学園において最大の勢力を誇る新生徒会長・曹操孟徳その人であろうとは。
 
 「おはよう、朝から大丈夫?」

 一部始終を見ていたのであろう、ベッドの上の方の主(あるじ)が苦笑しながも曹操に声を掛けてくる。隻眼のパートナー・夏侯惇だ。
 既に制服に着替えている彼女は小さい棚からティーカップを取り出し、電気ポットのお茶を注いでいる。
  
 「おはよう。今日は早いね〜。いつもは私の方が早いのにね。」
 「別に早くはないよ。私血圧低いし。あんたが遅いだけ。昨日は遅くまで起きてたろ?気配で分かる。」
 「あ、気付いてたの?」
 
 曹操と話しながらも、夏侯惇は作業の手を休めない。
 「はい」と言って出来あがった紅茶と小さなタオルを彼女に差し出した。

 「あ、サンキュー☆」

 曹操は差し出されたティーカップに手を伸ばし、口元へと運ぶ。
 だが、そんな曹操に夏侯惇が待ったを掛ける。

 「孟徳? あんたひょっとして気付いてないの?」
 「?」

 お茶を飲もうとした曹操に待ったを掛けて、夏侯惇はタオルの方に手を伸ばす。
 そして、タオルを掴んだ夏侯惇の手は、そのまま曹操の口元へと伸びた。

 「あ・・・」

 どうやら夏侯惇の意図に気付いたらしく、曹操自身は動かずに大人しくしている。
 一方、「作業」を終えた夏侯惇の顔は、呆れ顔だった。

 「あんたねぇ・・・どんな夢を見たのか知らないけど、このくらい気付いたら? 生徒会長がそれじゃぁみっともないよ。」
 「だってぇ〜いきなり頭が―――あっ!!」

 突然言葉を切って、曹操が窓辺へと駆け寄る。紅茶の事は彼女の頭から消え去ってしまった様だ。(実は夏侯惇の事も。)結露して、濡れた窓に手を伸ばすと、勢い良く窓を開ける。
 
 「あぁ〜っ☆ やっぱりぃ〜!!」

 空一面は灰色の淡い斑模様に彩られ、白銀(しろがね)色の花びらが風に乗って舞い踊る。――見事な雪景色が彼女の眼前に広がっていた。   
 窓から冷たい風が吹き込んでくるが、曹操は「心、ここに在らず」といった様子で気にもしていない。
 
 「ああ、それか。昨日は天気予報で雪になるって言ってたけど、思ったよりも積もってる。このままだと・・・」
 (って、聞いてないか。)

 別に怒ったわけではないが、夏侯惇は溜息を一つ吐(つ)くと部屋の奥へ姿を消した。



 曹操は、外の光景を飽きる事無く見つめていた。空を流れる雲、寒風に舞う雪、真っ白に染まった樹木・・・。
 だが、今やそれらの何一つとして彼女のの目には入っていない。いつの間にか、彼女の目は景色への興味を失っていた。
 ならば、彼女の目には一体何が映っていると言うのか・・・?
  
 曹操は南を向いている。その方向に位置しているのは―――。だが、普段はこの窓から遠望できるカント公園も、[六兄]州校区や豫州校区の校舎群も、この日は雪のカーテンにその姿を覆い隠されていて、その姿を見る事は出来ない。なにしろ、彼女の居る冀州校区の校舎ですら、雪に霞んで見えるのだから。

 しかし、曹操の目には明らかに明確な意思が宿っている。その瞳は遠くを、雪のカーテンの遥か向こうを見ているように感じられる。その様子はまるで、見えない物が見えているかの様な印象すら放っていた。

 (北の袁尚は頑張っているけど、もう生徒会の敵じゃない。烏丸の連中と組んでる様だけど、春までにはカタを付ける。むしろ南の劉表や孫権の方が重要ね。
 孫権は孫策の件があるからまず動かない。地理的要素もあるから今は大目に見るとして、問題は荊州校区の方。
 ま、大黒柱の劉表はもうすぐ引退だからね。あそこには劉備と愉快な仲間達がいるけど、代が替わったら一気に行く。帰宅部の奴らがいくら頑張っても、物量で押しまくれば勝てる筈。いくら質的要素が侮れないとは言ってもね・・・フフ・・・。
 ・・・荊州さえ押さえれば、勝負は決まる。後は―――。)


 ボン!!


