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2009.01.01

第十三章   大南蛮国成立

 

 

 建安七年、五月。

 領下の悉くを呂布に調略された馬騰は、涼州牧としての最後の勇戦を飾るべく、自ら万余の騎兵軍団を率いて出撃した。

 従うのは、馬超・馬休・馬鉄・馬岱・馬雲緑のほか、韓遂、徳、楊秋。さらに旧劉璋陣営からの亡命者である黄権、呉班の姿もあった。

 陣容は惨憺たるものだった。将帥の質は呂布軍団にもひけをとらないのだが、彼らの率いている兵数が少なすぎた。各々がにわかに掻き集めた千や二千の小部隊が、戦場に点在するのみである。

 馬騰は、「奇襲」を選択した。それ以外に起死回生を望むチャンスはない。

 

陳 宮:……悲しいけど、これ戦争なのよね…。

呂 布:何をカッコつけてるんだ?

 

 奇襲作戦の指揮を執ったのは、馬騰軍参軍の黄権であった。かつては劉璋陣営にあって法正の次席にいた知謀の人だが、やはり陳宮には遠く及ばなかった。

 

馬 騰:奇襲は見破られたか!各自、全力を挙げて迎撃せよ!

 

 馬騰の叫びもむなしい。馬騰軍は全部隊が混乱状態に陥り、その無防備な姿を呂布軍の目前にさらしている。

 それだけではなかった。陳宮の打つ手は早い。

 

呉 班:…皆の者、かねて申し渡したとおりである!いまからこの呉班は呂布殿にお味方する!

 

 馬騰軍の客将であるはずの呉班の隊が、呂布軍先鋒呉懿隊の索敵範囲におさまった途端、ふいに矛を逆しまに馬騰軍を襲いはじめたのである。

 

馬 超:おのれっ、裏切りか!!

 

 怒号する馬超、すかさず傍らの楊秋隊に迎撃を命じるが、

 

楊 秋:我が隊も呂布殿に従う!

 

 と、これもまた部隊ごと呂布軍に寝返ってしまった。

 

馬 鉄:ゆるせ父上、兄者!これも国のためじゃ!

 

 さらに、馬兄弟・末弟の馬鉄までもが、軍をひるがえして呂布軍の旌旗を掲げる始末。

 

馬 超:バカな……

馬雲緑:兄上……無念です……!

 

 高順隊の突撃により馬雲緑隊、全滅。次いで韓遂隊、馬休隊、全滅。

 …この時点で、呂布軍6万4千に対し馬騰軍1万4千。このうち1万は馬騰の直衛軍である。

 

呂 布:この戦は仕舞いだ。馬騰、俺様と勝負せよ!

馬 騰:……よかろう。

 

 猛将馬騰の大部隊を正面からねじ伏せる愚は犯さず、呂布は一騎討ちを申し込む。混乱中の馬騰隊は、これを断れない。

 敵味方の雑兵を蹴散らしながら陣頭に立つ呂布の前に、魁偉な体躯をあらわす馬騰。

 

馬 騰:フフフ…呂布よ。総大将どうしの一騎討ちで勝敗を決するなど、これほどすがすがしい戦争は古今にあるまい。

呂 布:おう。なんかドラマみたいで面白いじゃね~の。

 

 同時に馬腹を蹴り、突進をはじめる両大将。

 ……建安七年(二〇二年)、夏。涼・雍二州を長らく支配し続けた大軍閥・馬一党は、その騎馬軍団と共に中国大陸から姿を消した。

 

 接収のおわった天水の主城(冀城か?)では、論功行賞が行われている。

 渡された軍功表を見て眉をひそめる呂布。

 

呂 布:さて、このたびの軍功序列だが…なんでいつも俺様が第一位なんだ?

陳 宮:あんたが前に出過ぎてるんです……。

張 遼:フフフ、御大将らしいぜ。

高 順:……。

孟 獲:俺、第三位。

 

 呂布軍の列将にすれば毎度見慣れたことが繰り広げられるのだが、馬騰軍の面々にとっては度肝を抜かれるような光景であろう。いちまいの紙片を囲んで、呂布と諸将が車座になってギャアギャア騒いでいるのである。

 

馬 超:小学生の席替えか……。

 

 たまりかねたように呟く馬超。

 ニヤニヤと状況を眺めている馬騰は、何か吹っ切れたの様子であった。

 やがて、虜将たちの裁断が始まったが、このたびは随分とスムーズに話が進む。

 まず総大将たる古豪・馬騰寿成が呂布の前に跪き、生涯忠誠を尽くすことを誓った。

 

馬 騰:わが五体が滅びようとも、鬼となって呂布殿を護り申そう。

呂 布:おうおう。これからは俺のためだけに生きるよ~に。

 

 …この契約は違えられる事はなかった。

 馬騰は北方戦線の総司令として安定城で曹操軍団と対峙し続ける。そしてわずか一年後の第一次長安攻略戦のおり、潰走する呂布軍団の殿軍となって踏みとどまり、散々に斬り暴れた挙げ句、曹操軍に捕殺される運命を辿ることになる……。

 

馬 超:おそらく地球人類であんたより強い男はおるまい!俺が仕えるのは最強の武!

