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■ 【Roman】総 合 考 察 ト ピ

180 名前:ring:2006/11/28(火) 02:37
話の流れを切るようなのですが、失礼します…。
「嘘をついているのは誰か」という考えを廻らせながらジャケットを眺めていて、ふと思ったのですが…。
ジャケットのhortensia側(「生まれてくる朝」側)には「生」に関する物語、violette側(「死にゆく夜」側)には「死」に関する物語があるように見えませんか…?
描かれている曲目のみ深く言及させていただきますと(後の考察のためにいくつか曲目を省きますが)、

hortensia側
『歓びと哀しみの葡萄酒』(葡萄酒の作り主たる女性の半生、生きた証を綴ったもの。我が子である葡萄酒を慈しむ想い)
『天使の彫像』(棄ててしまった子を想う父が命を尽くした傑作)
『黄昏の賢者』(妊娠していた「お嬢さん」が最終的に子を産むことに決めた。ジャケットで中央よりも「朝」側に立っている姿からも同様に推測)

violette側
『緋色の風車』(皆さんご存知の通りですね)
『見えざる腕』(これも同じく、「夜」側にいるべき歌)
『星屑の革紐』(仔犬が生まれてくるシーンがありますが、ジャケットを見る限り描かれているのは死んでいくPleutだと思われるので、「夜」側)

以上のようになります。
さて、hortensia側にはもう1曲、『美しきもの』がありますが…。
この歌は、「美しきもの」を探す「私」と「君」との命の軌跡のような歌にも聞こえますが、私には「君」が死んでいき「私」が過去の思い出に想いを馳せている曲に聞こえます…。
『黄昏の賢者』の歌詞などからも察するに、「夜」とはすなわち「死」「後悔」「哀しみ」だと考えられます。
そうすると『美しきもの』の「私」は命について歌ってはいるものの、全体としては過去の追想を歌っており、「朝」に含まれる「生」「歓び」には触れていないのです…。

そしてもう一つ、『呪われし宝石』。
真ん中のhiverの胸に妖しく輝く赤い宝石がソレですね。
ジャケットを畳めばすぐに判るように、これ、<「朝」にも「夜」にも属していない中間>にあるのです…。
『呪われし宝石』といえば、どう聞いてもviolette側にあるべき歌…(少なくとも私にはそう感じました…)。
「生(朝)」と「死(夜)」のどちらにも傾かないhiverと共にあるのは、そういう点から見れば不自然ではないでしょうか…。

この2つの点からするに、嘘をついているのは『美しきもの』『呪われし宝石』のどちらか、もしくは両方ということは考えられませんか…?

屋根裏があることから、「賢者」が嘘をついているのでは、とも考えたのですが…。
『黄昏の賢者』で、「賢者」自身が疎んでいる「檻の中から『伝言』の真意を彼等(おそらく物語に登場する人物達)に」問いただすという部分に妙に引っかかりました…。
それはつまり、賢者は<檻の中からの問いを聞き、正しい「伝言」(Roman)を探せ>と言っているのでは…?と。
hiverは「賢者」に嘘をつかれて屋根裏に着たのではなく、檻から訴えられる真実の「伝言」を見つけるために着たのではないでしょうか…。
したがって「行き止まり」である屋根裏が嘘ではないことを示唆していることにはなりませんか…?
強いて言うなら、「本当のことは言ってないけど、嘘もついてないよ」ということです。
また、この推測を前提に屋根裏を聞くと、女性の声で「生まれておいでなさい…イヴェール」と言っているのが聞こえます。
屋根裏に着たのは(多分)hiverなのですから、彼女のセリフには嘘らしきものが感じられます…。
このあたりは『呪われし宝石』にも関係がありそうですし…。

…と、長々と駄文を連ね、たいへん失礼いたしました;;
この推測がどう転ぶのであれ、何かしらの取っ掛かりになれば、と思います…では。

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