 曹操の頭を、柔らかな感触が伝わってゆく。丁寧に畳まれた彼女の制服だ。

 「考え事は良いんだけどさ・・・あんた学校休みたいの?こんなところで風邪ひいたらみんなが困るんだからさ・・・ほら!さっさと着替える!!」

 夏侯惇がボヤくのも無理はない。曹操の格好ときたら起きたままの格好―――パジャマ姿だった。

 「も〜折角考え中だったのに〜・・・元譲の乱暴者ぉ。」
 「折角持ってきたのに、感謝の言葉も無しか・・・。」

 だが、言葉を交わしつつも、曹操は制服を受け取ると部屋の奥へと小走りで駆けてゆく。

 「言っとくけど余り時間が無いから、急いで着替えなよ!」
 「うん、元譲、有難うね!」
 「・・・・・・」

 夏侯惇の予想に反して、曹操の返事は素直な物だった。思わず返事に詰まってしまう。
 
 「やれやれ・・・」

 言葉を返すタイミングを失してしまった。言うべき言葉はある。しかしタイミングが悪い。
 彼女の意図に反して、出てきた言葉は――――。  

 「はぁ・・・・・」と嘆息して、夏侯惇は窓の外へ目を移す。

 「ったく・・・窓くらい閉めていきなって・・・」


 ―第一部 END―

175 名前:彩鳳:2003/02/14(金) 06:19

・・・「銀華」を「はな」と読んだり、結構無茶してます(^^;
 まあ、タイトルもネタが思い浮かばなくてアパートの近くを散歩してたらいきなり思いついた(爆)
というシロモノです。
 幸い実家に帰れたので、これ幸いとばかりにノートに書いておいたのを一気に打ち込みました。
 (しかし作業遅すぎ・・・東の空が凄く綺麗です@滝汗)

>維新様 大変に遅れてすみませぬ。イラストの方は鐘ヨウを攻略次第、投稿致します。

176 名前:アサハル:2003/02/14(金) 15:27
>教授様
ほ、ほ、法正たーーーーん!!(*´□`*)
ああもう可愛いよう…どーしてくれようか。
簡雍たんは実は美少女だから、そりゃドキドキするわ。
そうかあ卒業か…そういえばそんなシーズンですな、今。

関係ないですが帰宅部の他のメンツ、法正以外はカメラ向けたら
喜び勇んでピースしそうな気がします(w

>彩鳳様
天井に頭ぶつけると痛いですよね…(経験者)
しかし曹操、可愛いやら格好良いやら。ギャグのような起き方を
したと思ったら次の瞬間には天下人の顔に…ドリフと乱世の覇王が
同居できるのは彼女ぐらいのモンじゃないでしょーか。(劉備は吉本)
そして夏侯惇。時々存在そのものがボケになる曹操に炸裂する
惇姉の冷静なツッコミ。最強コンビですね!
第1部ということはまだ続編が!た、楽しみです!!

177 名前:★ぐっこ:2003/02/15(土) 00:23
>教授様
相変わらずグッジョブ=b!
法正&簡雍、学三公認のカプールぶりですが、不敵な彼女らも卒業を前に
真摯な寂しさと感傷につつまれるようで…。
法正たんは他人の心をいち早く察する技術に長けてますが、自分の気持ち
には鈍感なタイプと見た(;´Д`)ハァハァ…

>彩鳳様
引き続いてグッジョブ!
曹操たんは、そりゃもの凄い存在! 存在なんですけどスポットを
あてると可愛い女の子に過ぎないと言う…。まさに学園もの大道の
生徒会長ですな〜! 夏侯惇にしろ曹操にしろ、たとえば法正や簡雍あたり
ではまともに会話することも出来ないほどの大物なんですが、こうやって
日常描くと、なんていうか幸せ〜♥
ワタクシも第二部以降おおいに期待するであります!

178 名前:惟新:2003/02/15(土) 00:53
>教授様
うわ〜萌えたっ!
ちょっとしたことですが、それをうまく描かれるのは素晴らしい!

もしよろしければシリーズ化なさっては?
「萌え請負人簡雍」シリーズとかで…(ネーミングセンス無っ!

>彩鳳様
おお! これは…!
第二部以降がいかなる話になるのか激しく気になりますよ(^_^;)
また一つ楽しみが増えました〜!
それにしても巧みな描写をなされますね〜
大期待…!

あ、イラストの件はご自分のペースでどうぞ〜
もちろん燃え上がるほど待ち焦がれていますが(^_^;)
こちらも大期待…!