呂 布:どこかで聞いたセリフだが。

張 遼:……。

 

 馬超、馬休の兄弟は呂布に臣従を申し出た。「流言」のせいで、みな忠誠度が60弱まで落ち込んでいた為であろう。

 ただ、馬超の従弟・馬岱と勇将徳だけは、意固地にも二君に仕えるのを潔しとせず、呂布の裁断を待つ事になった。

 そして。

 

馬雲緑:あ、兄上がどうであろうとも、私は貴様なんかには仕えないっ!

呂 布:え~。

馬雲緑:だいたい、私は相性60から80までの間の人にしか興味はない!

呂 布:(ニンマリ笑って)その点は心配ご無用!なぜなら俺の相性は「60」だからな。がっはっは。

陳 宮:あっ!いつの間に……!

呂 布:いっとくけど「スタート前」だからな。南蛮で始めるって事で、劉璋陣営にウケがいいと思ってな。

陳 宮:……ど~りで劉璋やら馬騰やらがホイホイ従うわけですよ。

馬雲緑:う……。60……。そ、それなら……。  

呂 布:がっはっはっは!

 

 彼らだけではない。黄権、呉懿の他、文官の王甫、劉璋の長子・劉循が馬騰陣営に亡命していた。そのことごとくが呂布への臣従を受諾してくれたのである。

 ……結局、ほとんどの武将が呂布に臣従することとなり、呂布陣営としては思わぬ奇勝となった。西涼一帯を吸収合併するのに等しい展開である。

 

陳 宮:これからが大変ですよ……。涼州の都市は軒並み治安0……。

呂 布:その辺はよろしく。

陳 宮:うぐぅ。

呂 布:……。

 

 呂布軍団は、天水からさらに東進して安定郡を制圧する。ここに仮司令部を置き、きたるべき長安攻略の前進基地とするのである。

 とりあえず安定の太守には馬騰を留め置き、馬一党をそのまま残すことにする。涼・雍の要である天水には、旧劉璋派の呉懿・呉班・黄権などを駐留させ、万が一の変事に備える。上党・武威などの涼州ド田舎都市には、劉璋・劉循親子を派遣(左遷とも言う)し、その基盤づくりを託した。

 

 ちなみに涼州戦役の集結直後、南中で唯一空白都市になっていた建寧にも軍が派遣されている。

 

呂 布:なんであそこだけ穴が空いてたか疑問だったんだが。

陳 宮:こ~ゆ~わけなんです。

 

 なんと旧劉璋陣営の人材が呂布の勢力圏を避け、野に隠れていたのである。楊懐・秦であった。すでに「嫌いフラグ」が消滅している彼らは、簡単に呂布の招請にこたえてくれた。

 

 ……そろそろ冬支度のはじまる建安七年(二〇二年)、呂布は涼州から益州・南中にかけての辺境区をことごとく踏み固め、陳宮の提唱する「西方王国」成立におおきく前進した。

 同月、呂布は秘技「勢力名欄で[CTRL]+マウスボタン右ダブルクリック」を用い、わが国名を「南蛮」と公称した。王でもなく公でもない。しかしながら勢力名が存在する奇妙な軍閥の主に、呂布はなったのである。

  

 建安七年、冬。呂布の南蛮勢力勃興により、中国の情勢はにわかに改まった!

 相変わらず四海最強の勢力を誇る袁紹・人材と生産力だけは桁外れの曹操・東呉の安全圏で伸び伸び精兵を養っている孫策・荊州でダラダラしている劉表・汝南でヒヤヒヤしている劉備。

 彼ら中原に縦横する英雄たちに、南蛮・漢中連合の力がどれほど通用するのか。この時点でそれを知りうる者は、(プレイ中の作者も含めて)誰もいない。

 

 ……同年末、遙か彼方の汝南太守・劉備と呉の孫策とのあいだに攻守同盟が結ばれたという報が飛び込んでくる。

 南蛮王・呂布は手にしていた箸を思わず取り落としたという。それを見ていた彼の娘二人は、何が可笑しいのかケラケラ笑った。呂布もまた、それを見て笑った。

 そう。彼らは「箸が落ちるのも可笑しい年頃」だったのである。

 

陳 宮:だから何なんだ……。

第十二章   もうひとつの戦争

 

 

 北方国家特有の「南下本能」により武都郡近郊に集結していた涼州騎兵軍団は、建安六年冬、事実上壊滅した。

 その棟梁たる涼州牧・馬騰および韓遂をはじめ、その一族、旗本の悉くが数珠繋ぎにつながれ、南蛮王呂布の軍師・陳宮の前に跪せられる体たらくである。

 

陳 宮:涼州どの、出ませい!

馬 騰:うむ。

 

 毬のように縛られ、犬のように曳っ立てられながらも、馬騰の悠々とした威風は全く損なわれておらず、むしろ一座の誰よりも尊貴な立場であるようにさえ見えた。

 

陳 宮:わが殿の御諚である。…ひとつ、わが南蛮に帰順を願う者あればこれを容れる。ひとつ、前項の返答如何に関わりなく卿らを損なう事無く解き放つ。ひとつ、年の改まった後ふたたび祁山にて相見えん。……以上である。

 

 陳宮の言葉に、敵味方の諸将は唸った。敵は素朴な感嘆を、味方は呆れ声を、それぞれ絞り出したようであった。

 

呉 懿:軍師どの、我らは鬼ごっこをするために遠征してきたわけではない!ど~にも寛容すぎるのではないか。

陳 宮:仕方がない。殿が決めたんだから。

馬 騰:……で、その呂布殿はどこにおられるのだ?