179 名前:教授:2003/02/15(土) 02:58
>維新様

萌え請負人簡雍…。
個人的に彼女は手足のように扱える優秀な設定の持ち主なので、シリーズ化は必然かな?(爆)
何が起こっても酒とカメラは手放さない簡雍タンを中心にシリーズ続編を頑張りますね。

>アサハル様

元はアサハル様から頂戴いたしました、ウチのトップ絵なんですよ。
あの絵を見てぱっと閃きましてw
文章で法正率が高くなってきてる…挿絵キボンヌ…(銃声)

180 名前:雪月華:2003/02/15(土) 12:24
黄巾の落日 〜張角の夢〜
 殺風景な部屋だった。部屋の西側に窓が一つ。その下にシングルベッドが置かれている。他にあるものといえば、勉強用の書き物机。机の上にはシンプルな作りの電気スタンドが孤独に耐えてたたずんでいる。机の隣には背丈ほどの本棚。西洋の古典音楽関係の書籍が目立つ。それと最低限の教科書と参考書。逆側の壁には服用のスタンドが一つ。蒼天学園の冬服がかけられており、小物入れには黄色いスカーフが一枚、きちんと折りたたまれている。そのほかには何も無い。客用テーブルも、テレビも、鏡すらも無かった。いや、鏡はクローゼットの扉の裏にある。しかしそれも顔を映すのが精一杯の小さなものであった。カーテンも無い。驚くべきことに天井の照明も無かった。
 蒼天学園学生寮の一人部屋。今をときめく学園一のアイドル。張角の部屋である。5月のオペラ愛好会発足後、その天女声(霊波混入)とミステリアスな容姿で着実にファンを増やし、現在、学園でその名を知らぬものはいなくなった。全校生徒の過半数がファンのであると目され、そのうちの半数が親衛隊(古っ)と化している。届けられるファンレターは山を成し、プレゼントの量もまたしかり。張角はその全てを「わずらわしい」という理由で、妹達に処分させている。どうせ「崇高な理念」とやらの軍資金にされているのだろう。張角はそんなものに興味は無かった。部屋が殺風景なのは貧乏のせいではなく、いじめのせいでもない。彼女のスタンスなのである。
 短い悲鳴と共に、眠っていた張角が跳ね起きた。目には涙を浮かべ、呼吸が弾んでいる。
「…ごめん、ママ。でも、私…」
それ以上は言葉が出てこなかった。

見たことのある夢。まだ幼い頃の自分になった夢。私が10歳の頃、交通事故で死んだママの夢。周囲の風景ははっきりしない。でもママの顔だけがはっきりしてて、ママが私にほお擦りして、優しくささやいた。
「いい?あなたの声には人を元気にさせる力があるの。」
「ぱぱもままの『がんばって』ってこえをきくとげんきになるよ?」
「それとはちょっと違うわ。それはそんな気がしているだけ。元気になるきっかけにすぎないのよ。」
「?」
「あなたの声は直接心に響く。それによって心が沸き立つの」
「ふーん。わたしってすごいんだ?」
「いい?あなたが大きくなって、何かを諦めた人や、悲しそうにしている人にあったら、優しく慰めて。『がんばって』と言ってあげればその人はすぐに元気に立ち直るわ。」
「ほんと?」
「ママが嘘ついたことある?でもこれだけは気をつけてね。」
ママの目が真剣になった。
「その声をけんかや人を傷つけることに使っちゃ駄目。他人にそれをやらせるのも駄目よ。いい?」
「うん!」

 その夢を見たのが1月のはじめ。まだ2年生で合唱部に在籍していたとき。その時から声に不思議な力が宿るようになった。そして6月の終わりの今、見た夢も似たような風景だった。だが…。

 ママの目はすごく悲しそうだった。責めているという感じではない。怒っているわけでもなく、押さえつけるように厳しいというわけでもない。ただひたすら悲しそうだった。その目を見て、私は心にえぐられるような痛みを感じた。
 目を背けることができなかった。体を動かそうと思っても何者かにがっちりと握られているように動かせなかった。長い間見つめあい、やがてママが口を開いた。
「かわいそうな子。」
ママの目がいっそう悲しげになった。それを見て心の痛みはさらに大きくなった
「あなたはママとの約束をやぶったわ。無意味に人の心を煽り立てて。今はあなたの学校は傷つけあい、罵り合い、騙しあい、裏切りあう人たちであふれてるのよ。」
ようやく口が動いた。だが、出てきたのはあまりに弱々しい声だった。
「でも…あれは妹達が勝手に…」
「張宝と張梁はやってはいけないことをやったわ。でもあなたはそれを止めることをしなかった。いえ、できたはずなのに、みんなの前で歌うことができなくなることが怖くて、止めなかった。どちらがより悪いのか今のあなたにわからないはずはないでしょ。」
 何も言い返せなかった。うつむくこともできず、悲しげなママの目を見つめ、ただ心の痛みが大きくなっていくのに耐えるしかなかった。不思議なことに涙も出てこない。涙の分も心の痛みに加わっているようだった。
「あなたは近いうちに、死ぬより苦しく、辛い目に会うわ。ママが死ぬときに味わった苦痛の何倍もの痛みと苦しみを。でも逃げるなとは言わない。負けるなともいわない。約束をしても無駄になるならしないほうがいいもの。」
 違う!と叫びたかった。でも声が出てこなかった。心の痛みは今の言葉で耐え切れないほどに大きくなった。胸を抑えようとしても腕が動かない。膝をつきたくても、足が動かない。
 ママとの誓いを守らなかった。その代償として私はママに見捨てられた。その思いが心を冷たく犯し始めた。
「さようなら。生きる道があればそれにのって生きなさい。見つからなければ、ママのところへ来るのもいいわ。でもそれが何を意味するのか、ちゃんと考えてからよ。」
 ママが身を翻して歩き去ってゆく。その姿が次第にはっきりしなくなり、やがて、消えた。

 不意に恐怖が襲ってきた。ママの言っていた死をこえる苦しみとはなんだろう?学園を騒乱に巻き込んだ事件の首謀者としての処罰より苦しいのだろうか?いや、私にとって一番大切なものが失われることを、ママは予言したのではないだろうか?
 はっと気がついた。止めようも無い震えが襲ってきた。私にとって一番大切なこと。それは歌うこと。心の中の声を音楽に乗せ、歌として表現すること。歌うことができなくなる。しかもみんなの前ではおろか自分ひとりのときですら歌えなくなる!
 絶望が全身を覆った。誰かにすがりたかった。しかし今の自分には「同志」はいても「友人」はいなかった。心を開いて話せる「人」はいなかった。心を開いて話せる友。それは自分の歌を黙って聞いてくれる空であり、大地であり、風だった。それが喪われようとしている。
 しかしまだ光は見えた。現実という光だった。張角はパジャマのすそで涙をぬぐってベッドから降りるとクローゼットを開け、この部屋の唯一の鏡に向かった。
 張角は鏡を見るのが好きではなかった。見れば自分の金銀妖瞳がいやでも見える。黒い右目、黄色の左目。両親は共に黒い目だった。
 親衛隊の連中が(;´Д`)ハァハァだとか萌え〜だとか勝手にチャームポイントにしているが、張角は自分の金銀妖瞳が嫌いだった。この目のせいで友人ができなかったといってもいい。誰もが一歩引くのである。それを踏み越えようとする人にはついに出会えなかった。いや、一人いた。名を確か関羽といった。ずば抜けて背が高く、きれいな長い黒髪の佳人だった。今まで出会った人で、彼女だけが自分の金銀妖瞳を直視しても引かなかった。今は生徒会に協力して黄巾党を飛ばして回っているらしい。程遠志を飛ばしたのも彼女という報告だった。このような状況でなければいい友人になれただろうか?いや、金銀妖瞳を理由にして人を避けてきたのは自分ではなかったのか?避けられたのではなく、避けてきたのではないのか?本当は人が怖かったのだろうか?
『夢は夢に過ぎない。気にするほうがどうかしている。』
 鏡の中の黒い左目が嘲る。鏡の中なので実際とは反対の色だ。
『その「力」は1月に見た夢で見についたものだ。今の夢だけが嘘であるという証があるのか?』
 黄色の右目がつぶやく。
「やめて…」
そうつぶやいてクローゼットを閉め、ベッドに戻った。張宝の言葉が思い出された。
(明日は大事な日。黄巾党の逆転をかけての最後の啓発。張曼世が飛ばされつつも、蒼天会長室に極秘でTVケーブルをつないだ。側近の一人を買収してある。タイミングを合わせてチャンネルを変えれば、劉宏は必ず姉貴の虜になる。そうなれば後は思いのままだ。)
 どう考えても悪あがきにしか思えなかった。劉宏はkaiの熱狂的ファンである。そういう人種に自分の声が効果の無いことが、数度の舞台ではっきりしていた。
 眠りに落ちた。もう夢は見れなかった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
どうも。人物設定で引っ込みがつかなくなったので張角タンSSage。
「張角、南華老仙の叱責を受け、太平要術三巻を失う」を学三風にアレンジしてみました。下書き無しで一気に書くとやはり文法に粗が。
この後、最後の舞台で声帯損傷して華陀先生の下へ搬送。絶人のメスで何とか3年後にはしゃべれるようになるものの、病室に乗り込んできた皇甫嵩一統に階級章を剥奪されてしまうんです。

181 名前:★ぐっこ:2003/02/16(日) 12:24
おっとお、雪月花さま、早速の参戦感謝です!