陳 宮:はあ…。(と溜息をつく)

 

 呂布は、やはりというか馬雲緑の元にいた。

 いちおう気を使っているのか、単身ではなく公孫楼を後に連れている。それでも馬雲緑、娘らしい警戒心をむき出しにしている。

 

馬雲緑:……そ、それ以上近づくと舌噛んで死ぬぞ!

呂 布:大げさだな~。何もしねえよ。

馬雲緑:う、嘘だ!この変態っ!痴漢っ!

 

 吠えかかられる呂布、ちょっと持て余し気味の様子である。

 

呂 布:いや、ねえ。いちおう俺ンところに来ないかって勧誘しに来たんだけど。

公孫楼:無理…親族武将だから。

呂 布:あ、そんなルールあるの?

公孫楼:よっぽど忠誠度が低くないと…。

呂 布:な~んだ。じゃあこのコも、あの獅子親父どもといっしょに放しちゃおう。

馬雲緑:……父上たちを放すのか!?

呂 布:おう。ユカイな連中だしな。

 

 馬雲緑、しばし呆然とした後、こんどは用心深げに尋ねてくる。

 

馬雲緑:…本当はどういう意味があるんだ?

呂 布:本命はお前を登用することなんだけど……なんか親兄弟を斬った後に登用するのって、(ゲームでも)後味わるいしな~。

馬雲緑:どこの世に、一人の部将のために敵主力を逃すバカ殿がいるんだ!?

 

 叫んでから、公孫楼と目が合った。公孫楼、めずらしく一瞬苦笑をうかべ、無言で首を振ってみせる。

 

馬雲緑:ほ、本当に……?

呂 布:当たり前だ。なにせ俺様の自己目標は「オルド充実」だからな。

 

 その言葉を聞いて、こんどは真っ赤になる馬雲緑。しばらく絶句した後、本気で怒り出した。

 

馬雲緑:バカにするな!!私は死んでもお前には仕えん!!

呂 布:え~?

馬雲緑:一瞬でも感心した私がバカだった!

呂 布:それにしても「Ⅶ」って武将個人に焦点をあてたゲームなんだから、やっぱりオルドコマンドぐらい欲しいよなあ……。

馬雲緑:あってたまるか~ッ!!!

呂 布:「オルド→子供誕生→命名イベント」は当然として、せめて「任侠的義兄弟」「親友」「仇敵」「姻戚関係」とかのパラメーターも欲しかったよなあ。

公孫楼:…そこまでやるとキャラゲーになる。

呂 布:う~ん。「太閤立志伝」シリーズみたく、別物にしなきゃだめか。言っちゃあなんだけど、「Ⅶ」は中途半端なんだよなあ。

公孫楼:……。

呂 布:……ま、まあ、ユーザーの願望ってところで。じゃあ、雲緑ちゃん、あと自由だから。適当に厩舎の馬、乗って帰ってて。受付で水と食料もらえるから。

 

 それだけ言うと、呂布は巨躯をひるがえして堂から出ていった。音もなく公孫楼の長身がそれに従う。残された馬雲緑は、もはや呆然とするしかなかった。

 

陳 宮:如何でしたか。

呂 布:う~ん。反応薄だな~。「嫌いフラグ」って何ヶ月ほど立ってるモンなんだ?

陳 宮:武将にもよりけりですね。早ければ3ヶ月ほどで消滅するんですが。

 

 嫌いフラグとは、要するに隠しデータ「嫌いな武将」の事。これが立ってるあいだは、まず登用に応じない。立て続けに攻め立てた国の捕虜が全然仕えてくれないのは、これがあるからなのだ。

 

陳 宮:来春、ってとこですね。再侵攻は。

呂 布:それまで俺様は何すりゃいいんだ? 

陳 宮:殿は何もせんでよろしい。ここ数ヶ月は我々軍師が行動します。

呂 布:なんだ、それ?

陳 宮:殿は御存知ない方が精神衛生上よろしい。もうひとつの戦というものですよ。

 

 意味ありげに言う陳宮。

 そのことばの真意は、次の月から早速あらわれはじめた。

 馬騰が軍団の再編成を行っている天水郡を中心に、凄まじい流言の嵐が吹き荒れたのである。

 いわく「涼州どのは軍再編のためさらに重税を課するつもりである」「新たに一四歳以上の少年に対し強制徴兵が成されるであろう」……。噂は爆発的に広まり、馬騰領下の治安値は滝のように暴落した。

 諸将にも不安が走る。猜疑心に満ちた目でお互いを見はじめ、営中、疑心暗鬼に包まれていた。

 

 

馬 超:まさか、父上が……。

馬雲緑:噂は信じられないが…皆が言うなら……

韓 遂:……なんということだ。これでは義兄上にお仕えする意味がない…。

 

 もはや親族武将までもが、好漢・馬騰を疑いはじめていた。ただひとり、それに気づかない馬騰は、悠々と軍馬を練っている。あるいは気づいた上で諦めているのかもしれない。

 

法 正:うまくいきましたな。

陳 宮:後味わるいけどな~。でも、これからの作戦で多用する事になるだろう。

 

 これこそが、陳宮の発案による情報戦術であった。行動力のありったけを「流言」に用いるのだ。一ヶ月の間に二〇回ちかい「流言」を敵領内に叩き付ける。智者・謀将が揃った今の呂布軍だからこそ可能な戦術である。 