うーん…張角を苛ますのは、幼い日の母の影か〜
彼女にとってトラウマにもなってるわけなんですね…
先天性なのか、後で選ばれたのか、とにかく人の心を無条件に奪ってしまう
いわゆる「天使の声」の持ち主であったために、彼女の思惑を外れて
どんどん事態が悪化してゆくと…
これは…萌だ…
また新しいシチュが浮かんじゃったよ…最後もまた・゚・(ノД`)・゚・

あと、どうでもいいけど張魯たんとは遠い親戚ということで。
キャラ似てますし(神秘系無口っ娘)。

182 名前:ジーク:2003/02/16(日) 15:18
おお…! 雪月花さまはじめまして。
張角キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
うーん…黄巾、良いですねぇ…。
歳後…かわいそうに(T_T)

183 名前:アサハル:2003/02/16(日) 21:21
うああああ・゚・(ノД`)・゚・
「もし自分が絵が描けなくなったら・・・」とか考えちゃいましたよ!
怖いよ痛いよ・・・
続くような形でちょっと小ネタ思いついたんで、ひょっとしたら漫画化
するかもです。(描きかけ溜まってまんがな)

どうでもいいですが速攻でこんなんが思い浮かんだ私は一体
どーすればいいでしょうか。
http://fw-rise.sub.jp/tplts/cho-kouho.jpg target=_blank>http://fw-rise.sub.jp/tplts/cho-kouho.jpg
(死神と翼をもがれた天使のつもりが護衛と姫に・・・)

184 名前:惟新:2003/02/16(日) 22:15
南華老仙の話を見事に学三アレンジ!
素晴らしいですよ〜
重〜い話、それも内面への指向性をもつ話は個人的に大好きでして、楽しく読ませていただきました。

雪月花様の次回作が楽しみ…張遼タン…

>アサハル様
張角を抱く死神皇甫嵩キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!(で合ってますよね?(^_^;)
うわ〜もうめちゃくちゃカッコイイ一枚じゃないですか〜!

185 名前:岡本:2003/02/16(日) 22:16
雪月華様に触発されたSSです。西暦と学園暦の間の時間関係が
怪しくなりますし、版権とかの問題もあるかもしれませんのでこちらに。

■広宗のG・P・M(1)■
ここは豫州校区は鉅鹿棟。その一室で20名ほどの生徒たちが卓に着いて
なにやら話をしている。現在、広宗に展開している張角の妹・地公主将の
張梁が率いる軍団との戦いに備えた生徒会軍の作戦会議中である。波才を
破った皇甫嵩をもってしてもこの軍団を討伐することは難事であった。
数が多いこともあったが、最大の難点は張角の「天使の声」にあった。
張角が肉声で歌えなくなった今でも、オーディオで流される“天使の声”
の威力は健在で、

  蒼き 美空に  影落ちて
  我ら いまこそ 黄を纏え
  時は 来たれり 甲子に
  平和 いや増す 学園に

揃いのT-シャツ、黄色のバンダナ装備の黄巾軍がこの張角の歌う“黄巾の
マーチ”をBGMに意気をあげ、彼女らも歌いながら遮二無二進軍してくるの
である。恐怖以外の何物でもない。
「ウチ、思うんですけど、歌には歌で対抗する、というのはどないでしょう。」
黄巾軍討伐に義勇の徒として参加した劉備新聞部という総員4名の超弱小
サークルの長が発言した。生徒会の役職はおろかまだ、10円玉階級章す
ら得ていないが、黄巾軍の大方(大隊長級)の一人・程遠志をその副官の
茂ともども飛ばし、潁川地区長社棟付近で暴れていた波才の撃破にも功が
あったということで席を与えられていたのである。
「…それは考えはしたんだけどね…。」
その場にいた生徒会軍の指揮官たちが全員、苦笑する。
正規軍だけでも生徒会軍全体の3倍はある黄巾軍はカリスマ歌手・張角の
歌声をその行動力の基幹としている。生徒会軍にもその影響は強く、ひど
いときには耳栓をつけて戦ったこともあるくらいだ。これを断ち切れば黄
巾軍は瓦解する。が、相手は“天使の声”の持ち主だ。これを超える歌い
手は存在しない。だから、これまで生徒会軍は張角の歌声が届かないとこ
ろでの戦いはよく挑み、勝利をしてはいた。が、数が利せてなおかつ大型
オーディオの投入が可能な大会戦は不利と見て挑まなかったのだ。
何とか“天使の声”を封じ、張梁との大会戦に挑む。これが懸案事項であった。
歌には歌で対抗するというのは封じる方法のひとつではある。
決まれば一発で戦いの趨勢が決まるが、外れれば目も当てられない。
まさにハイリスク・ハイリターン。誰もが考えはするが、やろうとし
なかった所以である。
「一人でやろうとするから駄目なんで、皆でやったら何とかなるんとちゃいますぅ?」
“そう単純にいかないと思うけどねぇ…。”
提案こそしなかったが、曹操も真っ先に考えた案であった。だが、難問がある。選曲だ。
誰もが歌いやすく、ノリがよく、知名度が高いというのが軍歌の必須条件だ。
全員が一種の没我状態にならないと意味が無い。それに勢いにのっている相手を揺さぶる
ためには、相手に聴かせる必要がある。それなりの声の持ち主がリーディングで必要だ。
つまり、最初の問題に立ち戻ってしまう。
なまじ本人にも詩や音楽の才能があるため、相手の強さが身にしみて理解できるのだ。
「…あのぉ、ウチらに任してもらえんやろか…。」
言いだしっぺということを超えてこの生徒は食い下がってくる。勝算があるのか?
「何か、考えがあるのでしょう。彼女らに先行させてやらせてみてはどうです?」
曹操の助言もあった。4名を先に出して、とりあえず効果のほどを見ようというのだ。
生徒会軍総指揮官・皇甫嵩は作戦の是否を思案してみる。
成功すれば儲けもの。失敗しても全軍と別に先行させた4名が飛ばされるだけ。
「よし、分かった。明日の会戦に先立って試行してもらおう。」

「関さん、翼徳、憲和。やったで、明日、試してみぃってことになった。」
劉備の帰りをまっていた3名に会議の決定を嬉々として報告する。案が通るか
不安で待ちくたびれていたこともあり、よっしゃぁ、やりぃと張飛と簡雍は歓
声を上げる。作戦案を出した関羽は表には出さなかったが、流石に気を揉んで
いたのだろう、落ち着いた態度は崩さないが安堵の表情が浮かぶ。
「ところで、関さんに出だし頼みたいんやけど…。」
「えー!!姉貴ぃ、オレじゃ駄目なのかぁ?」
やる気満々の張飛が口を出す。
「翼徳、カラオケやろうというんとちゃうんやで。それとも何か、
選曲これやけど、あんたやったら最初っからノリノリで外さんと
いけるんか?!」
「ウゲッ、これでやるんか?うらむぞ、憲和。」
「違う、選んだのは玄徳よ!!」
「確かにこの案を出したは私ですが…。本気ですか、姉者。」
関羽と張飛は選曲として、数曲をあげていた。そこから劉備と簡
雍で選んだのだが…。いや、関羽自身が歌には歌で対抗すると考
えついた時点で最初に頭にうかんだ候補ではあった。
誰もが歌いやすく、ノリがよく、知名度も高いという軍歌に必要
な条件は満たしている。だが、余りも素で歌うにはこっ恥ずかし
い歌なのだ。
“…そういう時だけ私に頼みますか…。”
劉備に策を述べた時点でこうなる覚悟はしていた。ただ、やるには条件がある。
「ひとつ伺いますが、明日はどこで迎え撃ちます?」
もしこの策が当たればやり方次第では殲滅戦にできる可能性がある。
しかし、黄巾軍の中で本当に学園騒乱の責任を取らねばならない人物
は限られている。おそらく劉備は殲滅戦はとらないだろうが、関羽と
してはこの義姉の真意を確認しておきたかった。
「ウチは正面から行くつもりや。失敗しても後ろにおる皇甫嵩先輩に
迷惑はかからへん。それに、深く考えんと勢いで黄巾に参加した連中
はできる限り逃がしてやりたいしなぁ。」
罠を張らず正面から挑むなら黄巾軍の真後ろは空っぽだ。総崩れにな
った際に逃げ切れる数は多い。
“この人に任せて間違いはなかったな…。”
「分かりました、その役承ります。」