 

 年が改まり建安七年。

 馬騰領下の数都市で一斉に暴動が発生し、その国力は急速に低下した。

 さらに季節が移った四月、西平の太守梁興が叛旗を翻し、呂布に郡ごと帰順してきた。これにより馬騰軍は本拠である武威郡との連絡を絶たれ、天水郡に孤立した事になる。

 

馬 騰:フフフ。呂布か。武辺だけかと思いきや、わが部下たちが子供のようにあしらわれておるわ。

 

 さすがに疲労した顔の馬騰。一人で呟いているところ、慌ただしく武将たちが飛び込んできた。

 ……勇将徳をはじめとする、武威郡に残留していたはずの腹心たちであった。

 

馬 騰:……貴様らがここにおると言うことは、すでに武威も陥ちたか。

 :申し訳ございませぬ…!

 

 言うや、その場に突っ伏して哭き出す徳たち。何事かと集まってきた馬超達は、その光景を見て呆然とする。

 下弁の敗戦の後、馬騰が本拠地を委ねていた「関中八将」のひとり成宜が、やはり呂布に通じて郡ごと寝返ったのである。これで馬騰の保有する領土は、この天水郡のみになってしまった。

 

馬 騰:もはや帰る処もない。どうやらこの天水が我らの墓所と決まったぞ。

馬 超:な、何を言っているんだ、親父殿!直ちに軍を返し、裏切り者どもを成敗すればそれで済むではないか!

馬雲緑:兄上の言うとおりだ!私に騎兵五千もお与え下されば、梁興、成宜の如きはたちどころに蹴散らしてご覧に入れますっ!

 

 馬騰はゆっくりと首を振った。もはや諸事手遅れであるということを、この涼州随一の古豪は本能的に悟っていたようであった。

 直後、馬騰の悪い予感は的中した。

 武都郡に居座っていた呂布軍団主力が、こちらを目指して北上を再開したという。予定戦場は、天水南郊の祁山あたりであろう。

 馬騰は剣を掴むと立ち上がり、歩き出した。慌てて、馬超たちがそれに追い従う。

 ……みな、無言であった。

 

 馬騰軍団を手玉に取り、必勝の構えの呂布軍団。対する馬騰の思惑は!? 痛快読み切り三国志Ⅶ活劇・「後世中国の曙!?」は、すこしダークです!

第11章   武都炎上

 

 建安六年、冬。隴西方面で開始された呂布の侵略戦は、意外な展開となっている。

 馬騰自慢の騎馬軍団は、その圧倒的な猛威を振るう間もなく計略に掻き回され、方々で壊乱し、相次いで主将を失った。

 そしてこの戦場の一角にて、希に見る華麗な一騎討ちが行われていた。

 

公孫楼:……。

馬雲緑:こ、このっ!

 

 兄たちにも匹敵する西涼の戦姫、馬雲緑。対するは、今や父を遙かに上回る女剣士公孫楼。両将は駆け違いざまに一撃、振り向いて一撃、馬首を揃えながら一撃、やがて並走しながら激しく撃ち合う。

 しかし勝負はそれほど長く続かなかった。いくら馬雲緑が自慢の矛を振るおうとも、三尖刀を持つ公孫楼にはまるで歯が立たない。

 

公孫楼:……二段突き!

馬雲緑:う、嘘…っ

 

 馬上から吹き飛ばされ、馬雲緑の小さい身体は大地へ叩き付けられた。公孫楼、その少女を鞍上へ掻き上げると、淡々と自陣へ引き返した。どうっ、と両軍が響動めく。

 

馬 超:お、おのれ~!

  

 本日3度目の「混乱」を喰らっている馬超、ただ戦場を遠望して吠えるのみ。

 そこへ、ようやく南蛮王・呂布が姿を現した。

 

呂 布:はっはっは。馬超よ、早く下りて来て俺の前へ出てこんか。

陳 宮:だから!あの馬超だけはちょっと強いんですってば!

呂 布:やかましいっ!たまには俺の好きなようにさせろ。

 

 砦を飛び出すや、土煙を巻き上げ一直線に突っ込んでくる馬超。呂布も赤兎の馬腹を蹴ると、左右の制止を無視して陣頭に躍り出る。

 戦場全体がとどろくような喊声に包まれた。これほど傑出した豪勇同士の一騎討ちなど、生涯でそう見られるものではない。

 

馬 超:貴様が呂布か!

呂 布:おう。

馬 超:言っておくが俺は弟妹たちとはちょっと違うぞ。武力は99(えぢた~済み)だ!

 

 途端に、矛先を天に突き上げ、鞍壺を激しく叩いて主将を讃える涼州兵たち。天下無敵の錦馬超は、彼ら荒くれ者どもの精神的な支柱なのだ。

  

呂 布:あの~。俺、武力110なんだけど……。

 

   ……し~ん。

 

馬 超:…………い、一騎討ちは武力ではない!根性だ!気合だ!

 

 どぉおおおっ!と、再び激しく燃え上がる涼州兵たち。

 

呂 布:フフフ。なんだか可愛ゆい奴らじゃ。

 

 呂布は満足げである。馬超たちもひっくるめて、ここらの風土風俗は呂布と相性がよいのかもしれない。 

 馬超と呂布は、同時に突進し、激突した。

 

馬 超:そうれ参段突き!!