「後言っとくけど、2人とも明日この格好して指示通りやってな。」
「かーっ、マジ?!赤っ恥を曝せってか?」
「…毒を喰らわば皿までですか…。」
劉備に指示書を見せられて、天を仰ぐ張飛に額を押さえる関羽。
「さすがにあれはやりすぎなんじゃない?」
肩を落として出て行く二人を心配そうに見ていた簡雍がたしなめ
るが、劉備は気にした様子はない。
「憲和、心配せんでもええって。大丈夫、あの2人いざとなった
らノリノリでやるから。あ、そうそう、あんたにも大事な役ある
からそのつもりでなぁ。」
「…あのね…。」

186 名前:岡本:2003/02/16(日) 22:24
■広宗のG・P・M(2)■


翌朝、広宗の野に、大型スピーカーを通して「天使の声」の張角が歌う黄巾のマーチが流れる。
張梁旗下の黄巾軍団も歌いながら、鉅鹿棟に布陣する生徒会軍向けて進軍を開始する。
先鋒隊が生徒会軍の陣営直前に迫ったとき、彼女らの前に4名の生徒たちが立ちふさがった。
「地公主将様、いかがします?」
「構わん、押しつぶして通れ!!今日こそ、皇甫嵩を飛ばすぞ!!」
おおっと気勢をあげ、再び黄巾のマーチとともに張梁軍は進軍を開始した。
そのときである。
4名の中から、長身を武道着に包み腰に黒鞘の居合刀を帯びた女生徒が黄巾軍の前
に歩み出てきた。腰に余る豊かな黒髪とどことなく憂いを帯びた美貌を持つ佳人と
いっていい面持ちの人物だが、武道着の上からでも途轍もない心身の強靭さを秘め
ているのが見て取れる。
「今や、関さん!!」
何事、と見ていた両軍の目に、女生徒の腰間から放たれた銀の光芒が進軍を続ける
黄巾軍の行く手を断ち切るように一閃されるのが映った。黄巾軍の先頭が度肝を抜
かれて歩みを止める。剣の型を演じ続けるその女生徒の口から湧き出る深みのある
テノールが全ての喧騒を貫いて戦場に響き渡った。

 その心は闇を払う銀の剣

朗々と響き渡る歌声に合わせて、大身の居合刀が銀の光芒を放って翻る。
刀身2尺7寸(82 cm)の美しい刃紋で知られる関の孫六兼定を模した模造刀
で、関羽が“冷艶鋸”と名づけて形稽古に用いているものだ。

  絶望と悲しみの海から生まれでて

四方の敵を何れも一太刀で制する型を示した後、静かに引いた刀を
体の脇に捧げ持つように立てる“陰の構え”で止め、眼前の黄巾軍
を見据える。威圧感十二分である。
“関さん、絶ぇぇっ対、昨日演武の練習しとったな。”
苦笑する劉備に黄巾軍からのざわめきが届く。
「あれは関羽だ!」
「程遠志を飛ばした奴か!」
“黄巾のマーチ”はまだ続いているが、黄巾軍に動揺が走るのが感じ取られた。
関羽の隣に歩み出ていた少林拳の演武着を纏った女生徒が1.8 mはあろうかとい
う棍棒を構える。背は意外に低く童顔だが、全身がバネでできているかのような
逞しさをもっており、長身重厚な関羽にも見劣りしない。関羽のパートが終わる
や間髪をいれず、演武の型と共にソプラノの声が紡がれる。高いが力強さを感じ
させる声は、勇壮な演武にマッチしていた。

 戦友達の作った血の池で
 涙で編んだ鎖を引き

棍棒を瞬時に三節棍に変形させ、目にも留まらぬ勢いで連節棍の演武
を続ける。三節が攻めかかる大蛇の如き動きを見せ、歌に更なる威を
添える。

  悲しみで鍛えられた軍刀を振るう

「こんどは摶ホをやった張飛だ!!」
更なる豪勇の登場に、黄巾軍の動揺が増加する。黄巾軍の進軍は完全に止まった。
「Gun-parade march (突撃行軍歌)で来たか!!」
思わず、曹操がうなる。最近の口コミで話題になっているゲームの歌だ。蒼天学園
でもかなり生徒が知っている。内容上、これ以上うってつけの歌は無い。しかも、
リーディングに起用した人物の声が武道で鍛えたのか深みのある声が非常によく通る。
肉声は電気変換された声に印象においてはるかに勝る。
“これが劉備の勝算だったのか…。”
関・張の間に赤パーカーを羽織り両手に張り扇をぶら下げた劉備が歩み出る。
滑稽な格好だが、眼鏡の奥から黄巾軍を見る真摯な眼差しには2人に劣らぬ
心の強さが感じられる。
どこか長閑ではあるが、けして諦めない強い意志を帯びたアルトが流れる。