呂 布:どわっ。お返し!

 

 みるみる両者の体力ゲージが減ってゆくなか、不意に呂布は馬超に怒鳴り掛けた。

 

呂 布:おい、馬超!前から一騎討ちについて疑問に思っていた事があるんだ!

馬 超:何だ!いま戦っている橋のことか!?

呂 布:いや、それは気にしないことにした!それよりも、耳を澄ませ!このBGMのイントロパート、どっかで聞いたことないか!?

馬 超:ん……?言われてみれば…。

 

 ♪ちゃらら~…ちゃらら~…ちゃらら~…ちゃら~……♪

 律儀にも、矛の手を止め考え込む馬超。呂布も一緒に考えこんだ。

 

馬 超:見切った!

 

 やがて十日の宿便が下りたような表情で馬超が叫ぶ! 

 

馬 超:スパイ大作戦だ!ほら、あのテーマソングのBメロ(?)あたりのところ!

呂 布:ミッション・インポッシブルっていえよ!そうか、確かにあのあたりに似てる!出だしの処だけだけど。

馬 超:よかったな、呂布!

呂 布:おうっ、サンキュー馬超!

 

 キラリと歯を輝かし、極上の笑顔を交換し合う呂布と馬超。一瞬後には何事もなかったように一騎討ちを続行した。

 

陳 宮:何なんだ、あの二人は…。

公孫楼:……ああいう人なんだ。

 

 ……若干あきれ顔が見守る中、果てしなく続くかと思われた一騎討ちは、呂布の猛烈な参段突きで決した。

 

馬 超:み、見事…。

 

 涼州随一の剛・馬超は、方天画戟の下に伏した。

 

呂 布:……ふう~。

 

 さすがに満身血と汗にまみれている。気絶した馬超の躰を近従に放ってよこすと、呂布は不敵に笑って戦場の最深部を指した。

 

呂 布:残るは涼州の獅子親父のみだ!ひっくくって親子ともども俺の前へ連れてこい!

 

 その言葉で、わっと色めき立つ諸将。呂布軍団は、わずかに残る馬岱、馬鉄らの部隊を蹴散らして、戦場の最深部に殺到する。

 

馬 騰:フッフッフ。さすがに南蛮にその人ありといわれた猛将である。

韓 遂:なにを暢気な!ここは儂が守りますゆえ、義兄上は急ぎ落ちなされ!

馬 騰:人を虚仮にするのではないわさ!

 

 急に吠える馬騰。彼もまた武力90になんとする猛将軍であり、長らく羌だのだのいう驃悍な騎馬民族相手に戦い続けてきた男である。

 自隊の数倍にもなる呂布軍に包囲されながらも、馬騰は最後まで沈着に猛戦し、やがて砦へ突入してきた高順隊によって手捕りにされた。

 

 建安六年、冬。

 武都は陥落し、涼・雍二州にまたがる馬騰の勢力圏に大きな楔が打ち込まれることになった。

 

 さすがに強い呂布奉先!錦馬超を撃ち破り、さらにのぞむは遙かな涼州!痛快読み切り三国志Ⅶ活劇・「後世中国の曙!?」は、白熱中です!

第十章   錦馬超と馬雲碌

 

 「関西(かんせい)は武、関東は文」と云う。「関」とは、弘農の潼関や函谷関のことで、要するにだいたい長安以西の地方は、古来尚武の地とされていたわけである。

 その「関西」の最西端ともいうべき涼州。

 ド辺境であった。この地からさらに敦厚、楼蘭を越え、シルクロードを踏破すれば、そこは西域と呼ばれた別世界なのだ。

 吹きすさぶ昆論おろしに砂塵が舞い、茫漠たるその視界を野生馬の群が轟々と通過する……イメージ的にはこういう風景の世界がひろがる厳しい自然環境の中、数々の騎馬民族が日々居住地を移しながら共存し、時には殺し合う。

 現在、その涼州を束ねているのが馬騰という怪物だった。

 

馬 騰:フフフ、呂布奉先か。敵に不足はないのである。

 

 雪混じりの烈風に長髯をなびかせながら、不敵にうそぶく馬騰。馬上、巨躯を甲胄に包み、ふてぶてしく腕組みをしている。

 かれは今、武都城の南方約30キロの下弁地方に出撃していた。

 

 ……建安6年12月。

 南蛮王呂布奉先は、何の前触れもなくいきなり北上した。その矛先は、涼州牧の馬騰の勢力圏内である武都郡にむけられていた。

 呂布と漢中五斗米教団との間で、電撃的に攻守同盟が成立したためであった。 

 武都にいた馬騰は、これを迎撃するため自ら出陣。総兵力は騎兵のみ四万に達する。

 

韓 遂:義兄上、罠は仕掛け終わった。後は敵を待つばかりだ。

馬 騰:ご苦労である。

韓 遂:それにしても南蛮王だか知らんが、何を血迷うてこんなド田舎に攻め入ってきたのやら。

馬 騰:フフフ、俺には分かる。奴はより強き敵を求めておるのだ。

 

 戦場「下弁(って名前勝手に付けてるんだけど)」は、全面的に山嶺地帯である。はっきりいって、騎兵が動き回れるような地形ではない。

 うんざりするような高々度の山岳マップ中央を、太い河川がうねるように貫いている。西漢水であろう。

 その西漢水の対岸には、呂布軍団が展開を終えていた。

 

陳 宮:敵の参軍は韓遂です。おそらく渡河地点には罠が仕掛けられていましょう。

呂 布:なんだ、このド田舎にそんなインテリがいるのか。

陳 宮:まあ、知力80そこそこですけどね。注意しましょう。

  

 呂布軍の陣容はというと、高順・張遼を中心に呉懿、孟獲、公孫楼ら5万余。公孫楼隊を除き、全員が山岳戦に備えて歩兵隊である。

 まず藤甲部隊である孟獲が、スルスルと渡渉を開始して中州の砦を確保。続いて陳宮、高順らが続々と対岸へと渡りつく。有り難いことに水際防禦線を引かれていなかった。

 しかしながら最初にたどり着いた砦には、「奴」がいた。

 

馬 超:オラオラオラ~ッ!ザコはすっこんどれぇ!!

呂 布:う、うわ、何だあの暑っ苦しい体育会系は!?

陳 宮:馬騰の長男です!武力がムチャ高だから注意してください!

呂 布:よーしっ、一騎討ちだ!

陳 宮:なぜ!?

 

 どうやら馬騰軍は、その砦にほとんど全軍を集結させていたらしい。諸将の索敵範囲に次々と有力な敵部隊が姿を現した。楊秋、程銀といった旗本たちばかりでなく、馬休、馬鉄、馬岱といった一族部将も勢揃いである。

 

呂 布:どこを見ても馬・馬・馬……。

高 順:まずいですな。我らは山岳における機動力を心がけるあまり、近接戦での攻撃力の差を失念いたしておりました。

 

 正直、馬騰軍がこんな真っ正面に兵力を集中してくるとは思っていなかったのである。数が同じで、率いる将帥の力量も等しいとすれば、いかに山岳とはいえ騎兵の方が強いのは自明の理。

 

馬 騰:こどもらよ。我らが馬軍団の威を蜀の弱卒どもに見せつけてやるのだ。

馬雲碌:お任せ下さい、父上!

 

 ワラワラと群がる涼州騎兵集団のなか、ひとりの少女が颯爽と駒をとばしていた。まだ二十にもなっていないだろうが、その凛たる姿は兵どもを圧倒し、むしろ剽悍と称するにも足る。

 

呂 布:むっ…!

陳 宮:はいはい何ざんしょ?

呂 布:あの美少女は!

陳 宮:馬雲緑(ただしくは雲)ですな。馬騰どのの息女です。出典、周大荒・渡辺精一『反三国志(講談社)』。

呂 布:お、『反三国志』というとあの『SF三国志』に亜ぐと称されるトンデモ三国本だな!

陳 宮:え、ええと……それはともかく、なかなかに武勇に秀でているようです。

呂 布:よし、一騎討ちだ!

陳 宮:だから何故?

 

 渡河を終えた呂布の歩兵軍団は、涼州騎馬軍団と正面から衝突した。

 さすがに、強い。

 馬玩や程銀らザコはともかくとして、馬休、馬鉄ら馬騰の息子たちはみな武力80ちかい猛者揃いである(えぢた~済み)。だが彼らに混ざって戦場を疾駆し、兵らを叱咤しては猛烈に槍を振るっている美少女・馬雲緑は、その次兄、三兄をも上回る豪勇であった。

 

呂 布:カぁッコいいなぁ~。

 

 その光景を遠望して惚れ惚れとする呂布。その傍らでは、謀将・陳宮がすでに勝ための算段を整え、実行にうつしていた。

 

陳 宮:結論として、敵はバカ揃いです。

 

 軍師・韓遂を唯一の例外として、彼らは痛快なほどに低知力揃いなのである。陳宮、呉懿ら老獪な将軍から見れば、馬軍団など腕力ばかり強いこどもの集団に過ぎない。

 さっそく、計略「混乱」・「同士討」の嵐が馬軍団中央に炸裂した。

 

馬 休:むっ、むっ。これでは動きがとれん!こ、こら勝手に動くな! 

程 銀:若様っ、いたたた!私の隊ですってば!

楊 秋:死ね、呂布ぅ!

程 銀:だから俺だって言ってんだろうがァ!

 

 要領が悪いのか仲間達から袋叩きに会う程銀隊。そこへ高順隊が突撃し、あっさりとこれをしとめる。楊秋は張遼が、馬玩は孟獲が、それぞれ一騎討ちで手捕りにしてしまった。

 さらに馬休もまた、混乱のさなか高順との一騎討ちに敗れ、手捕りとなってしまった。

 

馬雲緑:卑怯な!正々堂々と勝負しろ!

馬 超:そこにいたか呂布ゥ!

馬雲緑:ちが~うっ!

 

 ちょっと傍目には愉快なくらいあたまのよわい馬軍団であった。

 さすがに苦笑しながら戦局を傍観する呂布、自らも参戦するべく移動を開始する。……と、その目前を純白の鉄騎集団が駆け抜けていった。

 

呂 布:あ、おい、楼ちゃん。

公孫楼:……。

 

 鞍上、軽く会釈すると、公孫楼は白馬をとばし、目下大混乱中の馬雲緑隊に単騎で分け入った。手に持つは、呂布がわざわざ公孫楼のために金800で購った三尖の怪槍である。

   

馬雲緑:な、何だ!?