 どこかの誰かの未来のために
 地に希望を 天に夢を取り戻そう

両手を大きく広げるや、天地の希望と共に目の前の黄巾軍を胸に抱きしめる
ように交差させる。歌詞自体は確かに甘い、夢を描いたような望みを言って
いる。だが、それを実現するかも知れないという可能性を感じさせる歌声である。
最後は3人の声が、テノール・ソプラノ・アルトが重なる。

 我らは そう 戦うために生まれてきた 

関羽が“冷艶鋸”を沖天の勢いで振り上げるや瞬時に大地を
両断するかの如くに振り下ろして破邪顕正の威を示し、張飛が
全ての敵を薙ぎ倒さんとする三節棍の型を決めて見得を切る。
2人とは対照的に、胸の前で交差させた張り扇を両手で広々と
大文字に掲げた劉備は、降した敵を慰撫する様を示した。
この瞬間、3人の歌声は張角の「天使の声」を凌駕した。
高らかに“黄巾のマーチ”を歌っていた黄巾軍の歌声がついに途絶える。
この好機に3人の後ろについた簡雍が、生徒会軍の方を向いて“せ〜のぉ!”
とばかりに両手を振り上げてメゾ・ソプラノで続ける。

 それは子供の頃に聞いた話
 誰もが笑う御伽噺

威圧されじりじりと後ずさりし始める黄巾軍へ劉備達4人は歩を進める。
再び関羽が、

 でも 私は笑わない
 私は信じられる
 貴女の横顔を見ているから

張飛が、
 
 遥かなる未来への階段を駆け上がる
 貴女の瞳を知っている 

そして簡雍が歌う。
 
 今なら私は信じられる
 貴女の作る未来が見える 

3人が劉備の元に集まり、劉備の差し出す両手をとる。関羽・張飛・簡雍の合唱となった。
 
 貴女の差し出す手を取って
 私も一緒に駆け上がろう

高まった機運に呼応するように生徒会陣営からも歌う声が聞こえてくる。
その声を耳にした劉備が莞爾とばかりに微笑む。劉備たちの進軍に合わ
せて動き始める隊も増えてきた。関羽・張飛・簡雍と視線を合わせて頷き、
4人の合唱が野に響く。

  幾千万の私と貴女で
  あの運命に打ち勝とう 
  どこかの誰かの未来のために
  マーチを歌おう 

劉備たちの進軍に加わり斉唱に加わる者達は生徒会全軍に拡がる熱狂とともに
加速度的に増していった。最後は生徒会軍総員の進軍・大合唱になった。

 そうよ未来はいつだって
 このマーチと共にある
 ガンパレード・マーチ
 ガンパレード・マーチ… 

地を震わせる生徒会軍総員の合唱に威圧され、黄巾軍は完全に崩れた。
進軍してくる生徒会軍におびえて、張梁や黄巾部隊長の制止を振り切って
逃亡を開始する者も出始めた。
「これほど見事にあたるとはね…。」
生徒会軍総指揮官の皇甫嵩が、竹刀を高々と抜き放つ。もはや台詞はこれしかない。
「All!Handed gun-parade!All!Handed gun-parade!
 全軍突撃!
 たとえ我らが全滅しようとも、最後の最後に我らの遺志
 を継ぐ者が1人生き残れば我々の勝利だ!!
 全軍突撃!
 どこかの誰かの未来のために!!」

突撃行軍歌を歌いつつ猛進する生徒会軍の前に、もはや抗する力を失った黄巾軍は
張梁の制止の声も空しく雪崩をうって潰走した。生徒会軍全軍の追撃は夕方まで
続き、地公主将・張梁を飛ばす大勝となった。ここに、黄巾の猛威に対する一大反
抗作戦は大成功のうちに集終結し、蒼天学園全体に“聖徳の名将”、“生徒会の剣”
皇甫嵩の勇名は知れ渡った。
だが、会戦に先立つ4名の業績は生徒会の正式書類には残されていない。

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