公孫楼:……一騎討ち。

馬雲緑:の、のぞむところよ!

 

 二人の若い娘武将は、馬上でもつれ合うように一騎討ちをはじめた!

 

呂 布:おおっ!わくわく。

陳 宮:な~んかヒマですなあ。

 

 いよいよ北上をはじめた南蛮軍!西涼の騎馬軍団を相手に大激戦!痛快読み切り三国志Ⅶ活劇「後世中国の曙」は、けっこう連載向け展開です!

第九章   蜀を得て隴を望む

建安5年、夏。ふいに南中地方の雲南に出現した「飛将軍」こと呂布奉先は、自らを南蛮王と称した。かれは異装の蛮兵を率いて平和な益州に侵攻。わずか1年足らずで巴・蜀にまたがる益州全土を制圧し尽くした。

 

呂 布:こういう書き方だと、なんか俺様が悪役みたいな。

陳 宮:事実そうでしょうが。

呂 布:ふん。じゃあ俺が悪の親玉ならば、お前はさしずめ……

公孫楼:悪の参謀……。

呂 布:ぶわっはは。ピッタリだ!!

陳 宮:………。じゃあ公孫楼どのは悪の女幹部。

公孫楼:私は悪じゃない。

呂 布:どうも貴様は悪の将軍というイメージではないなあ。

高 順:申し訳ございませぬ。

 

 

第九章   蜀を得て隴を望む

 

 

  建安六年(西暦二〇一年)、夏。成都。

 呂布は成都を本拠と定め、益州および南中の経営を開始した。

 が、内政を実施するのは旧劉璋陣営の内政官達であり、本人は至って暢気な者であった。その緊張感のカケラもない話題に興じる幹部たちを、旧益州組が呆れたような面もちで眺めている。

 

呂 布:で、いまの下界の様子はどうなんだ。

  

 ひとしきり特撮モノにおける悪の三幹部の存在意義について議論した呂布は、ふと真面目な表情に戻って部下たちを顧みた。

 下界、とはよく言ったもので、この益州は他の勢力とは半ば隔離された別天地である。北は梓潼、南は雲南、東は永安を抑えておけば、まず侵略される事はなかろう。

 で、その下界の様子はというと。

 

 まず東の荊州は劉表陣営が暢気に経営しており、江東の新鋭孫策が虎視眈々とそれを窺っているモノとみえる。

 北はどうか。すぐ至近の漢中は張魯の主催する道教王国が根を張っており、武都方面は馬騰率いる涼州騎馬軍団が南下の機を待ちかまえているようだ。

 そして、この方面の争覇戦の要となるであろう長安城には、すでに曹操の派遣した大部隊が入城している。

 東するか北するか、いずれにしても呂布は今、外敵に事欠かない状況であるといえた。

 

 

呂 布:そういえば前も議論したな。東の荊州か、北の涼州か。

陳 宮:私は断然、北進策をお勧めしますな。荊州に手を出したら最後、泥沼の中原争覇に巻き込まれ、辺境王国たる地位を確率しそこねます。

法 正:荊楚を制する者天下を征する。私は劉表討伐こそが焦眉の急と愚考いたします。

 

 と、ふたたび衝突を始める正副の軍師。呂布にしても定見があるわけではないので、いっそ戟が倒れた方向へ攻め入ろうか、などと考えている始末。

 結局、今年いっぱいは無理な外征は控えるべきという張の意見が大勢を占め、議論は一時中断された。先の戦いで、呂布軍の戦力は激減しているのだ。

 呂布も本腰を入れて内政と民心掌握に励む羽目になった。

 

 ……そうこうしている内に季節が移り、冬十月。

 つまらなさそうに内政報告を聞いていた呂布の元へ、北方から使者が訪れた。

 漢中を聖域とする宗教団体「五斗米教団」からの使者であるという。

 

呂 布:追い返せ。

陳 宮:はあ…しかしながら、勧誘ではございませんぞ。

呂 布:ふん、奴らの常套手段だ。最近はあからさまな勧誘員がめっきり少なくなった。この間なんか、ケーブルテレビの契約云々からそっちへ入ってきたぞ(実話)。

陳 宮:いえ、そうではなくて……。

呂 布:その証拠に、漢中の奴ら、ここのところ毎ターンのように贈り物を届けてきている。これが勧誘目的でなくて何だというのだ。

陳 宮:友好度を上げようとしているだけですよ、たぶん。

呂 布:とにかく俺は会わん。塩でもまいとけ。

???:あらあらあら~。相変わらずですわね、呂布将軍。

 

 ふいに、陳宮の背後から女性の声が聞こえてきた。驚いてそちらを見遣る二人の前に姿を現したのは、まだ二〇そこそこの娘であった。漢人にしては彫りが深く、どこかエキゾチックな感じである。

 

陳 宮:衛兵は何をしている!どうやって入ってきたのだ!?

呂 布:げっ、教母!

陳 宮:? ……ご存じなんですか?

呂 布:は、はは…漢中にいたときにちょっとな。

教 母:お久しぶりでございます、呂布将軍。

 

 教母と名乗る娘は、ぺこりとお辞儀をした。可愛らしい仕草だが、ぞくりとする風情もある。

 ところで、記憶力のよい方ならば覚えておられよう。呂布はシナリオスタートに先だって、各地を「放浪」していたことがあるのだが、そのとき最も長く滞在したのは漢中である。

   >陳宮:途中、漢中で学問に精を出したり……

 と第一章で触れているのは、この時のこと。

 で、そのときに呂布の鍛錬につきあったのが、この教母と名乗る娘なのであった。

 

陳 宮:ほう。流浪時代からのおつきあいでしたか。 

呂 布:う、うむ……。

教 母:このたびは益州の領有、おめでとうございます。教団を挙げて、将軍の御雄図を祝福申し上げますわ。

呂 布:ど、どうもご丁寧に。

陳 宮:……なんか調子が違いますな、殿。

呂 布:うるさい。人にはどうしようもない得手不得手があるのだ。

教 母:あら嫌やですわ、将軍。不得手だなんて。

 

 唇に手を当ててころころと笑う教母。どう見ても稚い娘の仕草である。

 で、そもそも「教母」とは何か。

 

教 母:文字通りですわ。私は「嗣師」すなわち先代五斗米道教祖・張衡の妻で、現教祖「系師」張魯の実母でございます。

陳 宮:は、母親!?

呂 布:…。

 

 ちなみにこの時点で張魯の年齢は三八歳……。

 

陳 宮:で、ですが、張魯の母親といいますと、数年前に劉璋によって殺害されたはずでは?

教 母:あらあら…。軍師様は物知りなんですね。文句は陳瞬臣先生に仰ってください。

陳 宮:……。

 

 念のために補足説明しておくと、張魯の母は史伝でも「小容(オサナクカタチヅクル)」と評される程に可憐で、劉璋の父・劉焉とは極めて親密な関係にあった(と、思われる)。

 劉焉は朝廷からの独立のために五斗米教団を利用し、教団は劉焉の保護によって漢中という天然の要害を領有できた。つまりギブ&テイク。

 ところが劉焉の跡を継いだ劉璋が、日に日に増幅する教団を疎んじ、張魯の母(つまり教母)と弟たちを殺害。これにより両者の同盟関係は崩れたのである。

 

陳 宮:……で、どうして生きているんです?

教 母:あらあら。あなた達こそどうして生きているんです? 

陳 宮:すみません。もう訊きません。

 

  教母の来訪目的は、やはり同盟締結の提唱であった。金1710を呂布に貢ぐ代わり、21ヶ月間漢中へ手出しをしてくれるな、という事である。

 

陳 宮:(いけませんぞ、殿。漢中は来るべき対曹操戦での要となるべき都市です)

呂 布:(いや、それは分かってるが、どうにもなあ)

 

 ひそひそと相談する二人。教母は微笑みながらそれを見守っている。

 やがて、呂布の出した答えは……。

 

 初の他勢力のコンタクトに、対応を苦慮する呂布奉先。蜀を得てまた隴を望むか、それともスッパリあきらめるか? 痛快読み切り三国志Ⅶ活劇・「後世中国の曙!?」は、なんか新展開です!

プレ第2部  パワーアップキットへのお誘い

呂刀姫:どうも、初めまして!呂布の長女、刀姫です。

呂文姫:初めまして~っ(^^ゞ その妹の文姫で~す(^_-)v

呂刀姫顔文字使うな~~~~ッ!!!

呂文姫:え~っ(>_<)ヽ

呂刀姫:……。とにかく、話を続けます。いままでこのプレイ記は光栄「三国志Ⅶ」を使用していましたが、益州統一から後は光栄「三国志Ⅶパワーアップキット」を使用しました。

呂文姫:スゴイよね~このパワーアップキット。全武将の能力を全シナリオ一括変更できる!オマケに新登録武将の「武将列伝」編集機能付き!

呂刀姫:とかく賛否両論ですが、私は導入して損は無いと思います。

 

呂刀姫:で、これからが説明なのですが、上の諸機能をフルに活かすには、最初からゲームをスタートしなければいけないわけです

呂文姫:つまり通常版でやったプレイが無駄になる、ってわけだね~。

呂刀姫:さいわい、Kz-8様が配布されている「三国志Ⅶ登録武将えぢた~」の最新版がパワーアップキット対応仕様となったため、今回のデータコンバータはこちらを用いました。

呂文姫:コンバータって言っても、手作業だよ~。シナリオエディットで、極力もとの状況に近い武将配置、能力値にして……。

呂刀姫:もちろんマルチプレイモードで勢力配置も調整しました。

呂文姫:んで、ようやく元通りになったわけだね~。

呂刀姫:一部、細かい誤差もあったけどね。だいたい元通り。

 

呂刀姫:第三部あたりから、私たちも登場年数に達します。

呂文姫:私と姉様は、203年に同時に成人します。姉様十四歳、私は十一歳。

呂刀姫:ほんとは十一歳の登場なんてあり得ないんだけど、「えぢた~」様々ですね。イロイロと無理が利きます。

呂文姫:曹操とこの曹沖くんだって、あり得ない「六人目の息子」だもんね。

呂刀姫:ホント! この一事だけでもKz-8様に大感謝!

呂文姫:みなさんも彼に足を向けて寝ないよ~に。

呂刀姫:具体的な敬意の表し方については、リンクページを参考にしてください。

 

呂刀姫:では、続きまして「痛快三国志Ⅶ活劇」の第二部をご覧下さい。

呂文姫:楽しんでね~(^.^)b

呂刀姫だから顔文字使うな~~~~ッ!!!